美容室開業の集客方法10選 |個人サロンでもできる新規獲得のコツ

美容室を開業したものの、「思うように予約が入らない」「集客がうまくいかない」と悩んでいる方は少なくありません。せっかく準備を整えて開業したのに、お客様が来てくれないと不安になりますよね。
内装にこだわり、施術の技術も磨いてきたのに、なぜか予約が埋まらない。そんな状況に直面すると、「自分には向いていないのかも」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。
でも、安心してください。集客に悩むのは、あなただけではありません。厚生労働省の「令和5年度衛生行政報告例」によると、全国の美容室数は27万4,070軒を超え、過去最多を更新しています(出典:厚生労働省「令和5年度衛生行政報告例」2024年10月29日発表)。これはコンビニの約5倍にあたる数字で、競争が激しいのは当然のことなのです。
この記事では、個人サロンや小規模美容室でも実践できる集客方法を10個厳選してご紹介します。オンライン施策からオフライン施策まで、初心者の方でもすぐに取り組める内容をまとめました。最後まで読んでいただければ、きっと「これなら自分にもできそう」と思える方法が見つかるはずです。
なぜ今、美容室の開業後に集客で苦戦するサロンが多いのか
集客方法を学ぶ前に、まずは美容室業界の現状を把握しておきましょう。なぜ多くのサロンが集客に苦戦しているのか、その背景を理解することで、効果的な対策が見えてきます。
店舗数の増加と競争環境の変化
先ほども触れましたが、美容室の数は年々増加しています。厚生労働省の衛生行政報告例によると、2024年3月末時点で全国の美容室数は27万4,070軒。前年度から4,181軒増加しており、増加傾向は続いています。
一方で、人口は減少傾向にあります。つまり、限られたお客様を多くの美容室で奪い合う構図になっているわけです。技術力があるだけでは選ばれにくい時代になっており、「どうやって自分のサロンを知ってもらうか」という集客力が経営を左右するようになっています。
お客様の美容室探しの方法が変わっている
お客様が美容室を探す方法も、ここ数年で大きく変化しています。以前は「〇〇駅 美容室」とGoogleで検索したり、通りがかりに看板を見て入店したりするケースが主流でした。
しかし現在は、InstagramやTikTokで「#髪質改善」「#ハイトーンカラー」などと検索し、理想のヘアスタイルやサロンの雰囲気を事前に確認してから予約する方が増えています。総務省の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、10代・20代ではSNSが情報収集源として検索エンジンと同等かそれ以上に利用されています。
この変化に対応できていないサロンは、そもそもお客様の選択肢に入らない可能性があるのです。
ポータルサイト依存のリスク
ホットペッパービューティーなどのポータルサイトは、確かに高い集客力があります。しかし、掲載料は年々上昇傾向にあり、特に競合がひしめくエリアでは、上位表示のために高額なプラン契約が必要になることも珍しくありません。
リクルートのホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期」によると、美容室の市場規模は1兆3,884億円で前年比2.5%増となっています。市場自体は堅調ですが、広告費の増加が利益を圧迫しているサロンも少なくありません。
ポータルサイトだけに頼る集客から脱却し、複数の集客チャネルを持つことが、安定した経営につながります。
個人サロンでも実践できる新規顧客獲得のための集客方法10選
ここからは、具体的な集客方法を10個ご紹介します。オンライン施策とオフライン施策をバランスよく組み合わせることで、効果を最大化できます。
方法1:Instagramで施術事例を発信して認知を広げる

Instagramは、美容室の集客において最も相性の良いSNSの一つです。写真や動画がメインのSNSなので、ヘアスタイルやカラーの仕上がりをダイレクトに見せることができます。
実際に、美容師35人を対象にしたアンケート調査(出典:JOBOON「美容室で集客効果があったSNSは?」2024年6月)では、集客で最も利用しているSNSとしてInstagramを挙げた美容師が32人と圧倒的多数でした。「Instagram経由での予約が増えた」「ビフォーアフターを載せたらDMから集客につながった」といった声が報告されています。
Instagramを始める際のポイントは以下の通りです。
