エステサロンのリピート率を上げる8つのテクニック

「新規のお客様は来るけど、2回目に繋がらない…」
「リピーターをもっと増やしたいけど、何から始めればいいの?」
そんなお悩みはありませんか?
実は、エステサロンの経営において、リピート率の向上は売上の安定と利益確保に直結する、とても重要な課題です。
新規顧客の獲得には既存顧客の維持と比べて約5倍のコストがかかると言われているため、リピーターを増やすことこそがサロン経営成功の鍵になるでしょう。
この記事では、実際にリピート率9割を達成しているまつ毛サロンの事例をもとに、明日から実践できる8つの具体的なテクニックをご紹介します。
どれも特別な設備投資は不要で、ちょっとした工夫と心がけで実践できるものばかりです。
ぜひ最後まで読んで、あなたのサロンに取り入れてみてくださいね。
エステサロンのリピート率とは?計算方法と平均値を知っておこう
リピート率の計算方法
まず、リピート率とは何かを確認しておきましょう。
リピート率とは、新規で来店したお客様のうち、一定期間内に再来店してくださった割合を示す指標のことです。
基本的な計算式
リピート率(%)= 特定期間中のリピート客数 ÷ 特定期間内の新規客合計 × 100
例えば、今月新規で来店された方が50名いて、そのうち20名が翌月に再来店してくださった場合、リピート率は40%となります。
意外とシンプルな計算ですよね。
エステサロンの平均リピート率はどれくらい?
ホットペッパービューティーの調査によると、エステサロンの6ヶ月以内の平均リピート率は約20%です。
これは美容系サロンの中では比較的低い水準で、ヘアサロンの約40%、アイラッシュサロンやネイルサロンの約30%と比較すると、まだまだ改善の余地がありそうですね。
ただし、お客様のファン化に成功しているサロンでは50%以上、中には今回ご紹介する事例のように90%という驚きの高いリピート率を達成しているケースもあるのです。
なぜリピート率が重要なの?
新規顧客の獲得には、既存顧客の維持に比べて約5倍のコストがかかるという「1:5の法則」があります。広告宣伝費や初回割引クーポンなど、新規集客には本当に多くの費用が必要ですよね。
一方、リピーターの方はすでにサロンの価値を理解してくださっているため、大幅な割引や広告費をかけずに来店していただけます。
リピート率を高めることで、安定した経営と利益率の向上が期待できるでしょう。
エステサロンのリピート率が上がらない原因と顧客心理

リピート率を上げる方法をお伝えする前に、なぜリピート率が上がらないのか、よくある原因と顧客心理を確認しておきましょう。
目標設定がない
実は、多くのサロンでは具体的な目標リピート率を設定していないのです。
目標がなければ、どの程度改善すべきか、どのような施策を打つべきかが明確になりませんよね。
一般的に、個人経営のエステサロンでは70~80%が理想的なリピート率とされています。
まずは現状のリピート率を正確に把握して、具体的な目標数値を設定することから始めてみましょう。
顧客満足度の不足
施術の技術、接客の質、サロンの雰囲気など、お客様がサービスに満足できなかった場合、なかなかリピートには繋がりません。
特にエステサロンは視覚的に効果がわかりにくいサービスですから、施術の結果だけでなく、体験全体の質がとても重要になってくるんです。
予約の取りにくさ
希望する日時に予約が取れない、予約方法が複雑といった状況は、リピート率を下げる大きな要因です。
特に近年は、ネット予約やLINE予約など、手軽に予約できる環境を求めるお客様が増えていますよね。
リピートするメリットの欠如
初回は大幅な割引クーポンを提供しているものの、2回目以降は通常価格になって価格差が大きい…そんなケースでは、「リピートするメリットがない」と判断されてしまうかもしれません。
失客に繋がる顧客心理とは
お客様がリピートしない背景には、明確な不満があるケースよりも、「可でも不可でもない」「特別な理由がない」という心理状態であることが多いのです。
施術自体は悪くなかったけれど、他のサロンでもいいかな…そんな風に思われてしまうと、失客に繋がってしまいます。
お客様にとって「特別な存在」「また来たいと思える場所」になることが、リピート率向上の鍵になるでしょう。
エステサロンのリピート率を上げる8つのテクニック
それでは、ここからが本題です!実際にリピート率9割を達成しているサロンで実践されている8つのテクニックを、来店から退店までの流れに沿ってご紹介していきますね。
1. 動線に無駄がない状態を作る
お客様がベッドにたどり着くまでの動線設計が、実はリピート率に大きく影響するのです。
多くのサロンでは、入店からベッドまでの動線上に様々な「トラップ」が存在しています。
施術ワゴンが通路を塞いでいたり、待合スペースで他のお客様と肩が触れ合ったり、観葉植物や装飾品が多すぎたり…こうした無駄な障害物が、実はお客様の期待感を下げてしまっていることはご存知でしたか?
