美容室で広告を活用した集客方法のコツ。広告の種類と手順を解説

「広告を出してみたいけど、何から始めればいいのかわからない」と悩んでいませんか?

美容室を経営していると、集客は避けて通れない課題ですよね。

この記事では、美容室経営者やサロンオーナーの方に向けて、広告を活用した効果的な集客方法を詳しく解説します。広告の種類や費用の目安、効果を高めるコツまで、実践的な内容をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

目次

美容室が広告を活用するべき理由

美容室で広告を活用した集客方法のコツや広告の種類と手順を解説している記事

「うちはSNSだけで十分」「口コミで広がればいい」と考えている方もいるかもしれません。

しかし、今の時代、広告を活用しない選択は大きな機会損失につながる可能性があります。ここでは、美容室が広告を活用するべき理由について説明します。

競合との差別化が必要になっている

先ほどお伝えしたように、美容室の数は年々増加しています。同じエリア内に複数の美容室が存在することが当たり前になり、お客様から選ばれるためには、自分のサロンの存在を知ってもらうことが第一歩となります。

技術や接客に自信があっても、それを伝える機会がなければお客様には届きません。広告を活用することで、自分のサロンの強みやこだわりを効果的にアピールし、競合店との差別化を図ることができます。

新規顧客の獲得がサロン経営の基盤になる

美容室経営において、リピーターを増やすことはとても大切です。しかし、リピーターを増やすためには、まず新規のお客様に来ていただく必要があります。

どれだけ素晴らしいサービスを提供しても、最初の来店がなければリピートも生まれません。

広告は、まだあなたのサロンを知らない潜在的なお客様にアプローチできる有効な手段です。特に開業したばかりのサロンや、新しいエリアに出店した場合は、広告を通じて認知度を高めることが経営の安定につながります。

お客様の美容室選びの方法が変化している

スマートフォンの普及により、お客様が美容室を探す方法は大きく変化しています。

以前は友人や家族からの紹介が主流でしたが、現在ではGoogleで「地域名+美容室」と検索したり、Instagramでスタイル写真を見て選んだりする方が増えています。

このような変化に対応するためには、お客様が情報を探している場所で自分のサロンの存在をアピールする必要があります。広告はそのための効果的なツールとなります。

美容室の集客に効果的なオンライン広告の種類

広告には大きく分けて「オンライン広告」と「オフライン広告」があります。まずは、デジタル化が進む現代において重要性が高まっているオンライン広告について解説します。

リスティング広告(検索連動型広告)

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索結果ページに表示される広告のことです。「地域名+美容室」などのキーワードで検索したユーザーに対して、検索結果の上部に自分のサロンの情報を表示できます。

この広告の特徴は、すでに美容室を探しているユーザーに直接アプローチできることです。つまり、来店意欲の高いお客様に効率的にリーチできます。

リスティング広告はクリック課金型のため、広告が表示されるだけでは費用は発生しません。ユーザーがクリックした時点で費用が発生する仕組みです。キーワードによって1クリックあたりの費用は異なりますが、美容室関連のキーワードであれば数百円から始めることができます。

ただし、人気のあるキーワードは競合も多く、費用が高くなる傾向があります。少額からテストを始めて、効果を見ながら調整していくことをおすすめします。

SNS広告(Instagram・Facebook広告)

InstagramやFacebookなどのSNSにも広告を出稿することができます。これらの広告は、年齢、性別、地域、興味関心などで細かくターゲットを設定できることが特徴です。

例えば、「30代女性、〇〇市在住、美容に興味がある」といった具体的な条件を設定して広告を配信できます。これにより、自分のサロンのターゲット層に効率的にアプローチすることが可能になります。

SNS広告は少額から始められることもメリットです。

月3万円程度の予算でも、日予算約1,000円で運用をスタートできます。まずは小さく始めて、効果を見ながら予算を調整していくとよいでしょう。

美容室の場合、新規顧客1人あたりの獲得単価は数千円から1万円程度が一般的な目安です。この数字を参考に、広告費の予算を検討してみてください。

美容ポータルサイトへの掲載

ホットペッパービューティーや楽天ビューティーなどの美容ポータルサイトは、美容室を探しているお客様が多く訪れる場所です。特に新規顧客の獲得に効果を発揮します。

ポータルサイトに掲載する際は、ただ登録するだけでなく、写真やメニュー内容、スタッフ紹介などを充実させることが大切です。

同じエリアには多くのサロンが掲載されているため、自分のサロンの魅力が伝わるような内容にしましょう。

また、クーポンを活用して新規のお客様が来店しやすい仕組みを作ることも効果的です。

ただし、価格だけで競争すると客単価が下がってしまうため、自分のサロンの価値が伝わる内容にすることを意識してください。

自社ホームページとブログの活用

広告を見た後の着地点として、ホームページを使うことが多いです。

自社のホームページは、お客様に安心感を与える重要なツールです。ポータルサイトやSNSで興味を持ったお客様の多くは、予約前にサロンのホームページを確認する傾向があります。