まず、プロフィールを充実させましょう。サロン名、場所(最寄り駅からの所要時間)、得意な施術、予約方法を簡潔にまとめます。プロフィールを見た方がすぐに予約できるよう、リンクを設置することも忘れずに。
投稿は、施術後の写真を中心に行います。特にビフォーアフターの比較写真は反応が良い傾向があります。撮影時は同じ角度・同じ照明で撮ると変化がわかりやすくなります。お客様の許可を得てから掲載することを忘れないでください。
ハッシュタグは、投稿を見つけてもらうための重要な要素です。「#〇〇駅美容室」「#髪質改善」など、ターゲットが検索しそうなタグを10〜15個程度つけましょう。
方法2:Googleビジネスプロフィールに登録して地域検索で上位表示を狙う
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は、「〇〇駅 美容室」「近くの美容室」といったキーワードでGoogle検索やGoogleマップ検索をしたときに表示される無料のサービスです。
地域のお客様を集客したい美容室にとって、Googleビジネスプロフィールへの登録は必須と言えます。登録は無料で、サロンの基本情報(住所、電話番号、営業時間、定休日など)を入力するだけで始められます。
登録後に意識したいのが、情報の充実と口コミの獲得です。写真は外観、内装、施術例など複数枚登録しておくと、検索したお客様に雰囲気が伝わりやすくなります。
口コミの数や評価は、お客様がサロンを選ぶ際の判断材料になります。来店されたお客様に「よかったらGoogleで口コミを書いていただけると嬉しいです」とお願いしてみましょう。ただし、口コミへの対価として金品を渡すことはGoogleのガイドライン違反となるため、注意が必要です。
方法3:LINE公式アカウントで既存顧客との関係を深めてリピートにつなげる
新規のお客様を集めることも大切ですが、一度来店されたお客様に繰り返し通っていただくことは、経営の安定において非常に重要です。
LINE公式アカウントは、既存顧客とのコミュニケーションに適したツールです。友だち追加してもらえば、次回予約のリマインドやキャンペーン情報を直接届けることができます。
美容室でのLINE活用例としては、次回予約のお知らせ(「前回のご来店から〇週間経ちました」など)、バースデークーポンの配信、空き状況のお知らせ、ヘアケアに関するお役立ち情報の発信などがあります。
また、LINEで予約を受け付ける仕組みを整えれば、お客様にとっても便利です。電話をかける必要がなく、営業時間外でも予約できるため、予約のハードルが下がります。
方法4:自社ホームページを作成してサロンの詳細情報を伝える
SNSは手軽に始められる一方で、情報が流れていきやすいという特徴があります。サロンのコンセプトや料金表、スタッフ紹介など、じっくり読んでもらいたい情報は、ホームページにまとめておくと便利です。
ホームページに掲載すべき情報としては、メニューと料金、スタッフ紹介(得意な施術、経歴など)、サロンへのアクセス(地図、最寄り駅からの道順)、予約方法、サロンのこだわりやコンセプトなどがあります。
現在はスマートフォンで美容室を探す方がほとんどなので、スマートフォンでの表示に対応したデザインにすることが重要です。無料または低価格で作成できるサービスも多いので、予算に合わせて検討してみてください。
方法5:ポータルサイトを活用して新規顧客との接点を作る
ホットペッパービューティー、楽天ビューティー、minimoなどのポータルサイトは、美容室を探しているお客様が多く集まる場所です。
掲載料がかかるというデメリットはありますが、新規のお客様との接点を作るという点では効果的な方法です。特に開業直後で認知度が低い時期には、ポータルサイトからの集客が売上の柱になることもあります。
ポータルサイトを活用する際のポイントは、掲載内容の充実です。写真は明るく清潔感のあるものを選び、メニュー説明は具体的にわかりやすく記載しましょう。口コミへの返信も丁寧に行うことで、好印象を与えられます。
ただし、ポータルサイトだけに依存するのはリスクがあります。自社の集客チャネル(SNS、LINE、ホームページなど)を育てながら、ポータルサイトは補助的に活用するという意識を持つことが大切です。
方法6:チラシ・ポスティングで地域住民に直接アプローチする
デジタル施策が主流の時代ですが、チラシやポスティングも地域密着型のサロンには有効な集客手段です。特に、SNSをあまり使わない年代の方にアプローチしたい場合は、オフライン施策が効果を発揮します。
