なぜカウンセリングを学んでもリピート率が改善しないのか?
整体・エステサロンの商品設計から見直す集客〜リピート改善法

目次

1. はじめに:整体・エステ・美容院経営者の共通の悩み

技術はあるのに、なぜリピート率が上がらないのか?

整体院やエステサロン、美容院を経営している皆さん、こんな状況に心当たりはありませんか?

朝一番、予約表を見ると新規のお客様の名前がずらり。ホットペッパービューティーからの予約も順調に入ってきます。施術が終わると、お客様は「すごく楽になりました!」「こんなに効果があるなんて」と喜んでくれます。

しかし、1ヶ月後、3ヶ月後…そのお客様の名前を予約表で見ることはありません。

計算してみると、リピート率は40%台。どんなに頑張っても50%の壁を越えられない。新規集客にかかる広告費は増える一方で、経営は自転車操業状態。このままでは、いつまでも安定した経営ができない…

実は、この悩みを抱えているのは、あなただけではありません。全国の整体院、エステサロン、美容院の経営者の実に7割以上が、同じような問題に直面しているのです。

よくある間違った対策

リピート率が上がらないと、多くの経営者はこんな対策を考えます:

❌ 間違った対策1:もっと技術を磨く 「技術が足りないから、お客様が戻ってこないんだ」と考えて、高額な技術研修に参加。しかし、技術は向上してもリピート率は変わらず。

❌ 間違った対策2:カウンセリング研修を受ける 「接客に問題があるのかも」と、カウンセリング研修に参加。話し方や聞き方を学んでも、なぜか成果が出ない。

❌ 間違った対策3:価格を下げる 「高いから来ないんだ」と値下げ。すると利益が減り、さらに経営が苦しくなる悪循環に。

❌ 間違った対策4:集客を増やす 「とにかく新規を増やせば」とホットペッパービューティーの掲載プランをアップグレード。集客費用だけが増えて、穴の空いたバケツに水を注ぐような状態に。

3年前まで「カウンセリングが大事」と言っていた私が変わった理由

実は私自身、サロンコンサルタントとして活動し始めた頃は、**「カウンセリングこそがリピート率改善の鍵」**だと信じて疑いませんでした。

3〜4年前の私は、こんなことを言っていました:

「お客様の話をしっかり聞きましょう」 「共感することが大切です」 「ニーズを引き出すカウンセリングテクニックを身につけましょう」

確かに、これらのアドバイスで改善するサロンもありました。しかし、ある時期から疑問を感じ始めたのです。

同じカウンセリング手法を教えているのに、なぜ結果に大きな差が出るのか?

あるサロンは劇的に改善し、別のサロンは全く変化がない。この差は一体どこから生まれるのか…

そこで私は、成功しているサロンと苦戦しているサロンを徹底的に分析しました。カウンセリングの録音を聞き、施術の様子を観察し、メニュー表を比較し、お客様にインタビューも行いました。

そして、ついに衝撃的な事実にたどり着いたのです。

本記事で明らかになる真実

本記事では、私が発見した「リピート率が上がらない本当の理由」と、その解決策を詳しく解説します。

この記事を読むことで、あなたは以下のことが分かります:

  1. なぜカウンセリングを学んでも効果が出ないのか
    • カウンセリング以前の根本的な問題とは?
    • 多くの施術者が陥る「技術志向の罠」
  2. お客様が本当に求めているものは何か
    • お客様の心の声を理解する方法
    • 「施術」と「商品」の決定的な違い
  3. 商品設計の具体的な方法
    • リピート率を改善する3つの要素
    • 成功事例に学ぶ実践的アプローチ
  4. すぐに使える実践テクニック
    • ホットペッパービューティーでの訴求方法
    • 回数券・コース設計の正しい考え方

読み終わった頃には、あなたのサロンでなぜリピートが起きないのか、その本当の理由が明確になり、具体的な改善策が見えてくるはずです。


2. カウンセリング技術だけでは解決しない!リピート率50%の壁

なぜカウンセリングは重要視されるのか

まず、誤解のないようにお伝えしておきます。カウンセリングは確かに重要です。

実際、世の中にはカウンセリング専門のコンサルタントが存在し、多くのサロンがその指導を受けています。カウンセリング関連の書籍も数多く出版され、セミナーも頻繁に開催されています。

カウンセリングが重視される理由は明確です:

  • お客様のニーズを正確に把握できる
  • 信頼関係を構築できる
  • 適切な提案ができる
  • 満足度が向上する

これらはすべて正しく、カウンセリングスキルの向上は確実にサロン経営にプラスになります。

カウンセリングで改善する人、しない人の決定的な違い

しかし、ここで重要な事実をお伝えしなければなりません。

私がこれまでサポートしてきた数百のサロンのデータを分析した結果、**カウンセリング研修だけで劇的にリピート率が改善したケースは、全体の約15%**に過ぎませんでした。

では、この15%のサロンには、どんな特徴があったのでしょうか?

詳しく分析すると、興味深い共通点が見つかりました。それは、**「元々の課題がカウンセリングの本当にごくわずかな部分にあった」**ということです。

具体的に言うと:

  • 技術は十分ある
  • メニュー設計も適切
  • 価格設定も妥当
  • ただ、お客様への伝え方だけが少しずれていた

つまり、他の要素はすべて整っていて、最後のピースとしてカウンセリングが欠けていただけなのです。

衝撃の事実:85%のサロンが抱える本当の問題

では、残りの85%のサロンは何が問題だったのでしょうか?

ここで、私が最近気づいて本当に衝撃を受けた事実をお伝えします。

ほとんどのサロンが「商品がずれている」のです。

「商品がずれている?うちには商品がちゃんとありますよ」

そう思われた方も多いでしょう。確かに、どのサロンにも「商品」はあります。60分コース、90分コース、回数券、月額会員制度…形としての商品は存在しています。

しかし、問題はその「商品の定義」なのです。

なぜ商品設計の重要性に気づかないのか

多くの施術者にとって、商品設計は:

1. そもそも興味がない分野 技術を学ぶのは好きでも、商品設計となると「なんか面倒くさい」「よくわからない」という反応が多い。

2. 重要性を感じていない 「技術があれば商品は自然にできる」「メニューを作れば商品設計は完了」という誤解。

3. 既に持っているという思い込み 「うちには商品がある」という認識で、それ以上深く考えない。

この結果、そもそも商品設計に課題があることにすら気づいていないという状態に陥っているのです。

技術=商品という危険な思い込み

特に整体院、治療院、エステサロンでは、この傾向が顕著です。

「商品は何ですか?」と聞くと:

  • 整体院:「骨盤矯正です」「筋膜リリースです」
  • エステ:「フェイシャルです」「痩身です」
  • 美容院:「カットです」「パーマです」

つまり、技術=商品と直接的にリンクして考えてしまっているのです。

しかし、これこそが大きな間違いなのです。技術は商品の一要素に過ぎません。本当の商品とは、もっと別のものなのです(詳しくは次章で解説します)。

商品設計のズレが引き起こす負の連鎖

商品設計がずれていると、以下のような問題が連鎖的に発生します:

1. リピート率が上がらない お客様が「また来たい」と思う理由が明確でない。

2. 回数券・コースが売れない なぜその回数が必要なのか、お客様に伝わらない。

3. 客単価が低い 価値が伝わらないため、高い金額を払う理由がない。

4. 集客も下手になる 誰に何を伝えればいいか分からず、訴求がぼやける。

5. 価格競争に巻き込まれる 差別化ができず、価格でしか勝負できない。

6. 無断キャンセルが増える お客様が来る意味を見出せない。

つまり、商品設計のズレは、経営全体に悪影響を及ぼすのです。

カウンセリングは商品設計の上に成り立つ

ここで重要なのは、カウンセリングと商品設計の関係性です。

商品設計は、いわば建物の土台のようなものです。この土台がしっかりしていなければ、その上にどんなに立派なカウンセリング技術という建物を建てても、グラグラと不安定になってしまいます。

逆に言えば、商品設計という土台さえしっかりしていれば、特別なカウンセリングテクニックがなくても、お客様は自然とリピートしてくれるようになるのです。

だからこそ、カウンセリングを学ぶ前に、まず商品設計を見直す必要があるのです。


3. お客様が求めるもの・施術者が提供するもの。致命的なズレとは?