ホームページには、サロンのコンセプトやこだわり、スタッフ紹介、メニューと料金、アクセス情報などを掲載しましょう。写真を多く使い、サロンの雰囲気が伝わるようにすることがポイントです。

ブログを活用してヘアケア情報やスタイリングのコツなどを発信することで、検索エンジンからの流入も期待できます。お客様にとって役立つ情報を継続的に発信することで、サロンの専門性や信頼性を伝えることができます。

美容室の集客に効果的なオフライン広告の種類

デジタル化が進む中でも、オフライン広告は依然として効果的な集客手段です。特に地域密着型の美容室にとっては、地元のお客様に直接アプローチできる重要なツールとなります。

チラシのポスティング

チラシのポスティングは、美容室の集客において昔から使われている方法ですが、今でも効果を発揮します。特に、サロンの近隣エリアにお住まいの方にアプローチできることが大きなメリットです。

ポスティングの反応率は、一般的に0.1%から0.3%と言われています。つまり、1,000枚配布して1人から3人の来店が見込める計算です。

ただし2025年以降、チラシの効果はさらに下がっている場合もあります。

とはいえもちろん、繰り返し配布することで認知度が高まり、反応率も上がっていく傾向があります。

チラシを作成する際のポイントは、パッと見て興味を引くデザインにすることです。美容室の雰囲気が伝わる写真を使い、サロンの強みや特徴が一目でわかるようにしましょう。また、初回限定のクーポンを付けることで、来店のハードルを下げることができます。

配布エリアの選定も重要です。ターゲットとするお客様が多く住んでいるエリアを中心に配布することで、効率的に集客につなげることができます。例えば、ファミリー層をターゲットにするなら住宅街、若い女性をターゲットにするならマンションが多いエリアなど、戦略的に配布エリアを決めましょう。

新聞折込チラシ

新聞折込チラシは、新聞を購読している世帯に届けることができる広告です。

新聞購読者は比較的年齢層が高い傾向があるため、ミドル層やシニア層をターゲットにしている美容室に適しています。

新聞折込のメリットは、信頼性の高い媒体に折り込まれることで、広告自体の信頼性も高まることです。また、特定のエリアを指定して配布できるため、商圏内のお客様に効率的にアプローチできます。

地域のフリーペーパーへの掲載

地域のフリーペーパーは、無料で配布される情報誌のため、新聞を購読していない方にも届きやすいというメリットがあります。

スーパーマーケットや駅、飲食店などに設置されていることが多く、幅広い層の目に触れる機会があります。

フリーペーパーに掲載する際は、その媒体の読者層を確認することが大切です。自分のサロンのターゲット層と一致している媒体を選ぶことで、より効果的な集客が期待できます。

看板・店舗外装の活用

美容室でオフライン広告を効果的に使う方法について解説している記事

意外と見落としがちですが、店舗の看板や外装も重要な広告ツールです。通りすがりの人に「こんなところに美容室があるんだ」と気づいてもらえることで、来店のきっかけになることがあります。

看板は、遠くからでも目立つデザインにすること、何のお店かがすぐにわかることがポイントです。また、入りやすい雰囲気を演出することで、初めてのお客様も安心して来店しやすくなります。

美容室の広告費用の目安と予算の考え方

「広告にどれくらいお金をかければいいのかわからない」という声をよく聞きます。ここでは、美容室の広告費用の目安と、予算の考え方について解説します。

一般的な広告費の目安

美容室の広告費は、一般的に売上の5%から15%程度が目安とされています。

例えば、月の売上が100万円であれば、5万円から15万円を広告費に充てるという計算になります。

ただし、この割合はあくまで目安であり、サロンの状況によって適切な金額は異なります。開業したばかりのサロンは認知度を高めるために広告費を多めにかける必要がありますし、すでに安定した顧客がいるサロンは広告費を抑えられる場合もあります。