チラシを作成する際は、写真を大きく使い、サロンの雰囲気が伝わるようにしましょう。初回限定の特典(カット料金〇%オフなど)をつけると、来店のきっかけになりやすいです。
ポスティングは、サロンの近隣エリアに絞って行うのがポイントです。徒歩や自転車で来店できる範囲に配布すれば、地域のお客様に効率よくアプローチできます。自分で配布する時間がない場合は、ポスティング業者への外注も検討してみてください。
方法7:紹介制度を導入してお客様からの口コミを促進する
お客様からの紹介は、最も信頼性の高い集客方法の一つです。友人や家族から勧められたサロンは、初めてでも安心感があります。
紹介制度を導入する場合は、紹介者と紹介されたお客様の両方にメリットがある形にしましょう。例えば、「紹介してくださった方に次回使える1,000円オフクーポン、ご紹介で来店された方に初回10%オフ」といった形です。
紹介カードを用意しておくと、お客様も紹介しやすくなります。会計時に「もしお知り合いで美容室をお探しの方がいらしたら、ぜひご紹介ください」と一言添えるだけでも、紹介のきっかけになります。
方法8:初回限定特典を設けて来店のハードルを下げる
初めての美容室に行くのは、誰でも少し緊張するものです。「どんな仕上がりになるかわからない」「雰囲気が合わなかったらどうしよう」という不安を感じるお客様も少なくありません。
初回限定の特典を設けることで、そうした不安を和らげ、来店のきっかけを作ることができます。「初回カット〇%オフ」「初回限定トリートメントサービス」など、お得感のある特典があると、「試しに行ってみようかな」という気持ちになりやすいです。
ただし、初回特典だけで終わってしまっては意味がありません。来店されたお客様に満足していただき、リピートにつなげることが本当の目的です。特典の内容は、無理のない範囲で設定しましょう。
方法9:ブログやコラムで専門性をアピールして信頼を獲得する

ブログやコラムは、サロンの専門性や知識をアピールするのに効果的です。「〇〇(地域名) 髪質改善」「〇〇 縮毛矯正 おすすめ」などのキーワードで検索されたときに上位表示されれば、新規のお客様からのアクセスが期待できます。
ブログで発信する内容としては、ヘアケアのコツやホームケアのアドバイス、季節ごとのおすすめスタイル、よくある質問への回答、施術事例の紹介などがあります。
更新頻度は、無理のない範囲で継続することが大切です。週に1回でも、質の高い記事をコンスタントに更新していくことで、徐々に検索からの流入が増えていきます。
方法10:TikTokやリール動画で施術の様子を発信して新たな層にリーチする
TikTokやInstagramのリール動画は、若年層を中心に利用者が多いプラットフォームです。フォロワー以外にも表示されやすい特徴があるため、新規のお客様に見つけてもらうチャンスが広がります。
美容室の動画コンテンツとして人気があるのは、カットやカラーの施術プロセスを見せる動画です。15〜30秒程度にまとめ、最初に仕上がりを見せてから施術の様子を紹介する構成にすると、最後まで見てもらいやすくなります。
ヘアアレンジの手順を紹介する動画も好評です。「自宅でできる簡単アレンジ」「結婚式ゲスト向けヘアアレンジ」など、お役立ち情報を発信すると、保存やシェアにつながりやすいです。
動画制作はハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、スマートフォンでも十分なクオリティの動画が撮れます。まずは試しに1本作成してみることから始めてみましょう。
集客の効果を高めるために押さえておきたいポイント
10の集客方法をご紹介しましたが、どの方法を選ぶにしても、押さえておくべき基本的なポイントがあります。
自分のサロンの強みを明確にする

「何でもできます」というサロンより、「〇〇が得意です」と明確に打ち出しているサロンの方が、お客様の印象に残りやすいです。髪質改善、ハイトーンカラー、メンズカット、キッズカットなど、自分の強みを言語化しましょう。
強みが明確になれば、発信する内容も決まりやすくなります。「このサロンに行けば、こうなれる」というイメージを、お客様に持ってもらうことが大切です。
ターゲットとなるお客様像を具体的に設定する
すべての人に向けた発信は、結局誰にも響きません。「20代後半〜30代の働く女性」「40代以上の白髪に悩む方」など、メインターゲットを具体的に設定しましょう。
ターゲットが決まれば、その方が使うSNS、求める情報、響く言葉がわかってきます。発信の方向性がブレにくくなり、効果的な集客ができるようになります。