なぜ動線が重要なのか
お客様がドアを開けた瞬間から、施術ベッドに案内されるまでの間に、無駄な障害物や情報があると、お客様の感情が冷めてしまうのです。
期待感が下がってしまうと、施術への満足度にも影響が出てしまいます。
特に個人サロンの場合、スペースが限られているからこそ、動線設計が重要になってきますね。
お客様が通る場所に何があるのか、一度お客様目線で歩いてみることをおすすめします。
具体的な改善アクション
タオル、備品、装飾品など、本当に必要なもの以外は思い切って撤去しましょう。
物を減らす
「これ、本当にここに置く必要があるの?」と自問自答してみてください
なんとなく置いてあるタオルや、使っていない備品が意外と多いのではないでしょうか。
観葉植物トラップの解消
観葉植物は癒しの要素として素敵ですが、過度な配置は動線の妨げになります。
「観葉植物を置きすぎかな?」と思う節があれば、配置を見直してみましょう。
頂きもの整理
お客様からいただいたお花や贈り物、胡蝶蘭の鉢植えなど、3年前にいただいたものが枯れているのにそのまま飾ってある…そんなケースもあるのでは。
心苦しいかもしれませんが、一定期間飾った後は心を込めて適切に処分することも、お客様の安全と快適な空間作りのためには必要でしょう。
実際に訪問させていただいたお教室では、リニューアルオープンの際に、3年前にいただいた胡蝶蘭が全部枯れているのにまだ飾ってあったケースがありました。
こういった頂きものは、気持ちは大切にしながらも、適切なタイミングで片付けることが重要ですね。
靴置き場の整頓
靴を脱いでいただくお店の場合、靴置き場が整頓されていない動線になっていると、お客様はその時点で判断してしまいます。
お客様に靴を閉まっていただくようなフローを作って、常に整頓された状態を保ちましょう。
お客様にちゃんと教育すれば大丈夫なので、最初にルールを伝えることが大切ですよ。
治療院の方へ特に重要なポイント
特に治療院の場合、腰痛や膝痛を抱えたお客様にとって、動線上の障害物は転倒の原因にもなりかねません。
足腰が弱っている患者様が、観葉植物や物につまずいて転倒してしまったら大変ですよね。
清潔感とともに、安全性も考慮した動線設計を心がけてくださいね。
2. 余計なポップを設置しない
動線上に貼られた余計なポップは、お客様の集中を妨げて、期待値を下げる要因になってしまうのです。
多くのサロンでは、メニュー表、物販ポスター、マシンの宣伝など、壁に様々なポップが貼られていますよね。
しかし、特に初めて来店されるお客様は緊張しているため、情報過多の状態では落ち着けません。
戦略的なポップ配置の方法
初回のお客様は、初めてのお店でそわそわしています。人間の脳は不安定な状態を落ち着かせようとする働きがあって、周囲の情報を得ようとします。
この心理を逆手に取って、適切な情報を提供することがポイントなんですね。
お客様の脳の仕組みを理解する
初めてのお店はドキドキして落ち着きません。
落ち着かないから、そわそわして周りを見渡す傾向もあるでしょう。
よって、落ち着かせるために、何か情報を得ようとする心理が働くのです。
この心理を逆算して、そこにこのお店で得られるベネフィットをしっかり掲示しておきましょう。
貼るべきポップは1枚だけ!
