美容室集客にSNSを活用する5ステップ | おすすめSNSと運用手順
「SNSを始めたけれど、思うように集客につながらない」「どのSNSを使えばいいかわからない」とお悩みではありませんか？
美容室やエステサロン、整体院などを経営していると、集客の悩みは尽きないものです。特に近年は、美容室の数がコンビニの約5倍にあたる約27万店舗（令和4年度厚生労働省「衛生行政報告例」）にまで増加しており、競争がますます激しくなっています。
そんな中、多くのサロンオーナーが注目しているのが「SNS集客」です。Instagramの国内月間アクティブユーザー数は約6,600万人以上と言われており、若い世代を中心に「美容室選びはSNSで」という流れが定着しつつあります。
この記事では、美容室のSNS集客を成功させるための5つのステップを中心に、おすすめのSNS、具体的な投稿アイデア、よくある失敗例と対策まで、初心者の方でもすぐに実践できる内容をお伝えしていきます。
SNSをうまく活用できれば、広告費を抑えながら新規のお客様を増やし、リピーターとの関係を深めることができます。ぜひ最後までお読みいただき、今日からできることを一つずつ始めてみてくださいね。
なぜ今、美容室の集客方法としてSNSが注目されているのか
まずは、なぜ美容室の集客方法としてSNSが効果的なのか、その理由を見ていきましょう。SNSを活用するメリットを理解することで、運用へのモチベーションも高まるはずです。
約27万店舗が競う美容室業界の現状
先ほどもお伝えしましたが、日本全国の美容室の数は約27万店舗にのぼります。これはコンビニエンスストア（約5万5,000店舗）の約5倍という驚くべき数字です。
さらに、2024年上半期だけでも約3,800件以上の美容室が新たに開業しており、競争は年々激しくなっています。特に東京都、大阪府、愛知県などの都市部では新規オープンが集中しており、お客様の奪い合いが続いている状況です。
このような競争の激しい環境で生き残るためには、「効率よく集客する」ことが欠かせません。従来のクーポンサイトだけに頼った集客では広告費がかさむ一方、なかなか差別化が難しいのが現実です。
広告費ゼロから始められるSNSの魅力
SNSの最大の魅力は、初期投資がほぼゼロで始められることです。アカウントの開設は無料ですし、スマートフォンさえあれば今日からでも投稿を始めることができます。
また、SNSには高い拡散力があります。お客様があなたのサロンの投稿を「いいね」したりシェアしたりすると、そのお客様のフォロワーにも情報が届きます。口コミや紹介と同じ効果を、オンライン上で生み出すことができるのです。
ある美容室では、スタッフが出演する動画コンテンツを投稿したところ、短期間で20万インプレッション（表示回数）を獲得し、地元での認知度が大きく向上したという事例もあります。
SNS検索が主流に！美容室探しの新常識
かつて美容室を探す際は、雑誌や口コミ、知人の紹介が主流でした。しかし今では、多くの人がSNSで美容室を探すようになっています。
特に若い世代を中心に、「Googleで検索する」から「ハッシュタグで検索する」へと情報収集の方法が変化しています。日本のInstagramユーザーがハッシュタグ検索をする回数は、グローバル平均の約5倍とも言われており、積極的に情報を探す傾向があります。
また、SNSでは写真や動画を通じて、サロンの雰囲気やスタイリストの技術、仕上がりのイメージを視覚的に伝えることができます。お客様は来店前にサロンの様子を知ることで安心感を得られるため、予約につながりやすくなるのです。
美容室の集客ができない・うまくいかないときに見直すべき課題
「SNSを始めてみたけれど、なかなか成果が出ない」という方も多いかもしれません。ここでは、美容室のSNS集客でよくある課題を整理してみましょう。課題を把握することで、改善のヒントが見つかるはずです。
誰に届けたいのか？ターゲット設定の曖昧さ
「誰に向けて発信しているのか」が明確でないと、投稿の内容がバラバラになりがちです。20代女性向けのトレンドスタイルと50代女性向けのグレイカラーでは、求められる情報がまったく異なります。
ターゲットが曖昧なままだと、結局どの層にも響かない中途半端な発信になってしまいます。まずは「どんなお客様に来てほしいのか」を具体的にイメージすることが大切です。
世界観の欠如がブランディングを妨げる
写真のトーンがバラバラ、文章のテイストも統一されていない、というアカウントは、フォロワーが増えにくい傾向があります。お客様があなたのアカウントを訪れたとき、「このサロンはどんな雰囲気なのか」がひと目で伝わるかどうかが重要です。