新規集客とリピート促進のバランスを取る
新規のお客様を集めることに注力しがちですが、実は既存顧客のリピート率を上げる方が、売上への貢献度は高いです。一度来店されたお客様に何度も通ってもらえる仕組みを作りましょう。
次回予約の促進、LINE登録の呼びかけ、バースデークーポンの配布、ポイントカードの導入など、リピートにつながる施策はたくさんあります。接客時のコミュニケーションも、リピート率に大きく影響します。
効果測定と改善を繰り返す
集客施策を行ったら、その効果を必ず振り返りましょう。「何を見て来店されましたか?」とお客様に聞くだけでも、どの施策が効いているかがわかります。
効果が出ている施策は継続・強化し、効果が薄い施策は改善または中止の判断をします。数字を見ながら改善を繰り返すことで、徐々に集客の精度が上がっていきます。
集客で成果が出ないときに見直すべきチェックポイント
集客施策に取り組んでいるのに成果が出ない場合、いくつかの原因が考えられます。よくある問題点と対策を確認しておきましょう。
発信内容が宣伝ばかりになっていないか
「空きあります」「新メニュー登場」「キャンペーン実施中」といった宣伝投稿ばかりでは、見る側に飽きられてしまいます。SNSはあくまでコミュニケーションの場です。
宣伝の投稿は全体の2〜3割程度に抑え、残りはお役立ち情報やサロンの日常、施術のこだわりなど、見る人が楽しめる・参考になるコンテンツを中心にしましょう。
投稿の更新が途絶えていないか
最初は張り切って毎日投稿していたのに、だんだん間隔が空いて、最終的に更新が止まってしまう……というパターンは非常に多いです。
無理のない投稿頻度を設定し、それを継続することが大切です。週に1〜2回でも、コンスタントに続ける方が効果的です。投稿のネタに困ったときのために、アイデアをストックしておく習慣をつけましょう。
予約までの導線がわかりにくくなっていないか
SNSやホームページを見て興味を持っても、予約方法がわかりにくいと、そこで離脱されてしまいます。「どうやって予約すればいいの?」と迷わせないことが大切です。
Instagramであればプロフィールに予約リンクを設置する、ホームページであれば予約ボタンを目立つ位置に配置するなど、予約までの導線をシンプルにしましょう。
まとめ:できることから一歩ずつ始めていきましょう
美容室開業後の集客方法について、10の具体的な方法をご紹介しました。最後に、主なポイントを振り返っておきます。
美容室の数は27万軒を超え、競争は年々激しくなっています。技術力があるだけでは選ばれにくい時代だからこそ、積極的に集客に取り組むことが大切です。
今回ご紹介した10の集客方法は、Instagram、Googleビジネスプロフィール、LINE公式アカウント、ホームページ、ポータルサイト、チラシ・ポスティング、紹介制度、初回特典、ブログ、動画発信です。すべてを同時に始める必要はありません。まずは自分に合った方法から、一つずつ取り組んでいきましょう。
どの方法を選ぶにしても、自分のサロンの強みを明確にすること、ターゲットを具体的に設定すること、新規集客とリピート促進のバランスを取ること、効果測定と改善を繰り返すことが重要です。
集客に「これさえやれば大丈夫」という魔法の方法はありません。でも、小さなことでもコツコツ続けていけば、必ず成果は出てきます。まずは今日、できることから始めてみませんか?
Instagramのビジネスアカウントを作成する、Googleビジネスプロフィールに登録する、次回来店されたお客様にLINE登録をお願いしてみる。どんな小さな一歩でも、行動することで状況は変わっていきます。この記事が、あなたのサロンの集客成功のきっかけになれば幸いです。
参考・出典情報
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました。
- 厚生労働省「令和5年度衛生行政報告例」(2024年10月29日発表)- 美容所数27万4,070軒(2024年3月末時点)
- リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期」(2025年6月発表)- 美容室市場規模1兆3,884億円、前年比2.5%増
- 総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
- JOBOON「【美容室35店に聞いた】美容室で集客効果があったSNSは?」(2024年6月)