- 内容:このサロンで得られるベネフィット、施術の流れを簡潔にまとめたもの
- サイズ:A4程度
- デザイン:文字は大きめに、挿し絵や写真を使用して。ぱっと見て目に留まるように、太字だったり色合いを変える。一緒に挿し絵など写真を貼る
- 形式:基本的に手書きがおすすめ(手書きを置いておくと目に留まります)
配置場所のポイント
- カウンセリングシート記入時に目線がある位置
- お着替え中のスペース
- お手洗い(最初にお手洗いに案内する場合)
お客様を案内した時に、お客様がベッドに座った時に目線がどこにあるのかをちゃんと確認して、その目線がある場所に貼るのがおすすめ。
絶対に貼ってはいけないもの
- メニュー表(リピート率を下げる原因に。メニュー表を貼ると売上が下がる)
- 物販のポスター
- 回数券の案内
- 意味なく貼られた過去のキャンペーンポスター
お客様がそわそわしている間に、このサロンで得られる未来像を見せることで、期待感を高めることができるでしょう。
この気持ち作りのために必ずポップを貼ることが大切。
3. 心地よいベッドにする

施術を受けるベッドの質は、お客様の満足度に直結します。
ベッドの硬さ、柔らかさ、きしみ音などは、お客様が最も長い時間接する要素ですよね。
売上が安定していない時期は後回しにしがちですが、ベッドへの投資はリピート率向上においてとても重要な要素です。
ベッドに関する声かけの重要性
「でも、今すぐ新しいベッドを買うのは難しい…」そんな方も安心してください。
実は、お声掛け一つでお客様の体感を変えることができるでしょう。
声かけのタイミング お客様がベッドに腰をかけて、横になる直前がベストです。
声かけの例
- 「当店は○○という理由で、このベッドを採用しております」
- 「他のサロン様に比べて少し柔らかめ(または硬め)のベッドを使用していますが、これは○○という理由なんです」
- 「フルフラット(または首だけのタイプ)のベッドを採用しており、○○という効果がございます」
お客様は過去の経験と比較して評価されます。
あえてベッドを採用している理由を伝えることで、お客様の中で意味付けが生まれて、不快感を軽減できるでしょう。
あるまつ毛サロンでは、フルフラット型のベッドを採用していて、「珍しいと言われるんですが、歯医者さんみたいなベッドで、首が疲れにくいんですよ。ライトがちょっと眩しい場合はおっしゃってくださいね」といった声かけを施術前に必ず行っているようです。
4. 施術の細かい確認を行う
施術中の声かけと確認は、お客様の安心感を高めて、信頼関係を構築します。
多くのサロンでは、施術の流れを説明せずに進めてしまうケースがあります。
しかし、特に新規のお客様は、何をされるかわからない不安を抱えているでしょう。
なぜ細かい確認が必要なのか
新規のお客様はプロセスの一つ一つ、何をされるかが想像できない可能性が高いです。
特にまつ毛エクステや脱毛などで目元を隠したり、うつ伏せになったりするケースでは、お客様のお体が敏感になっています。
目をつぶっていただくケース、うつ伏せになったりするケースはお客様の体が敏感になりやすいですね。
よって、一つ一つに声かけをするということが大事になってくるでしょう。
確認すべきポイント
プロセスの説明
- 「これから○○という目的で、○○を行っていきますね」
- 「今から背中に触らせていただきますね」
- 「このタイミングで○○を使用しますが、よろしいでしょうか」
これからこういうことをやっていきます、今からこういう風にしていきますね、と丁寧に言うとよいでしょう。
施術前の声かけで安心感を高める
特にうつ伏せになっている状態や目を閉じている状態では、お客様の体は非常に敏感になっています。
体に触れる前には必ず一声かけることで、お客様の不快感を最小限に抑えることができます。
特に男性セラピストから女性のお客様に施術される場合は、より丁寧な声かけが求められます。
通常の整体師の方でも、必ず患者様に以下のような声かけを実践してみてくださいね。