実例で理解する:慢性肩こりに悩む30代女性のケース

ここで、具体的な例を使って、お客様と施術者のズレを詳しく見ていきましょう。

【状況設定】

  • お客様:田中さん(仮名)、35歳女性、会社員
  • 悩み:慢性的な肩こり
  • 来店:初めての来店、ホットペッパービューティーから予約

問診票には「肩こり」とだけ記入されています。さて、あなたならどう対応しますか?

よくある間違った対応(技術志向)

多くの施術者は、こんな風に説明を始めてしまいます:

施術者:

「田中様、肩こりでお悩みなんですね。分かりました。当店の60分コースでは、深層筋まで届く特別な手技を使います。通常のマッサージでは表層の筋肉しかアプローチできませんが、当店独自の技術では、僧帽筋の深部や肩甲挙筋、さらには菱形筋まで的確にアプローチすることができます。

また、筋膜の癒着を解除することで、血流を改善し、老廃物の排出を促進します。これにより、肩こりの根本的な改善を図ることができるんです。当店の施術は、単なるリラクゼーションではなく、解剖学に基づいた医学的アプローチですので、確実な効果が期待できますよ。」

一見、とても専門的で信頼できそうな説明に聞こえます。しかし…

田中さんの心の声:

「えーっと…僧帽筋?肩甲挙筋??なんか難しい話になってきた…。で、結局私の肩こりはどうなるの?明日の朝は楽になるの?仕事中も肩が気にならなくなるの?」

なぜこのズレが生まれるのか

このズレが生まれる理由を詳しく解説します。

1. 専門用語の壁

私たち施術者が当たり前に使っている言葉:

  • 筋膜(きんまく)
  • 僧帽筋(そうぼうきん)
  • 肩甲挙筋(けんこうきょきん)
  • 菱形筋(りょうけいきん)
  • 深層筋(しんそうきん)
  • 血流改善
  • 老廃物の排出
  • 癒着(ゆちゃく)

これらの言葉は、お客様にとって異国の言語のようなものです。

なんとなく聞いたことがあるような気はするけれど、具体的にイメージできない。筋膜と言われても、それが自分の体のどこにあって、どんなものなのか、さっぱり分からないのです。

2. 視点の違い

  • 施術者の視点:「どんな技術を使うか」「体の中で何が起きるか」
  • お客様の視点:「自分の生活がどう変わるか」「明日から何が違うか」

この視点の違いが、コミュニケーションのすれ違いを生んでいます。

正しいアプローチ:お客様の生活に焦点を当てる

では、どのようにアプローチすればよいのでしょうか。

施術者:

「田中様、肩こりでお悩みなんですね。もう少し詳しく教えていただけますか?その肩こりで、日常生活でどんなことが一番お困りですか?」

田中さん:

「そうですね…朝起きた時が本当に辛くて。肩がガチガチで、起き上がるのも一苦労なんです。それに、仕事中もずっと肩が気になって集中できなくて。パソコン作業が多いんですけど、午後になると肩から頭にかけて重だるくなって、ひどい時は頭痛まで始まるんです。」

施術者:

「朝の辛さと、お仕事中の集中力の低下、そして頭痛まで…それは本当にお辛いですね。ちなみに、この症状はいつ頃からですか?」

田中さん:

「もう10年以上前からずっとです。最近は特にひどくて、仕事の効率も落ちているし、週末も肩こりのせいで疲れが取れなくて…」

お客様の本当のニーズが見えてきた

この短い会話から、田中さんの本当のニーズが見えてきました:

田中さんが解決したいこと:

  1. 朝、スッキリ起きられるようになりたい
  2. 仕事に集中できるようになりたい
  3. 頭痛から解放されたい
  4. 週末を疲れなく過ごしたい
  5. 仕事の効率を上げたい

つまり、田中さんが求めているのは**「深層筋へのアプローチ」ではなく「朝スッキリ起きられて、仕事に集中できる体」**なのです。

同じ施術でも伝え方で180度変わる

ここで重要なのは、施術の内容は同じでも、伝え方によってお客様の受け取り方が180度変わるということです。

技術志向の伝え方:

「深層筋にアプローチして、筋膜の癒着を解除します」

顧客志向の伝え方:

「朝起きた時の重だるさを解消して、一日中肩を気にせず仕事に集中できる状態を目指します」

どちらが田中さんの心に響くでしょうか?答えは明白ですね。

お客様は「施術」ではなく「変化」を買いに来ている

ここで理解していただきたい重要な事実があります。

お客様は「施術」を買いに来ているのではありません。 お客様が買いに来ているのは「変化」「結果」「理想の生活」なのです。

この視点の転換ができるかどうかが、リピート率50%の壁を超えられるかどうかの分かれ目になります。

次の章では、この「技術志向」と「顧客志向」の違いをさらに深く掘り下げ、なぜ多くの施術者が技術志向に陥ってしまうのか、その構造的な理由を解説します。

4. 技術志向vs顧客志向:商品定義の根本的な違い

なぜ私たちは技術志向になってしまうのか

技術志向になってしまうのは、決してあなたの能力や意識の問題ではありません。実は、これには明確な構造的理由があるのです。

理由1:教育システムの問題

私たちが施術者になるまでの教育を振り返ってみましょう。

専門学校や技術スクールで学ぶこと:

  • 解剖学:骨格、筋肉、神経の名称と機能
  • 生理学:体の仕組み、血液循環、リンパの流れ
  • 病理学:症状のメカニズム、痛みの原因
  • 手技療法:具体的な施術テクニック
  • 皮膚学:肌の構造、ターンオーバーの仕組み

これらの知識は、確かに施術者として必要不可欠です。しかし、お客様の生活にどう役立てるかという視点は、ほとんど教わりません。

実際の授業の例:

講師:「肩こりの原因は、僧帽筋上部の過緊張です。長時間のデスクワークにより、頭部前方位姿勢となり、僧帽筋に過度な負荷がかかります。治療法としては、僧帽筋のトリガーポイントにアプローチし…」

このような授業を何百時間も受けて、私たちは施術者になります。当然、この視点で物事を考えるようになってしまうのです。

理由2:職場環境での刷り込み

独立前に整骨院やサロンで働いた経験がある方は、さらに技術志向が強化されます。

職場でよくある会話:

先輩:「この患者さんは腸腰筋が固いから、そこを重点的にやって」 院長:「今日の患者さんの主訴は?」「はい、左肩甲骨周囲の疼痛です」

このような環境で数年間働けば、技術用語で考え、技術用語で話すことが当たり前になってしまいます。

理由3:同業者との情報交換

セミナーや勉強会に参加すると、こんな会話が飛び交います:

「最近、筋膜リリースの新しい手技を習ったんだけど、すごく効果的で…」 「うちは最新のEMS機器を導入して、深層筋にアプローチできるようになった」

同業者同士では技術の話が中心になり、ますます技術志向が強化されていきます。

技術志向の落とし穴:ホットペッパービューティーのクーポンに見る実態

この技術志向が最も顕著に現れるのが、ホットペッパービューティーのクーポン作成時です。

技術志向のクーポン例(売れない)

整体院の場合:

  • 「骨盤矯正60分コース 6,000円」
  • 「筋膜リリース90分 8,000円」
  • 「深層筋マッサージ45分 4,500円」
  • 「トリガーポイント療法 5,000円」

エステサロンの場合:

  • 「リンパドレナージュ60分 7,000円」
  • 「キャビテーション30分 5,000円」
  • 「ラジオ波+EMS 45分 8,000円」
  • 「ハイドロフェイシャル 6,000円」

これらのクーポンを見て、お客様はどう感じるでしょうか?