費用対効果の考え方

広告費を考える際に大切なのは、「いくらかけたか」ではなく「いくらかけて、いくら回収できたか」という視点です。

例えば、1万円の広告費で新規のお客様が2人来店し、それぞれ客単価8,000円だった場合、初回の売上は16,000円です。

一見すると6,000円の利益しかないように見えますが、そのお客様がリピートしてくだされば、長期的には大きな価値になります。

このように、広告費を考える際は、1人のお客様が長期的にどれくらいの売上をもたらしてくれるか(LTV=顧客生涯価値)を意識することが大切です。

LTVを把握した上で、1人あたりの獲得コストがどれくらいまでなら許容できるかを計算しましょう。

無料から始められる広告もある

広告にお金をかけられない場合でも、無料で始められる集客方法はあります。InstagramやX(旧Twitter)などのSNS運用、Googleビジネスプロフィールの登録と運用は、基本的に無料で行うことができます。

まずは無料の方法から始めて、効果を実感してから有料の広告に挑戦するという段階的なアプローチもおすすめです。

美容室の広告効果を高める5つのポイント

せっかく広告を出すなら、できるだけ効果を高めたいですよね。ここでは、美容室の広告効果を高めるための5つのポイントをご紹介します。

1. 自分のサロンの強みを明確にする

「なんでもできます」という打ち出し方では、お客様の心に響きません。自分のサロンならではの強みや特徴を明確にして、それを広告で伝えることが大切です。

例えば、「髪質改善に特化している」「ショートカットが得意」「子育て中のママに優しいサロン」など、具体的な強みを打ち出すことで、それを求めているお客様に選ばれやすくなります。

2. ターゲットを明確にする

すべての人に来てほしいという気持ちはわかりますが、広告においてターゲットを絞ることはとても重要です。

「30代の働く女性」「白髪が気になり始めた40代」「おしゃれを楽しみたい50代」など、具体的なターゲット像を設定しましょう。

ターゲットが明確になると、どんなメッセージを伝えればよいか、どの媒体で広告を出せばよいかも見えてきます。

3. 複数の媒体を組み合わせる

一つの広告媒体だけに頼るのではなく、複数の媒体を組み合わせることで、より効果的な集客が可能になります。

例えば、Googleビジネスプロフィール、ホットペッパービューティー、Instagram、自社ホームページなど、お客様が情報を探す可能性のある場所に一貫した情報を発信することが大切です。

ここで重要なのは、すべての媒体で同じメッセージを伝えることです。ある媒体では「髪質改善専門」と言っているのに、別の媒体では「カラーが得意」と言っていると、お客様は混乱してしまいます。一貫性のあるブランディングを心がけましょう。

4. 効果測定を行い改善を続ける

広告を出したら、必ず効果を測定しましょう。「何件の問い合わせがあったか」「何人の新規来店につながったか」「広告費に対してどれくらいの売上があったか」などを把握することで、次の広告に活かすことができます。

最初から完璧な広告はありません。効果を測定し、うまくいかなかった部分を改善しながら、徐々に効果を高めていくことが大切です。

5. 新規集客だけでなくリピート施策も考える

広告で新規のお客様を獲得しても、リピートしていただけなければ広告費を回収できません。広告と合わせて、来店いただいたお客様にリピートしていただくための施策も考えましょう。

次回予約の仕組みづくり、LINE公式アカウントでのフォローアップ、ポイントカードやメンバーズ制度の導入など、リピートを促す施策を組み合わせることで、広告効果を最大化できます。

美容室の広告を出す際の注意点

広告を出す際には、いくつか注意すべき点があります。効果的な広告活動のために、以下のポイントを押さえておきましょう。

景品表示法に注意する

広告表現には法律上の規制があります。特に、実際よりも優れた効果があるように誤解させる「優良誤認表示」や、実際よりも有利な条件であるように誤解させる「有利誤認表示」は、景品表示法で禁止されています。

例えば、「〇〇地域No.1」と謳う場合は、その根拠となるデータが必要です。また、「50%OFF」などの割引表示をする場合は、通常価格との比較が適切かどうか確認しましょう。

写真の使用許可を得る

お客様のビフォーアフター写真などを広告に使用する場合は、必ず本人の許可を得てください。許可なく使用すると、プライバシーの侵害やパブリシティ権の侵害にあたる可能性があります。

許可を得る際は、書面でいただくことをおすすめします。どの媒体で、どのような目的で使用するかを明確に伝え、同意を得ましょう。

誇大広告は避ける

集客したいあまり、実際以上に良く見せようとする表現は避けましょう。「絶対に」「必ず」「100%」などの断定的な表現や、実現できない効果を約束する表現は、お客様の信頼を損なうだけでなく、法律に抵触する可能性もあります。

正直で誠実な広告表現を心がけることが、長期的な信頼につながります。

広告と併用したい集客施策

広告だけに頼るのではなく、他の集客施策と組み合わせることで、より効果的な集客が可能になります。ここでは、広告と併用したい施策をいくつかご紹介します。

SNSの活用(Instagram・TikTok)