- 「今から背中に触らせていただきますね」
- 「このような目的で、この流れでお体に触れていきます」
実際に、バストアップサロンで指導している整体師の方は、施術前に「今からここのウエスト部分を触らせていただきますが、よろしいですか」と確認してから、
そっと触れるという丁寧な対応をされています。
必ず触る前に確認を取り、ワンクッション入れてから施術を行うことを心がけてくださいね。
アイラッシュ・まつ毛サロンでの注意点
まつ毛サロンやアイラッシュサロンでは、テープを貼る際にも事前の説明が重要です。
施術上の理由でテープが必要な場合は、以下のように説明するのが良いでしょう。
「当店ではこのような理由で、複数のテープを使用させていただきます。ご了承いただけますでしょうか」
このように、必ず理由とともにお客様の同意を得ることが大切ですね。
リラックスを希望されるお客様への対応方法
初回のカウンセリング時には、お客様のご希望を事前に確認することも大切です。
以下のような声かけをおすすめします
「当店では初めてのお客様には、ご不安を解消するために一つ一つ丁寧にご確認させていただいております。本日は施術中にゆっくりお休みになりたいですか?それとも会話を楽しみながら施術を受けたいですか?」
もしお休みを希望されるお客様には、施術開始前に以下のような説明をしておくと安心していただけるでしょう。
「それでは本日の施術の流れを事前にご説明いたしますね。このタイミングでお声がけさせていただきますが、それ以外の時間はゆっくりお休みください」
このように、事前に施術の流れとお声がけのタイミングを共有しておくことで、お客様は安心して施術を受けていただけるでしょう。
初回のお客様に対しては、丁寧に確認と同意を取ることを心がけてみましょう。
小児科の上手な先生が「ちくっとするけど大丈夫だよ」と事前に声をかけるのと同じように、お客様の不安を和らげる声かけが重要です。
5. 問診票の工夫をする
問診票は、お客様の情報を漏れなく収集して、質の高いカウンセリングを実現するための重要なツール。
多くのサロンでは、問診票の項目が不足しているか、自由記述欄が多すぎてお客様が書きにくい状態になっていませんか?
効果的な問診票の作り方
チェック項目を増やす
聞かなければいけない情報を漏らさないために、思いつく限りの項目をチェックボックス形式で用意しましょう。
- お客様の悩み(複数選択可)
- 過去に受けた施術の経験
- アレルギーや肌の状態
- 生活習慣に関する質問
- 今日のゴール・期待していること
自由記述欄を最小限に
自由記述欄が多いと、お客様は何を書けばいいか迷ってしまって、記入が進まないですよね。「少しでも思い当たるものにチェック」という形式にすることで、重要な情報を確実に収集できます。
スタッフの聞き忘れを防ぐ
問診票の項目は、施術前のカウンセリングで必ず確認する内容を網羅します。
スタッフが聞き忘れを防ぐためにも、問診票を充実させることがとても重要です。
あるまつ毛サロンでは、スタッフ教育の一環として、オーナー自身が口頭で確認していることをすべて問診票に落とし込んで、誰が対応しても同じ質のカウンセリングができるようにしているようです。
これは本当に素晴らしい工夫ですよね。
6. カウンセリングの工夫を行う
カウンセリングの目的は、お客様にパラダイムシフトを起こすこと。
カウンセリングは単なる悩みのヒアリングではありません。
お客様が持っている思い込みを変えて、「え、そうなの?」「できるの?」という驚きと期待を生み出す場です。
お客様の思い込みを変えるカウンセリング手法
カウンセリングでは、お客様に施術前のパラダイムシフト(価値観の転換)を起こすことが最も重要です。
「え、そうだったんですか?」「私、今までこういう思い込みをしていました」という気づきを与えること。
これこそがカウンセリングの本質なんですね。