お客様の心理:

「骨盤矯正?筋膜リリース?どれが自分に合っているの?」 「キャビテーションって何?ラジオ波?専門用語ばかりでよく分からない…」 「結局、私の悩みはどれで解決するの?」

顧客志向のアプローチ:お客様の生活を変えるという視点

では、顧客志向のアプローチとはどのようなものでしょうか。

顧客志向のクーポン例(売れる)

整体院の場合:

  • 「【朝スッキリ目覚める】慢性肩こり改善プログラム 6,000円」
  • 「【デスクワーカー応援】頭痛・肩こりリセット90分 8,000円」
  • 「【産後ママ専用】抱っこが楽になる腰痛ケア 4,500円」
  • 「【ゴルファー向け】飛距離が伸びる体幹調整 5,000円」

エステサロンの場合:

  • 「【結婚式まで3ヶ月】花嫁集中ケアプラン 7,000円」
  • 「【夏までに-5cm】お腹周りスッキリプログラム 5,000円」
  • 「【同窓会に間に合う】1ヶ月集中小顔ケア 8,000円」
  • 「【産後ママ】お腹のたるみ改善コース 6,000円」

この違い、分かりますか?

技術志向:何をするか(What)を伝える 顧客志向:なぜ必要か(Why)、どうなれるか(How)を伝える

顧客志向の商品定義とは何か

ここで、顧客志向の商品定義を明確にしておきましょう。

顧客志向の商品とは:

  1. お客様の現在の状態(不満・不具合・願望)
  2. お客様の理想の状態(ゴール)
  3. その間をつなぐ道のり(プロセス)

この3つをセットにしたものが、本当の意味での「商品」なのです。

具体例で理解する:

【技術志向の商品】 「骨盤矯正60分」

【顧客志向の商品】 「出産で歪んだ骨盤を整えて、産前のジーンズが履けるようになる3ヶ月プログラム」

  • 現在の状態:産後で骨盤が歪み、体型が戻らない
  • 理想の状態:産前のジーンズが履ける
  • 道のり:3ヶ月間の段階的な改善プログラム

マーケティングの基本:お客様は穴を開けたいのではない

ここで、有名なマーケティングの格言を紹介します。

「ドリルを買う人が欲しいのは、ドリルではない。穴である。」

これをサロン業界に置き換えると:

「施術を受ける人が欲しいのは、施術ではない。変化である。」

さらに深く考えると:

「変化を求める人が本当に欲しいのは、変化そのものではない。変化した先にある理想の生活である。」

この視点を持てるかどうかが、成功するサロンとそうでないサロンの分かれ目になります。

技術は手段、商品は変化のストーリー

誤解しないでいただきたいのは、技術が重要でないと言っているわけではないということです。

技術は非常に重要です。しかし、技術はあくまで手段であって、目的ではありません。

例えるなら:

  • 技術 = 車のエンジン
  • 商品 = 目的地までの快適な旅

どんなに高性能なエンジンを積んでいても、目的地が分からなければ、お客様は車に乗る意味を見出せません。

顧客志向への転換で起きる変化

技術志向から顧客志向に転換すると、以下のような変化が起きます:

1. お客様との会話が変わる

  • Before:「今日は僧帽筋がかなり緊張していますね」
  • After:「今日はお仕事でかなりお疲れのようですね。肩の重さはいつもと比べてどうですか?」

2. 施術の説明が変わる

  • Before:「筋膜をリリースして血流を改善します」
  • After:「明日の朝、目覚めた時に肩の軽さを実感していただけるようにしますね」

3. 次回予約の取り方が変わる

  • Before:「次はいつ頃来られますか?」
  • After:「次回は1週間後に来ていただくと、今日の効果を維持しながら、さらに改善を進められます」

4. お客様の反応が変わる

  • Before:「はい、分かりました…(よく分からないけど)」
  • After:「そうなんです!まさにそれで困ってて!」

5. リピート率を劇的に改善する商品設計の3要素

ここからは、具体的にどのように商品設計を行えばよいのか、3つの要素に分けて詳しく解説します。

要素1:お客様のゴール設定 – 2つのパターンを理解する

商品設計の第一歩は、お客様のゴールを明確にすることです。そして、このゴールには大きく分けて2つのパターンがあります。

パターン1:マイナスからゼロにする

このパターンの特徴:

日常生活に支障が出ているレベルの問題を抱えているお客様です。普通の生活すら困難で、「元に戻りたい」「普通になりたい」という切実な願いを持っています。

具体例と心理状態:

【慢性腰痛の50代男性】

  • 現状:朝、ベッドから起き上がるのに10分かかる
  • 心理:「普通に起きられるようになりたい」
  • ゴール:痛みなく日常生活が送れる

【重度のニキビに悩む25歳女性】

  • 現状:人と目を合わせられない、マスクが外せない
  • 心理:「人前に普通に出たい」
  • ゴール:自信を持って人と接することができる

【五十肩の45歳主婦】

  • 現状:洗濯物が干せない、髪が結べない
  • 心理:「家事ができなくて家族に申し訳ない」
  • ゴール:普通に家事ができる

このパターンの特徴:

  • 緊急性が高い(今すぐ何とかしたい)
  • 深刻性が高い(生活に支障がある)
  • リピート率が高い(解決するまで通い続ける)
  • 高単価でも受け入れられやすい(切実だから)

パターン2:ゼロからプラスにする

このパターンの特徴:

日常生活に大きな支障はないが、「もっと良くなりたい」「より美しくなりたい」という向上心から来店するお客様です。

具体例と心理状態:

【美意識の高い30代女性】

  • 現状:肌は普通だが、もっとキレイになりたい
  • 心理:「同年代より若く見られたい」
  • ゴール:ワンランク上の美肌

【趣味でゴルフをする60代男性】

  • 現状:普通にプレーできるが、飛距離を伸ばしたい
  • 心理:「仲間に負けたくない」
  • ゴール:飛距離20ヤードアップ

【おしゃれを楽しむ40代女性】

  • 現状:普通の髪だが、もっと素敵になりたい
  • 心理:「褒められる髪型にしたい」
  • ゴール:振り向かれる美髪

このパターンの特徴:

  • 緊急性は低い(いつでもいい)
  • 必要性を感じにくい(なくても困らない)
  • 価値を感じないとリピートしない
  • 価値を感じれば高単価も可能

業種別の傾向を理解する

主にマイナスからゼロ型:

  • 整体院(痛み・不調の改善)
  • 治療院全般
  • 重度の肌トラブル専門エステ
  • 発毛・育毛サロン

主にゼロからプラス型:

  • 美容院
  • ネイルサロン
  • まつげエクステ
  • リラクゼーションサロン
  • アンチエイジングエステ

両方の要素を持つ業種:

  • 一般的なエステサロン(肌トラブル改善+美肌)
  • ダイエットサロン(健康問題+スタイル改善)
  • 整体院(痛み改善+パフォーマンス向上)

なぜこの分類が重要なのか

この分類を理解することで、以下のことが明確になります:

1. 訴求方法が変わる

  • マイナスからゼロ:問題解決を前面に
  • ゼロからプラス:理想の未来を前面に

2. 価格設定の考え方が変わる

  • マイナスからゼロ:問題の深刻さに応じた価格
  • ゼロからプラス:提供する価値に応じた価格

3. 集客方法が変わる

  • マイナスからゼロ:今すぐ客向けの訴求
  • ゼロからプラス:そのうち客向けの訴求

要素2:プロセス設計(階段設計)- お客様を導く道筋

ゴールが決まったら、次は「どうやってそこまで導くか」というプロセスの設計です。

プロセス設計の基本概念

プロセス設計とは、お客様を現在地点からゴールまで、階段を一段一段登るように導いていく計画のことです。

なぜ「階段」なのか:

  • 一気に頂上には行けない
  • 一歩一歩確実に登る必要がある
  • 各段階で達成感を感じられる
  • 進捗が可視化できる

良いプロセス設計の実例

【10年来の慢性肩こり改善プログラム】

現在地点:肩こりで仕事に集中できない、頭痛もある ゴール:肩こりを気にせず仕事に集中でき、頭痛もない状態

階段設計:

第1段階(初回〜2回目):即効性のある改善

  • 期間:1週間
  • 体感:肩の重さが50kg→30kgに軽減
  • 説明:「まず、今の辛い状態を緩和します。筋肉の過度な緊張を解いて、今夜はぐっすり眠れるようにしましょう」

第2段階(3回目〜5回目):根本原因へのアプローチ

  • 期間:2〜3週間
  • 体感:朝の目覚めが変わり始める、頭痛の頻度が減る
  • 説明:「表面的な改善から、より深い部分の調整に入ります。姿勢の癖や体の使い方も見直していきます」