SNSは広告としてだけでなく、日常的な情報発信のツールとしても活用できます。特にInstagramは、ビジュアルを重視する美容室との相性が抜群です。

投稿頻度については、2025年の調査では週3〜5回の投稿が最も効果的とされています。毎日投稿する必要はありませんが、継続的に発信することが大切です。

投稿内容としては、ビフォーアフターの写真、スタイリングの様子、サロンの雰囲気がわかる写真などが効果的です。お客様が「このサロンに行ってみたい」と思えるような投稿を心がけましょう。

リール動画も活用すると良いでしょう。現在のInstagramでは、リール動画の優先度が高くなっており、まだフォローしていないユーザーにも届きやすくなっています。

口コミ・紹介制度の活用

広告で新規のお客様を獲得することも大切ですが、既存のお客様からの紹介も強力な集客方法です。満足していただいたお客様は、友人や家族に紹介してくださることがあります。

紹介制度を設けて、紹介してくださった方と紹介されて来店した方の両方に特典を用意することで、紹介を促進することができます。

また、Googleビジネスプロフィールやポータルサイトでの口コミも、新規のお客様が参考にする重要な情報です。良い口コミを書いていただけるよう、日々のサービスを充実させることが大切です。

LINE公式アカウントの活用

LINE公式アカウントは、お客様との継続的なコミュニケーションに役立つツールです。新メニューのお知らせや季節のキャンペーン情報、予約の空き状況などを配信することで、再来店を促すことができます。

クーポンを配信したり、予約の受付をLINE経由で行ったりすることも可能です。お客様にとっても便利なツールなので、来店時に登録をお願いしてみましょう。

広告を始める前に整えておきたいこと

広告を出す前に、いくつか準備しておくべきことがあります。準備が整っていないまま広告を出しても、効果を最大化することができません。

受け皿となるWebページを整える

美容室で広告を活用した集客方法のコツに関する記事でWebサイトのLPを整えていくべきという内容

広告を見て興味を持ったお客様は、サロンのホームページやポータルサイトのページを確認することが多いです。そのため、広告を出す前に、これらのページを整えておくことが大切です。

サロンの魅力が伝わる写真、わかりやすいメニューと料金、アクセス情報、予約方法などが明確に記載されているかを確認しましょう。

予約の受付体制を整える

広告を出すと問い合わせや予約が増える可能性があります。その際に、スムーズに対応できる体制を整えておくことが大切です。

電話対応ができない時間帯がある場合は、Web予約システムを導入することで、お客様の利便性を高めることができます。24時間予約を受け付けられることは、お客様にとって大きなメリットになります。

新規のお客様を迎える準備をする

新規のお客様は、初めてのサロンに対して不安を感じていることが多いです。安心して来店いただけるよう、初回のカウンセリングを丁寧に行う、サロンの雰囲気を良くするなど、お迎えの準備を整えましょう。

せっかく広告で来店いただいても、サービスに満足いただけなければリピートにはつながりません。新規のお客様にもリピーターになっていただけるよう、サービス品質を高めておくことが大切です。

まとめ:美容室の広告を活用した集客を成功させるために

ここまで、美容室で広告を活用した集客方法について詳しく解説してきました。最後に、ポイントを整理しておきます。

美容室の競争が激化する中で、広告を活用した集客は欠かせない戦略になっています。ただし、やみくもに広告を出しても効果は限定的です。

まずは、自分のサロンの強みを明確にし、ターゲットとなるお客様像を具体的にイメージすることから始めましょう。その上で、ターゲットに合った広告媒体を選び、一貫したメッセージを発信することが大切です。

オンライン広告ではGoogleビジネスプロフィールを活用したMEO対策、美容ポータルサイトへの掲載、SNS広告などが効果的です。オフライン広告ではチラシのポスティングや新聞折込、フリーペーパーへの掲載などがあります。

広告費は売上の5%から15%程度を目安に、費用対効果を意識しながら調整していきましょう。無料で始められるGoogleビジネスプロフィールやSNS運用から始めて、徐々に有料広告に挑戦するというアプローチもおすすめです。

そして、広告で新規のお客様を獲得するだけでなく、リピートしていただくための施策も忘れずに。新規獲得とリピート施策の両輪が回ることで、サロン経営は安定していきます。

今回ご紹介した内容を参考に、まずはできることから始めてみてください。小さく始めて、効果を見ながら改善を続けることが、成功への近道です。あなたのサロンに合った広告活用の方法を見つけて、集客力を高めていきましょう。

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