実際にリピート率9割のサロンでは、このパラダイムシフトを自然な形で起こすカウンセリングが実践されていました。
他店との比較を見える化する
お客様は他のサロンと比較してあなたのサロンを選んでいます。
その違いを明確に伝えることが重要でしょう。
リピート率9割のまつ毛サロンでは、ページを差し替えられるタイプのアルバムを使用して、以下の内容をまとめています。
- 健康なまつ毛の状態
- 他店様の一般的な施術方法
- 当店の施術方法(スタンダード)
- 当店の施術方法(プレミアム)
- それぞれのメリット・デメリット
他店を否定しない
本当に大切なポイントです。過去にお客様が選んだサロンや施術方法を否定することは、お客様自身の選択を否定することになってしまいます。
他店のこと悪く言わない、お客様からしたら過去の自分を否定されているように思えてしまいます。
「他店様はこういう方法ですよね。当店ではこういうアプローチをしています」と少し補足するだけで十分。
7. 期待値の演出を
カウンセリングでパラダイムシフトを起こした後、施術前の期待感を最大限に高めましょう。
期待値の演出は、カウンセリングの延長線上にあります。
お客様が「このサロンでなら、理想の状態になれる」と確信を持てる状態を作ることが目標です。
治療院・整体院における期待値演出のポイント
治療院や整体院では、期待値の演出が難しいと感じる方も多いかもしれません。
しかし、以下のアプローチを実践することで、効果的に期待感を高めることができます。
お客様が「こうするべきだ」と思い込んでいること、「これが正しい」と信じていること。
例えば腰痛の場合、過去に他の整体院や整形外科に通われたり、湿布を貼ったりと、様々な対策を取られてきた経験があるでしょう。
そうした過去の経験や対策については、事前のカウンセリングや問診票で詳しく引き出してお区ことがポイント。
その上で、以下のような質問をしてみてください
- 「今まで他のお店ではどのような説明を受けてこられましたか?」
- 「ご自身では、どのような原因だと思われていましたか?」
こうした質問を通じて、お客様がどんな思い込みを持っているのかを把握することができます。
この時、他店の施術方法を否定するのではなく、当店のアプローチ方法を丁寧に説明することがポイントです。
そして、その施術方法を採用している理由を視覚的に見える形で説明することで、お客様に納得していただけるでしょう。
これが施術前に行うべき期待値の演出なのです。
期待値を高める要素
ビフォーアフターの活用
過去のお客様の事例を見せることで、「自分もこうなれる」というイメージを持っていただけます。ただし、単に写真を並べるだけでなく、お客様の悩みと結果がリンクしていることを説明するのがポイントですよ。
施術の流れとゴールの明確化
「今日の施術では、○○という状態を目指します。そのために○○と○○を行いますね」と具体的なゴールとプロセスを伝えることで、安心感と期待感が同時に高まります。
プロフェッショナルとしての根拠を示す
なぜこの施術方法を選んでいるのか、どのような根拠や理論に基づいているのかを丁寧に説明することで、お客様からプロフェッショナルとしての信頼を得ることができます。
施術方法の選択理由を科学的・理論的に説明することで、お客様は「このサロンは信頼できる」という安心感を持つことができるでしょう。
8. 施術後のファン化マジック
施術後の5分間が、リピート率を決定づける最も重要な時間です。
多くのサロンでは、施術が終わった後のフォローは「次回予約」や「LINE登録」など、システム的なアプローチに偏っています。
本当に重要なのは、施術直後のお客様の感情を最高潮に持っていくこと。
社会的交換理論とは
心理学における「社会的交換理論」というものがあります。
これは、お客様が支払ったコスト(料金)に対して、得られた価値(施術効果+精神的報酬)が大きく上回ると、そのサービスやサービス提供者に対して無条件で好意を持つという理論です。