第3段階(6回目〜8回目):安定化と定着

  • 期間:4〜6週間
  • 体感:一日中肩が軽い、仕事の効率が上がる
  • 説明:「良い状態を体に覚えさせ、再発しにくい体作りをします」

第4段階(9回目〜10回目):仕上げとセルフケア指導

  • 期間:7〜8週間
  • 体感:肩こりを意識しない生活、自分でケアできる
  • 説明:「卒業に向けて、自宅でのケア方法もマスターしていただきます」

プロセス設計で重要な「体感の説明」

お客様にプロセスを説明する際、最も重要なのは各段階でお客様が得られる体感を具体的に伝えることです。

悪い説明の例:

「10回通っていただければ、肩こりが改善します」

良い説明の例:

「3回目あたりから、朝起きた時の肩の軽さを感じ始めます。今は鉄の塊が乗っているような重さだと思いますが、それが徐々に軽くなり、5回目には半分以下の重さに。8回目には『あれ?肩こりってどんな感じだっけ?』と思えるくらいになりますよ」

体感の後に根拠を説明する

多くの施術者がやってしまう間違いは、先に技術的な説明をしてしまうことです。

間違った順番:

  1. 筋膜の癒着を解いて…(技術的説明)
  2. 血流が改善されて…(メカニズム)
  3. 肩が楽になります(体感)

正しい順番:

  1. 肩が楽になります(体感)
  2. なぜかというと…(理由)
  3. 筋膜の癒着を解いて血流が改善されるからです(根拠)

お客様が知りたいのは、まず「自分がどうなれるか」です。その後で「なぜそうなるのか」を知りたくなるのです。

要素3:計画の提示方法 – 投資と浪費の分かれ目

最後の要素は、設計したプロセスをどのようにお客様に提示するかです。ここでの伝え方次第で、お客様にとって「投資」になるか「浪費」になるかが決まります。

浪費になってしまう提示方法

典型的な松竹梅方式:

多くのサロンで見られる回数券の設定:

  • 30回券:150,000円(1回5,000円)←お得!
  • 15回券:82,500円(1回5,500円)
  • 5回券:30,000円(1回6,000円)

なぜこれが浪費になるのか:

先ほどの肩こり改善の例で、必要な回数が10回だったとします。でも、用意されている回数券は30回、15回、5回…

お客様の心理:

「8回で良くなるって言われたのに、なんで30回券を勧められるの?」 「お得だからって30回も買っちゃったけど、使い切れるかな…」 「結局、売上のために多く買わせたいだけなのかな」

これでは信頼関係が崩れ、お客様は「無駄遣いをした」と感じてしまいます。

投資になる提示方法

ゴールベースの提案:

「田中様の場合、10年来の慢性的な肩こりということで、改善には3ヶ月程度かかると思われます。具体的には、最初の1ヶ月は週1回、その後は2週間に1回のペースで、合計10回のプログラムをご提案します。

10回で48,000円の投資になりますが、これで朝スッキリ起きられて、仕事の効率も上がる体が手に入ります。1日あたりに換算すると約530円。コーヒー1杯分の投資で、毎日の快適な生活が手に入ると考えていただければと思います」

ポイント:

  1. 個別の状態に合わせた提案
  2. 必要な期間と回数の明確化
  3. 得られる結果の具体的な説明
  4. 投資対効果の見える化

回数券設計の正しい考え方

悪い設計: 商品ありきで、とりあえず松竹梅を作る

良い設計: お客様のゴールと必要なプロセスから逆算して作る

具体例:

【整体院の場合】

  • 急性症状改善プラン(3-5回)
  • 慢性症状改善プログラム(8-10回)
  • 体質改善コース(12-15回)
  • メンテナンスプラン(月2回)

【エステサロンの場合】

  • 結婚式直前集中ケア(4回/1ヶ月)
  • 肌質改善プログラム(8回/2ヶ月)
  • アンチエイジングコース(12回/3ヶ月)
  • 美肌キープメンテナンス(月1-2回)

各プランに明確な目的があり、お客様が「なぜその回数なのか」を理解できる設計になっています。

6. 商品設計チェックリスト:あなたのサロンは大丈夫?

5つのチェック項目で自己診断

ここまで読んできて、「うちのサロンは大丈夫だろうか?」と不安になった方もいるでしょう。そこで、簡単に自己診断できるチェックリストを用意しました。

以下の5つの項目について、正直に「○」か「×」で答えてください。

□ 1. お客様のゴールを明確に言語化できているか

テスト方法:今通っているお客様を3名思い浮かべて、それぞれのゴールを30秒で説明できますか?

  • 「肩こりを改善する」のような漠然とした表現は×
  • 「朝スッキリ起きて仕事に集中できる状態」のような具体的な表現は○

□ 2. 現状からゴールまでのプロセスを段階的に説明できているか

テスト方法:新規のお客様に、何回目にどんな変化があるか、具体的に説明していますか?

  • 「個人差があります」で済ませているなら×
  • 各段階での体感変化を説明できるなら○

□ 3. そのプロセスを進むための具体的な計画を提示しているか

テスト方法:来店頻度や期間に明確な根拠がありますか?

  • 「できるだけ詰めて来てください」は×
  • 「最初の1ヶ月は週1回、その理由は…」と説明できるなら○

□ 4. 施術は手段で、商品はゴールまでの道のりだと定義しているか

テスト方法:「あなたの商品は何ですか?」と聞かれて何と答えますか?

  • 「骨盤矯正です」「フェイシャルです」は×
  • 「お客様を○○な状態に導くプログラムです」なら○

□ 5. カウンセリングでは未来の計画を話しているか

テスト方法:初回カウンセリングの時間配分はどうなっていますか?

  • 症状の原因説明が8割以上なら×
  • 今後の改善計画が5割以上なら○

診断結果の見方

5個すべて○の方: 素晴らしい!すでに顧客志向の商品設計ができています。この記事の内容を再確認として、さらなる改善に役立ててください。

3-4個○の方: 基本的な考え方は理解できていますが、まだ改善の余地があります。×がついた項目を重点的に見直しましょう。

1-2個○の方: 技術志向から顧客志向への転換期にいます。この記事を何度も読み返し、実践することで大きな改善が期待できます。

すべて×の方: 現状は厳しいかもしれませんが、逆に言えば改善の余地が大きいということ。一つずつ確実に改善していけば、劇的な変化が起きるはずです。

項目別の詳しい解説と改善方法

1. お客様のゴールが言語化できていない場合

よくある状態: カウンセリングで技術説明ばかりしている。「筋膜が…」「リンパが…」と専門用語を多用している。

なぜこれが問題なのか: お客様にとってゴールが不明確だと、「どこに向かって進んでいるか分からない」状態になります。霧の中を歩いているようなもので、不安になって離脱してしまいます。

改善方法:

初回カウンセリングで必ず以下の質問をしてください:

「その悩みがあることで、日常生活でどんな不都合がありますか?具体的に教えてください」

さらに深掘りする質問:

  • 「それによって諦めていることはありますか?」
  • 「もしその悩みがなくなったら、真っ先に何をしたいですか?」
  • 「理想の1日を教えてください。朝起きてから夜寝るまで」

実践例:

腰痛のお客様への質問と回答例:

施術者:「腰痛で一番困っているのはどんな時ですか?」 お客様:「朝、顔を洗う時に前かがみになれないんです」 施術者:「それは辛いですね。他にも何か諦めていることはありますか?」 お客様:「実は…孫を抱っこしてあげられないんです。娘に申し訳なくて」

→ このお客様のゴール:「孫を思いっきり抱っこできるようになる」

2. プロセスが段階的に説明できていない場合

よくある状態: 「とりあえず通ってください」「良くなるまで来てください」という曖昧な説明で終わっている。

なぜこれが問題なのか: お客様は「いつまで通えばいいのか」「本当に良くなるのか」という不安を抱えたまま通うことになり、途中で「効果がない」と判断して離脱します。

改善方法:

以下のフォーマットを使って説明を組み立てる:

「○回目には△△のような変化を感じていただき、 ○回目には□□が安定し、 最終的に○回目で▽▽の状態になります」

実践のコツ:

  1. 過去の成功事例をデータ化する
    • 同じような症状の方が何回で改善したか
    • 各段階でどんな感想をもらったか
    • 写真や数値データがあればなお良い
  2. 標準的なプロセスを作る
    • 軽度:4-6回のプロセス
    • 中度:8-10回のプロセス
    • 重度:12-15回のプロセス
  3. 個別にカスタマイズする
    • 年齢、体力、生活習慣を考慮
    • 「あなたの場合は…」と個別対応を強調

説明例:

「田中様の場合、10年来の慢性肩こりということで、標準的には10回程度での改善を目指します。

最初の2回で、朝起きた時の重だるさが半分程度に軽減されるのを実感していただけます。ちょうど、50kgの米袋を背負っている状態から、25kgくらいに軽くなるイメージです。

3-5回目で、日中の肩の張りが気にならなくなってきます。今は1時間おきに肩を回したくなると思いますが、それが半日持つようになります。

6-8回目で、夕方の頭痛がなくなり、仕事の効率が上がってきます。

そして10回目には、『そういえば最近肩こりを意識してないな』という状態を目指します」

3. 具体的な計画を提示していない場合

よくある状態: 来店頻度や期間の根拠が曖昧。「できるだけ詰めて」「時間がある時に」などと説明している。

なぜこれが問題なのか: 計画が曖昧だと、お客様は通院を後回しにしがち。結果として効果が出にくくなり、「やっぱり効かない」となってしまいます。

改善方法:

来店頻度に科学的・経験的根拠を持たせる:

説明テンプレート:

「最初の1ヶ月は週に1回来ていただきます。 なぜなら、施術効果は約5-7日で元に戻り始めるからです。 完全に戻る前に次の施術を重ねることで、階段を登るように改善していきます。

2ヶ月目は2週間に1回にペースダウンします。 この頃には、体が良い状態を覚え始めるので、効果が2週間持続するようになるからです。

3ヶ月目は様子を見ながら、3週間に1回、あるいは1ヶ月に1回と、徐々に間隔を空けていきます」

ビジュアルで示す効果:

グラフや図を使って説明すると、より理解しやすくなります:

  • 改善曲線のグラフ
  • 来店スケジュールカレンダー
  • ビフォーアフターの写真

4. 施術=商品と思い込んでいる場合

よくある状態: 「うちの商品は骨盤矯正です」「当店の売りは痩身マシンです」と技術や機械を商品だと思っている。

なぜこれが問題なのか: お客様は施術を受けたいのではなく、変化した自分が欲しいのです。この視点がないと、価値が伝わらず、価格競争に巻き込まれます。

改善方法:

商品を再定義するワーク:

  1. 現在の定義を書き出す 例:「骨盤矯正60分」
  2. お客様の声を集める
    • なぜ来店したか
    • 何に困っていたか
    • どうなりたかったか
  3. 新しい商品定義を作る 例:「産後の体型を戻して、産前の服が着られるようになる骨盤ケアプログラム」

マインドセット変換の練習:

以下の変換を日常的に意識する:

  • 「今日は骨盤矯正をしました」→「今日は産後の体型改善の第一歩を踏み出していただきました」
  • 「リンパマッサージが得意です」→「むくみ体質を改善して、夕方でも靴がきつくならない体作りが得意です」

5. 過去の話ばかりしている場合

よくある状態: カウンセリングの8割が症状の原因説明。「なぜ肩こりになったか」を延々と説明している。

なぜこれが問題なのか: お客様は過去より未来に興味があります。「なぜなったか」より「どうすれば良くなるか」「いつ良くなるか」を知りたいのです。

改善方法:

カウンセリングの時間配分を見直す:

理想的な配分:

  • 現状把握:20%
  • 原因説明:20%
  • 改善計画:40%
  • 期待できる未来:20%

未来にフォーカスした話し方:

Before:

「あなたの肩こりの原因は、長年の姿勢の悪さと、筋力低下と、ストレスと…」

After:

「原因は後ほど詳しくお話ししますが、まず大切なのは、これからどう改善していくかです。3ヶ月後には、肩こりを忘れて仕事に集中できる状態を目指しましょう。そのための具体的な計画をお話しします…」


7. 実践編:ホットペッパービューティーでも使える顧客志向のアプローチ

集客の段階から顧客志向を貫く

商品設計を顧客志向に変えたら、それを集客の段階から一貫させることが重要です。特にホットペッパービューティーは、多くのサロンが利用する重要な集客ツールです。

クーポン名の付け方で差をつける

従来のクーポン名(技術志向)の問題点:

「骨盤矯正60分」というクーポンを見たお客様の心理:

「骨盤矯正って何されるんだろう?」 「私に必要なのかな?」 「60分って長い?短い?」

結果:クリック率が低い、予約に繋がらない

顧客志向のクーポン名の作り方:

公式:【ターゲット】+【悩み・願望】+【ベネフィット】

実例集:

【整体院】

  • × 骨盤矯正60分
  • ○ 【産後ママ応援】履けなくなったジーンズが履ける骨盤ケア
  • × 肩こり改善コース
  • ○ 【デスクワーカー限定】PC作業が楽になる肩こりリセット
  • × スポーツ整体90分
  • ○ 【ゴルファー向け】飛距離10ヤードUPを目指す体幹調整

【エステサロン】

  • × 痩身コース60分
  • ○ 【結婚式3ヶ月前】ドレスが似合う背中美人プログラム
  • × フェイシャル基本コース
  • ○ 【同窓会直前】5歳若返り肌を作る集中ケア
  • × デトックスコース
  • ○ 【むくみ体質改善】夕方でもブーツが楽々♪美脚ケア

クーポン説明文の書き方

ダメな例:

当店独自の技術で筋膜リリースを行います。深層筋にアプローチし、根本改善を目指します。

良い例:

「朝、顔を洗うのも辛い…」「デスクワークで夕方には限界…」 そんな慢性腰痛から解放されたいあなたへ。

3ヶ月後には、朝スッキリ起きて、一日中快適に過ごせる体を手に入れませんか?

▼こんな方におすすめ ・朝起きるのに時間がかかる ・座り仕事で腰が重い
・月に何度もマッサージに行っている

まずは初回でどれくらい変化するか体験してください。

サロンページの作り方

スタッフ紹介を顧客志向に

従来の書き方:

資格:柔道整復師、鍼灸師 経歴:○○整骨院5年勤務 得意:スポーツ障害、慢性痛

顧客志向の書き方:

【こんな方のお手伝いが得意です】 ・スポーツを諦めたくない方 ・何軒も治療院を回ったけど改善しない方 ・「年だから」と諦めている方

私自身、学生時代の怪我で競技を諦めた経験があります。 だからこそ「もう一度○○がしたい」という想いに全力で応えます。

<改善実績> ・50代男性:ゴルフで腰が痛くならなくなった ・30代女性:フルマラソン完走できた ・60代女性:孫と公園で遊べるようになった

ブログ記事のタイトルと内容

技術志向のブログ:

  • 「筋膜リリースの効果について」
  • 「骨盤の歪みチェック方法」
  • 「正しい姿勢とは」

顧客志向のブログ:

  • 「朝起きて5分以内にスッキリ動ける体になる方法」
  • 「デスクワークでも疲れない3つの座り方」
  • 「ゴルフの飛距離が落ちてきたと感じたら読むブログ」

内容も、専門用語を極力使わず、お客様の生活に即した表現を心がけます。

口コミを増やす顧客志向の工夫

口コミが生まれる瞬間を作る

口コミは、お客様が感動した瞬間に生まれます。その感動は、多くの場合「期待を超えた時」に起こります。

感動ポイントの作り方:

  1. 初回での劇的な変化
    • Before写真を撮っておく
    • 施術後に鏡の前で一緒に確認
    • 「ほら、肩の高さが揃いましたね!」
  2. 数値で見せる
    • 可動域の角度を測定
    • 「30度→50度に改善しました!」
    • グラフで見せる
  3. 日常動作で実感
    • 「立ってみてください」「腕を上げてみて」
    • 「さっきより楽でしょう?」

口コミを書いてもらうタイミング

ベストタイミング:

  • 初回施術直後(感動が新鮮なうち)
  • 目標達成時(ゴールに到達した時)
  • 予想外の改善があった時

声かけの仕方:

NG:

「口コミ書いてください」

OK:

「今日の施術で、肩がずいぶん軽くなったとおっしゃっていましたが、同じような悩みを持つ方の参考になると思うので、もしよろしければ今の率直な感想を口コミに書いていただけませんか?」

MEO対策と商品設計の連携

Googleビジネスプロフィールの最適化

投稿内容の顧客志向化:

定期的な投稿で、以下のような内容を発信:

  1. ビフォーアフター事例(個人情報に配慮)


    「50代男性、3ヶ月で朝の腰痛から解放されました」

  2. お客様の喜びの声


    「『10年ぶりにゴルフを楽しめました!』とご報告いただきました」

  3. 季節の悩みへの対応


    「梅雨時期の関節痛でお悩みの方へ」

写真の選び方

技術志向の写真:

  • 施術風景のアップ
  • 機械の写真
  • 院内設備

顧客志向の写真:

  • 笑顔のお客様(許可を得て)
  • ビフォーアフターの姿勢
  • 「こうなれます」がイメージできる写真

8. 成功事例:商品設計見直しで売上1.5倍を実現した整体院

改善前の状況:典型的な技術志向の整体院

ここで、実際に商品設計を見直して成功した事例を詳しく紹介します。登場するのは石井さん(仮名)が経営する整体院です。

【石井整体院のプロフィール】

  • 開業:3年前
  • 立地:住宅街の一角(駅から徒歩15分)
  • 得意施術:強圧もみほぐし
  • 客層:40-60代が中心
  • 平均単価:5,000円
  • リピート率:約40%

石井さんは、某有名整体院で7年間修業を積んだ後、独立開業しました。技術には絶対の自信があり、特に「他では物足りない」という強い圧を求めるお客様から支持されていました。

抱えていた問題

しかし、開業3年目にして、以下のような問題に直面していました:

1. 新規は来るがリピートしない

  • ホットペッパービューティーから月20-30名の新規
  • しかし2回目来店は40%程度
  • 3回目以降はさらに半減

2. 回数券が全く売れない

  • 10回券(45,000円)を用意
  • 月に1-2枚売れるかどうか
  • 「高い」と言われることが多い

3. 売上が安定しない

  • 月商80-100万円を行ったり来たり
  • 新規集客の広告費が経営を圧迫
  • このままでは将来が不安

技術志向の典型例

石井さんのホットペッパービューティーのクーポンを見てみましょう:

改善前のクーポン:

  • 「強圧もみほぐし60分 4,500円」
  • 「深層筋アプローチ90分 6,000円」
  • 「全身筋膜リリース120分 8,000円」

クーポン説明文:

「当店は強い圧でしっかりほぐします。物足りない方におすすめです。深層筋までアプローチする独自の技術で、頑固なコリも改善します。」

典型的な技術志向のアプローチでした。

商品設計見直しのプロセス

ステップ1:お客様の声を徹底的に聞く

まず最初に行ったのは、既存客への詳しいインタビューでした。

質問内容:

  1. なぜ当店に来ようと思ったのか
  2. 何に一番困っていたか
  3. 施術後、生活でどんな変化があったか
  4. もっとこうなりたいという理想はあるか

インタビューで分かったこと:

お客様A(50代男性・会社員):

「とにかく肩が重くて、仕事に集中できなかった。マッサージに行っても2-3日で元に戻る。石井さんの施術を受けた翌日、久しぶりに肩を意識せずに仕事ができて感動した」

お客様B(40代女性・主婦):

「朝起きるのが本当に辛くて…子供のお弁当を作るのも一苦労。でも3回通ったら、目覚まし1回で起きられるようになった」

お客様C(60代男性・定年退職):

「ゴルフの飛距離が落ちてきて、仲間に置いていかれるのが悔しかった。今は若い頃の飛距離が戻ってきた」

ステップ2:隠れたニーズの発見

インタビューを分析すると、興味深い事実が浮かび上がってきました。

お客様が本当に求めていたもの:

  • 単なる「強い圧」ではなく「持続する効果」
  • 「コリをほぐす」ではなく「生活の質の向上」
  • 「その場の気持ちよさ」ではなく「明日からの変化」

石井さん自身も驚きました:

「強い圧が売りだと思っていたけど、お客様が求めていたのは全然違うものだったんですね」

ステップ3:商品の再定義

お客様の声を基に、商品を再定義しました。

Before(技術志向): 「強圧もみほぐしで深層筋までアプローチ」

After(顧客志向): 「翌朝の目覚めが変わる!持続型の肩こり改善プログラム」

この変化は単なる言葉の変更ではありません。商品の本質的な定義が変わったのです。

ステップ4:プロセス設計の構築

次に、お客様をゴールまで導くプロセスを設計しました。

石井整体院の3ヶ月改善プログラム:

第1段階(1-3回目):即効性のある改善期

  • 頻度:週1回
  • 目標:翌朝の変化を実感
  • 施術:強圧での筋緊張緩和+姿勢指導

第2段階(4-6回目):持続力向上期

  • 頻度:週1回
  • 目標:効果が4-5日持続
  • 施術:深層筋調整+セルフケア指導

第3段階(7-10回目):定着期

  • 頻度:2週に1回
  • 目標:2週間効果が持続
  • 施術:全身バランス調整+生活習慣改善

実施した具体的な改善策

1. ホットペッパービューティーの全面改訂

新しいクーポン名:

  • 「【朝スッキリ起床】慢性肩こり改善プログラム初回」
  • 「【デスクワーカー応援】1日中快適に過ごせる体づくり」
  • 「【ゴルフ飛距離UP】体幹から改善するスポーツ整体」

クーポン説明文の変更:

「朝起きて、すぐに動ける体になりたいあなたへ

☑ 朝、起き上がるのに時間がかかる ☑ 午後になると肩が重くて仕事に集中できない ☑ マッサージに行っても2-3日で元通り

そんなあなたに、翌朝から違いを実感できる施術を提供します。

当院の特徴は『持続力』。 通常のマッサージが2-3日で戻るのに対し、 当院の施術は1週間以上効果が持続します。

<お客様の声> 『3回目から朝がまるで違う!目覚ましが1回で十分に』(40代女性) 『仕事中、肩を意識しなくなった』(50代男性)」

2. カウンセリングの流れを変更

改善前の流れ:

  1. 症状を聞く(10分)
  2. 検査(5分)
  3. 原因説明(15分)
  4. 施術(60分)

改善後の流れ:

  1. 生活の困りごとを聞く(15分)
  2. 理想の状態を聞く(5分)
  3. 改善プロセスの説明(10分)
  4. 初回の変化を体感する施術(60分)

特に重要なのは、原因説明から改善プロセス説明への転換でした。

カウンセリングでの説明例:

「なるほど、朝起きるのに30分かかるんですね。それは本当にお辛いですよね。

理想としては、目覚ましが鳴ったらスッと起きられる状態ですよね?