施術の技術的な効果だけでなく、精神的な報酬(褒められる、認められる、喜んでもらえる)をプラスすることで、お客様の満足度は飛躍的に高まるんですよ。
具体的な実践方法
施術中から褒め続ける
リピート率9割のまつ毛サロンでは、施術中からずっと「可愛い」「素敵」「お目元が綺麗」といった言葉をかけ続けているそうです。
お客様が鏡を見る前から「本当に可愛くなりました」と伝えることで、お客様自身も「可愛くなった」と感じやすくなるんですね。
業種別の褒め方
- 美容系サロン:「可愛い」「素敵」「お肌がツヤツヤ」「スッキリされましたね」
- 治療院・整体:「姿勢が良くなりましたね」「背筋がしゃんとされましたね」「血色が良く見えます」「足取りがしっかりされました」
- エステサロン:「フェイスラインがシュッとされて、さらに素敵になられました」「お肌がワントーン明るくなりましたね」
褒め言葉には必ず理由をセット
「素敵です」だけでは薄っぺらく聞こえてしまいます。「○○という理由で素敵です」「○○が変わって、さらに魅力的になりました」と具体的な理由を添えることで、説得力が増すでしょう。
セルフケアへの褒め言葉
「意識が高いですね」「さすがです」「しっかりケアされていますね」といった言葉は、お客様の努力を認める強力なメッセージになります。
アハ体験の創出
「アハ体験」とは、突然の気づきや理解によって得られる快感のことです。施術後に鏡を見た瞬間、「わあ!」「こんなに変わるの!」という驚きと喜びを感じていただくことで、強い印象が記憶に残るのです。
アハ体験を生む流れ
- カウンセリングでパラダイムシフトを起こす(期待値を高める)
- 施術中から褒め続ける(社会的交換理論)
- 施術後に鏡を見せる前から「本当に素敵になりました」と伝える
- 鏡を見た瞬間の「わあ!」という反応を共有する
- お会計時にも「今日お会いできて良かったです」と伝える
余韻を作る
施術後の高揚感を「余韻」として残すことが、リピートに繋がります。
「今日ここに来てよかった」「またここに来たい」という感情は、施術の技術だけでは生まれません。
お客様が特別扱いされている、大切にされていると感じることで初めて生まれるでしょう。
リピート率を上げる具体的なアフターフォローの方法
施術後のフォローも、リピート率向上には欠かせませんよね。
次回予約の提案
施術が終わった直後は、お客様の満足度が最も高いタイミングです。
このタイミングで次回予約を提案することで、予約率が高まります。
「よい状態を保つために、○週間後の来店がおすすめです」「ポイントを貯めると次回○○の特典があります」など、自然な理由とともに提案してみましょう。
アフターフォローメッセージとDMの活用
来店後、できるだけ早いタイミングでフォローメッセージを送ることが重要です。
- 施術内容に合わせたケア方法のアドバイス
- 次回来店時におすすめのメニュー
- お客様に有用な情報の提供
サンキューレターと誕生日DMで特別感を演出
既存顧客に特別感を感じてもらえるメッセージを送ることで、再来店を促せます。
- ご来店後のサンキューレター(お礼のメッセージ)
- お誕生日のお祝いメッセージと特典
- リピーター限定のキャンペーン案内
- お得意様限定イベントの招待
特に誕生日DMは、お客様に「覚えていてくれた」という特別感を与える効果的なアプローチなんです。
SNS・LINEを活用した接点の維持
LINEやInstagramなどのSNSを活用して、お客様との接点を保ち続けることも効果的です。
ただし、頻度が高すぎると逆効果になってしまうので、適切なバランスを見極めてくださいね。
失客を防ぐフォローアップ
定期的に来店されていたお客様の来店が途絶えたら、早めにフォローすることで失客を防げます。
「その後、お体の調子はいかがですか?」といった気遣いのメッセージを送ることで、再来店のきっかけを作ることができるでしょう。
リピート率向上のためのポイントカード・クーポン活用

ポイントカード・スタンプカードの導入