分かりました。では、3ヶ月でその状態を目指しましょう。

今日の施術で、明日の朝、いつもより起きやすくなるのを感じていただけます。 3回目頃には、起き上がる時間が半分に。 6回目には、ほぼ普通に起きられるようになります。 そして10回目には、『そういえば最近、朝が辛くない』という状態になりますよ。」

3. 回数券の設計を根本から見直し

改善前:

  • 10回券 45,000円(4,500円/回)
  • 理由:「お得だから」

改善後:

  • 3ヶ月改善プログラム(10回)48,000円
  • 理由:「朝スッキリ起きられる体を手に入れる投資」

金額はむしろ上がりましたが、価値が明確になりました。

提案の仕方:

「〇〇さんの場合、10年来の慢性的な肩こりですので、3ヶ月プログラムがおすすめです。

10回で48,000円の投資になりますが、これで毎朝スッキリ起きられる体が手に入ります。

1日あたりに換算すると約530円。 コンビニのお弁当1個分の投資で、 毎日の生活の質が劇的に変わると考えてみてください。

それに、今まで月2-3回マッサージに通っていた分を考えると、 3ヶ月で根本改善する方が、結果的にお得になりますよ。」

改善の結果:驚きの成果

商品設計を見直して3ヶ月後、石井整体院には劇的な変化が起きました。

数値で見る成果

リピート率の改善:

  • 2回目リピート率:40% → 72%
  • 3回目リピート率:20% → 65%
  • 10回完走率:ほぼ0% → 58%

売上の変化:

  • 月商:80-100万円 → 120-150万円
  • 客単価:5,000円 → 7,800円
  • 回数券販売:月1-2枚 → 月8-12枚

新規集客の変化:

  • 必要な新規数:月30名 → 月15-20名
  • 広告費:月15万円 → 月8万円
  • 利益率:20% → 35%

質的な変化

数値以上に重要なのは、質的な変化でした。

石井さんの声:

「お客様との関係が全く変わりました。 以前は『今日は楽になった』で終わりでしたが、 今は『先生のおかげで朝が楽になりました!』 『ゴルフの調子が絶好調です!』といった 生活の変化を報告してくれるんです。

施術自体は変えていないのに、 お客様の満足度が全然違います。

そして何より、私自身が仕事にやりがいを 感じるようになりました。」

スタッフの変化:

  • 「お客様の変化が見えるから楽しい」
  • 「説明に自信が持てるようになった」
  • 「売り込み感なく提案できる」

お客様の声:

「他の整体院と全然違う。ちゃんと計画を立ててくれるから安心」(50代女性)

「高いと思ったけど、結果を考えたら安い投資だった」(40代男性)

「友達にも勧めたら、すごく感謝された」(60代女性)

成功要因の分析

なぜこれほどの成果が出たのか、要因を分析してみましょう。

1. お客様視点の徹底

最も大きな要因は、徹底的にお客様視点に立ったことです。

  • 専門用語を使わない
  • 生活の変化にフォーカス
  • 共感から始まるコミュニケーション

2. ゴールの明確化

「肩こりを改善する」という曖昧なゴールではなく、「朝スッキリ起きられる」「仕事に集中できる」といった具体的な生活の変化をゴールに設定しました。

3. プロセスの可視化

「いつまで通えばいいか分からない」という不安を解消し、階段を登るように改善していく道筋を示しました。

4. 投資価値の明確化

「安いから」ではなく「価値があるから」買っていただく。この転換により、客単価が上がっても満足度は向上しました。

石井整体院の現在

改善から1年が経過した現在、石井整体院はさらに進化しています。

  • 予約が2週間先まで埋まる人気店に
  • スタッフを1名増員
  • 口コミだけで新規の半数が来店
  • 年商2,000万円を突破

石井さんからのメッセージ:

「技術を磨くことも大切ですが、 それ以上に『お客様が何を求めているか』を 理解することが大切だと学びました。

商品設計を見直すことで、 同じ技術でもこれだけ結果が変わる。

もっと早く気づいていれば…と思いますが、 今からでも遅くないと信じて 取り組んでよかったです。」


9. 回数券・コース設計の落とし穴と正しい価格設定

なぜ多くのサロンが回数券で失敗するのか

回数券やコース設計は、サロン経営の安定化に欠かせない要素です。しかし、多くのサロンがここで大きな間違いを犯しています。

よくある間違い1:松竹梅の呪縛

多くのサロンで見られる回数券設定:

整体院の例:

  • 30回券:150,000円(@5,000円)← 一番お得!
  • 15回券:82,500円(@5,500円)
  • 5回券:30,000円(@6,000円)

エステサロンの例:

  • プラチナコース(24回):240,000円
  • ゴールドコース(12回):132,000円
  • シルバーコース(6回):72,000円

一見、理にかなっているように見えますが、これには大きな問題があります。

この設定の何が問題なのか

問題1:お客様のゴールと無関係

前述の例で、慢性肩こりの改善に必要な回数が10回だったとします。でも用意されているのは30回、15回、5回…

お客様の心理:

「8-10回って言われたけど、5回じゃ足りないし、15回は多すぎる…」 「30回なんて、1年かかっちゃう。そんなに通えるかな…」

問題2:販売側の都合が透けて見える

「お得」を全面に出すと、お客様はこう感じます:

「結局、たくさん買わせたいだけなんだ」 「在庫処分みたい」 「本当に30回も必要なの?」

問題3:目的を見失いやすい

大量の回数券を購入したお客様に起きがちなこと:

  • 最初の数回は真面目に通う
  • 徐々に間隔が空く
  • 「まだ20回も残ってる…」とプレッシャーに
  • 結局使い切れずに期限切れ

これはお客様にとっても、サロンにとっても不幸な結果です。

実例:間違った回数券設計の末路

ある整体院の実例を紹介します。

Aさん(45歳女性)のケース:

初回カウンセリングで「腰痛改善には8-10回必要」と説明を受ける。 しかし、回数券は5回、15回、30回の3種類のみ。

スタッフ:「15回の方がお得ですよ。1回あたり1,000円も安くなります」

Aさんの判断:「お得なら…」と15回券を購入(82,500円)

その後の経過:

  • 1-5回目:週1で真面目に通う
  • 6-8回目:2週間に1回ペースに
  • 9回目:1ヶ月空く
  • 10回目以降:「まだ5回も残ってる」と義務感で通う
  • 12回目で来なくなる(3回分無駄に)

結果:

  • Aさん:「高い買い物をした」という後悔
  • サロン:信頼を失い、口コミも期待できない

正しい回数券・コース設計の考え方

原則1:ゴールから逆算する

回数券は「割引」のためではなく、お客様をゴールに導くためのツールです。

設計手順:

  1. 症状別の標準改善パターンを把握

    データを蓄積して、以下のような基準を作ります:

    【整体院の例】
    • 急性腰痛:3-5回
    • 慢性肩こり:8-10回
    • 姿勢改善:12-15回
    • 体質改善:20回以上
  2. 【エステサロンの例】
    • ニキビ改善:6-8回
    • シミ・くすみ:10-12回
    • たるみ改善:12-15回
    • 体質改善:16-20回
  3. 個別カスタマイズ

    基準を元に、個々のお客様に合わせて調整:
    • 年齢
    • 症状の程度
    • 生活習慣
    • 通える頻度
  4. プログラム化

    単なる回数券ではなく「○○改善プログラム」として提案

原則2:期間を明確にする

回数だけでなく、期間の設定が重要です。

悪い例: 「10回券(期限なし)」

良い例: 「3ヶ月集中改善プログラム(10回)」

期間を設定する理由:

  • 計画的な通院を促す
  • ゴールが明確になる
  • だらだら通うことを防ぐ

原則3:段階的なプログラム設計

すべてを一度に売ろうとせず、段階的に提案します。

段階的提案の例:

第1段階:初期集中ケア(4-6回)

  • 目的:症状の緩和、信頼関係構築
  • 期間:1ヶ月
  • 価格:20,000-30,000円

第2段階:根本改善プログラム(8-10回)

  • 目的:根本原因の改善
  • 期間:2-3ヶ月
  • 価格:40,000-50,000円

第3段階:メンテナンスプラン(月1-2回)

  • 目的:良い状態の維持
  • 期間:継続
  • 価格:月額10,000-15,000円

価格設定の新しい考え方

従来の価格設定(コスト思考)

多くのサロンは以下のように価格を決めています:

  1. 原価(家賃、人件費など)を計算
  2. 利益を上乗せ
  3. 競合と比較して調整

これでは価格競争に巻き込まれるだけです。

新しい価格設定(価値思考)

顧客志向の価格設定は、お客様が得られる価値から逆算します。

価値の計算例:

慢性腰痛に悩む50代男性の場合:

現在の状況:

  • 月3回マッサージ(6,000円×3=18,000円)
  • 湿布薬代(月3,000円)
  • 仕事の効率低下(数値化は困難だが大きい)
  • 生活の質の低下(プライスレス)

合計:月21,000円以上の損失

提案: 「3ヶ月で改善するプログラム(10回)60,000円」

価値の説明:

「現在、マッサージと薬に月2万円以上使われていますよね。 3ヶ月だと6万円以上。しかも一時的な対処療法。

当院のプログラムなら、同じ6万円で根本改善。 4ヶ月目からは、その2万円が浮くんです。 1年で見れば、18万円の節約になりますよ。」

高単価でも選ばれる理由

価格が高くても選ばれるサロンの特徴:

  1. 明確な結果 「3ヶ月で○○になる」という明確な約束
  2. 投資対効果 支払う金額以上の価値があることを証明
  3. 限定性 「本気で改善したい方だけ」というスタンス
  4. 実績の提示 同じような悩みの改善事例を具体的に

無断キャンセルを防ぐ仕組み作り

回数券を購入してもらっても、無断キャンセルが多いと意味がありません。

無断キャンセルが起きる本当の理由

表面的な理由:

  • 忘れていた
  • 急用ができた
  • 体調不良

本当の理由:

  • 通う目的が不明確
  • 効果を感じていない
  • 優先順位が低い

商品設計で無断キャンセルを防ぐ

1. 次回の意味づけを明確に

悪い例:

「次回は1週間後に来てください」

良い例:

「次回は、今日緩めた筋肉が固まる前にメンテナンスします。 1週間後がベストタイミングです。 ここを逃すと、また最初からになってしまいますよ」

2. 進捗の可視化

  • ビフォーアフター写真
  • 可動域の数値化
  • 症状チェックシート

3. 予約の重要性を伝える

「○○さんの時間は確保してお待ちしています。 もし来られない場合は、他の方をお断りしている状態なので、 必ず前日までにご連絡くださいね」

実践的な料金表の作り方

最後に、実際の料金表の例を見てみましょう。

整体院の料金表例

【初回体験】 カウンセリング+施術+改善計画提案 90分 3,980円(通常8,000円)

【改善プログラム】 あなたの症状に合わせた完全オーダーメイド

軽度の症状(ぎっくり腰、寝違えなど) 短期集中4回プログラム:19,200円

  • 期間:2週間
  • 頻度:週2回
  • 1回あたり:4,800円

慢性症状(肩こり、腰痛など) 3ヶ月改善10回プログラム:48,000円

  • 期間:3ヶ月
  • 頻度:最初1ヶ月週1回、その後2週に1回
  • 1回あたり:4,800円

体質改善(姿勢、自律神経など) 6ヶ月変身16回プログラム:72,000円

  • 期間:6ヶ月
  • 頻度:最初2ヶ月週1回、その後月2回
  • 1回あたり:4,500円

【メンテナンスプラン】 良い状態をキープしたい方へ

月2回プラン:月額15,000円 月1回プラン:月額8,000円

【オプション】

  • 骨盤矯正:+2,000円
  • 美容整体:+3,000円

この料金表のポイント

  1. 症状別で分かりやすい
  2. 期間と頻度が明確
  3. 段階的な提案が可能
  4. メンテナンスへの移行がスムーズ
  5. 1回あたりの価格でなくプログラム全体の価値を訴求

10. まとめ:MEO対策より重要な商品設計の見直し

本質を見失わない経営とは

ここまで長い記事を読んでいただき、ありがとうございます。最後に、すべてをまとめて、あなたが今日から何をすべきかを明確にしましょう。

多くの経営者は、売上が伸びない時、こんなことを考えます:

  • もっと集客しなければ(ホットペッパー、MEO対策)
  • もっと技術を磨かなければ(研修、資格取得)
  • もっと接客を良くしなければ(カウンセリング研修)
  • もっと安くしなければ(価格競争)

しかし、これらはすべて対症療法に過ぎません。

商品設計こそが経営の土台

建物に例えるなら:

  • 商品設計=土台(基礎)
  • 技術=柱
  • 接客=内装
  • 集客=看板

土台がぐらついていれば、上に何を乗せても崩れます。

逆に、土台さえしっかりしていれば:

  • 普通の技術でも価値が伝わる
  • 特別な接客術がなくても満足される
  • 過度な集客をしなくても口コミが広がる
  • 適正価格で選ばれる

あなたのサロンを変える3つのステップ

ステップ1:現状認識(今週中に)

まず、現実を直視することから始めましょう。

チェックリスト:

  • [ ] 現在のリピート率を正確に計算する
  • [ ] 回数券の販売率と消化率を確認する
  • [ ] お客様がなぜ離脱したか仮説を立てる
  • [ ] 自分の商品を「技術名」以外で説明してみる

ワーク: 紙を用意して、以下を書き出してください。

  1. あなたの商品は何ですか?(技術名禁止)
  2. お客様はなぜそれを買うのですか?
  3. 競合との違いは何ですか?(技術以外で)

もし詰まったら、それが商品設計の課題です。

ステップ2:お客様の声を聞く(来週から)

次に、お客様の本音を聞き出します。

既存客へのインタビュー項目:

  1. 最初、何に困って来店しましたか?
  2. 今、どんな変化がありましたか?
  3. もっとこうなりたいという希望はありますか?
  4. 友人に勧めるとしたら、何と言いますか?

ポイント:

  • 10名以上に聞く
  • 録音ではなくメモで(自然な会話を)
  • 「ついでに」という感じで気軽に
  • お礼の気持ちを忘れずに

離脱客へのアンケート(可能なら):

メールやLINEで、簡単なアンケートを:

「サービス向上のため、率直なご意見をお聞かせください。 なぜ当院に通われなくなったのでしょうか?」

返答率は低いですが、返ってきた意見は宝物です。

ステップ3:商品の再定義(1ヶ月後)

集めた情報を元に、商品を再定義します。

商品設計ワークシート:

  1. ターゲット設定
    • 年齢:
    • 性別:
    • 職業:
    • 悩み:
    • 理想:
  2. ゴール設定
    • 現状:
    • 3ヶ月後:
    • 最終ゴール:
  3. プロセス設計
    • 第1段階( 回):
    • 第2段階( 回):
    • 第3段階( 回):
  4. 価値の言語化
    • お客様が得られるもの:
    • それによって変わる生活:
    • 投資対効果:

成功事例から学ぶ実践のコツ

コツ1:小さく始める

いきなりすべてを変える必要はありません。

おすすめの順番:

  1. 新規客への説明を変える
  2. 反応を見て修正
  3. 既存客にも展開
  4. 料金表を改定
  5. 集客ツールに反映

コツ2:スタッフを巻き込む

一人で抱え込まず、スタッフと一緒に:

スタッフミーティングでの議題:

  • お客様の生の声をシェア
  • 商品設計の重要性を説明
  • 一緒に言語化する
  • ロープレで練習

コツ3:数字で検証する

感覚でなく、数字で判断:

追跡すべき指標:

  • 2回目リピート率
  • 平均来店回数
  • 客単価
  • 回数券販売率
  • 完走率(最後まで通う率)

月1回、これらの数字を確認し、改善を続けます。

よくある質問と回答

Q1:技術に自信がないのですが…

A:技術の高低と商品設計は別物です。普通の技術でも、お客様の求める結果を出せれば十分。むしろ、技術に頼りすぎないことで、お客様視点が身につきます。

Q2:既存客にはどう説明すればいい?

A:急に変える必要はありません。新しい提案として、「最近、こんなプログラムを始めたんです」と自然に紹介しましょう。

Q3:料金を上げるのが怖い…

A:価値が伝われば、適正価格は受け入れられます。まず新規客で試し、自信をつけてから既存客に展開しましょう。

Q4:うちは田舎なので…

A:田舎ほど、差別化が効きます。都会のような価格競争がない分、価値を伝えれば選ばれやすい環境です。

最後のメッセージ

ここまで読んでいただいたあなたは、もう気づいているはずです。

お客様は「施術」を買いに来ているのではありません。 お客様が買いに来ているのは「良くなった自分」です。

この視点さえ持てれば:

  • 技術が特別でなくても選ばれる
  • 高単価でも喜んで払ってもらえる
  • リピート率が自然に上がる
  • 口コミが勝手に広がる
  • 経営が安定する
  • 仕事にやりがいを感じる
  • お客様に感謝される

すべては商品設計から始まります。

MEO対策も、ホットペッパービューティーも、確かに重要です。しかし、それ以前に、あなたの商品が「お客様の人生を変えるもの」として設計されているか。それこそが、最も重要なのです。

今日から、技術志向から顧客志向へ。 施術を売るのではなく、変化を売る。

その第一歩を、踏み出してみませんか?

あなたのサロンの成功を、心から応援しています。

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