来店回数や利用金額に応じてポイントを付与して、貯まったポイントで割引や特典を提供する仕組みは、リピート率向上にとても効果的です。
近年は紙のカードではなく、アプリでデジタル管理できるシステムも増えていて、お客様の利便性が向上しています。
リピーター限定クーポン
新規顧客ではなく、リピーター専用のクーポンを発行することで、「ここに通い続けるメリット」を感じていただけますよ。
紹介制度の導入
既存のお客様からの紹介は、新規顧客の獲得において最も信頼性の高い経路です。
紹介した側にも特典を用意することで、Win-Winの関係を築けますね。
接客スキルとコミュニケーションの重要性
アイスブレイクの活用
特に初回来店時は、お客様は緊張していらっしゃいます。
軽い雑談や自己紹介を交えながら、心を開いていただくことが大切ですよ。
共感と傾聴
カウンセリング時には、相づちや共感を示しながら、お客様の悩みを親身になって聞くことで、信頼関係が構築されます。
スタッフ全員のスキル統一
一人のスタッフだけが優秀でも、サロン全体のリピート率は上がりません。
スタッフ全員が同じレベルの接客を提供できるよう、教育体制を整えることが重要になってくるでしょう。
予約システムの最適化
ネット予約の導入
電話予約だけでなく、24時間いつでも予約できるネット予約システムを導入することで、お客様の利便性が大幅に向上します。
LINE予約・Instagram予約
お客様が普段使っているSNSから直接予約できる仕組みを整えることで、予約のハードルが下がりますよ。
予約の取りやすさの確保
いつも予約が埋まっていて予約できない状況では、リピート率は上がりません。
適切なキャパシティ管理と予約枠の設定が必要ですね。
顧客データの分析と活用
リピート率の定期的な計測
全体のリピート率だけでなく、担当者別、メニュー別、年齢層別など、様々な角度からリピート率を分析することで、改善点が明確になります。
顧客情報の蓄積
お客様の施術履歴、好み、悩みなどを記録して、次回来店時に活用することで、よりパーソナライズされたサービスを提供できるでしょう。
PDCAサイクルの実践
リピート率向上の施策を実施したら、必ず効果を測定して、改善を繰り返すPDCAサイクルを回すことが重要です。
まとめ:エステサロンのリピート率を上げるために明日からできること
ここまで、たくさんのテクニックをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
エステサロンのリピート率を上げるためには、施術の技術だけでなく、来店から退店までのすべての体験を設計することが重要なんです。
明日からできる具体的なアクション
- サロン内の動線を見直して、不要な物を撤去する
- ポップを1枚だけに絞って、お客様の期待値を高める内容にする
- ベッドについての声かけを施術前に追加する
- 施術中の細かい確認と声かけを徹底する
- 問診票をチェック項目中心に作り直す
- カウンセリングでお客様の思い込みを覆す提案を意識する
- 施術前にお客様の期待感を最大限に高める
- 施術後に具体的な理由を添えて褒める言葉を伝える
特に重要なのは、施術後の5分間です。社会的交換理論とアハ体験を意識して、お客様に「ここに来てよかった」という余韻を残すことが、リピート率向上への道となります。
また、失客を防ぐためには、定期的な来店が途絶えたお客様への早めのフォローも欠かせません。DMやLINEを活用して、お客様との接点を維持し続けることを忘れないでくださいね。
リピート率の向上は一朝一夕では実現しません。でも、一つ一つの積み重ねが確実に成果につながります。
すべてを一度にやろうとすると大変ですから、まずは「これならできそう!」とあなたが思えたものから、一つでいいので試してみてくださいね。
その小さな一歩が、お客様から愛され、選ばれ続ける素敵なサロンへの道に繋がっています。あなたのサロンがもっと素敵になることを、心から応援しています!