成功しているアカウントは、写真の色味や構図、投稿の文章スタイルに一貫性があります。サロンのコンセプトを反映した「世界観」を作ることで、ファンが付きやすくなります。
売り込み感が強すぎてフォロワーが離れる
「今月のキャンペーン」「新メニュー登場」など、宣伝色の強い投稿ばかりになっていませんか？お客様は広告を見たいわけではありません。
SNSでは、お客様が「見たい」と思える情報を発信することが大切です。ヘアケアの豆知識、スタイリングのコツ、季節に合わせたヘアアレンジなど、お客様にとって役立つ情報を織り交ぜましょう。宣伝と有益な情報のバランスを意識することで、フォロワーとの信頼関係を築くことができます。
美容室のSNS集客に使える！おすすめツール・サイト・アプリ4選
SNSにはさまざまな種類がありますが、美容室の集客に特に効果的なのはどれでしょうか。ここでは、おすすめの集客ツールを4つご紹介します。それぞれの特徴を理解して、自店に合ったものを選んでみてくださいね。
Instagram（インスタ）で美容室集客を成功させるポイント
美容室のSNS集客で、まず押さえておきたいのがInstagram（インスタグラム）です。写真や動画がメインのSNSなので、ヘアスタイルの仕上がりやサロンの雰囲気を視覚的にアピールできます。
Instagramの国内月間アクティブユーザー数は約6,600万人以上とも言われており、特に20代〜40代の女性に多く利用されています。美容室のターゲット層とも重なるため、相性が非常に良いSNSです。
Instagramの主な活用方法
- フィード投稿：ヘアスタイルのビフォーアフターやスタッフ紹介
- ストーリーズ：日常の様子や限定クーポンの配信
- リール：短い動画でヘアアレンジやスタイリング方法を紹介
- ハイライト：メニューや料金、アクセス情報をまとめる
リール（短尺動画）は特に注目されており、平均エンゲージメント率が1.48％と、他の投稿タイプより高い傾向にあります。動画コンテンツを積極的に活用することで、より多くの人にリーチできる可能性があります。
TikTokで10代・20代の新規顧客を開拓する
TikTokは、15秒〜3分程度の短い動画を投稿・視聴するSNSです。10代〜20代の若年層を中心に人気があり、新しい客層を開拓したい場合に効果的です。
TikTokの特徴は、フォロワー数が少なくても動画が拡散される可能性があることです。アルゴリズムが「おすすめ」に動画を表示してくれるため、アカウントを始めたばかりでも多くの人に見てもらえるチャンスがあります。
TikTokで人気のコンテンツ
- ヘアアレンジのハウツー動画
- 施術のビフォーアフター（タイムラプス）
- 美容室の日常や裏側を見せるコンテンツ
- トレンド音楽を使ったスタイル紹介
LINE公式アカウントでリピート予約を増やす仕組みづくり
LINE公式アカウントは、日本国内で約9,700万人が利用するLINE上で、お客様と直接つながることができるツールです。新規集客よりも、一度来店したお客様との関係を深め、リピート率を高めるのに効果を発揮します。
InstagramやTikTokは「広く知ってもらう」ためのツール、LINE公式アカウントは「一度つながったお客様と関係を続ける」ためのツール、と使い分けるのがおすすめです。
LINE公式アカウントの活用方法
- 来店後のお礼メッセージ送信
- 次回予約のリマインダー配信
- 限定クーポンの配布
- 新メニューや空き状況のお知らせ
- ショップカード機能でポイント管理
LINE公式アカウントは、他のSNSと比べて「競合と比較されにくい」というメリットもあります。お客様のLINEに直接メッセージが届くため、タイムライン上で他のサロンと並んで表示されることがありません。
X（旧Twitter）で情報拡散とキャンペーン告知を行う
X（旧Twitter）は、短いテキストを中心としたSNSです。日本国内のデイリーアクティブユーザーは約4,000万人（2025年5月発表）と、非常に多くの人に利用されています。
Xの特徴は、リポスト（リツイート）機能による拡散力の高さです。話題になると一気に多くの人に情報が届くため、キャンペーンの告知や、サロンからのお知らせを広めたいときに効果的です。
ただし、美容室との相性という点では、写真や動画がメインのInstagramやTikTokの方が適している場合もあります。自店のターゲット層がXをよく使っているかどうかを見極めて活用しましょう。
美容室のSNS集客を成功させる5ステップ【運用手順を徹底解説】
ここからは、美容室のSNS集客を成功させるための具体的な手順を5つのステップでご紹介します。この流れに沿って進めていけば、初心者の方でも効果的なSNS運用を始めることができますよ。
ステップ1：ゴール設定とペルソナ（理想の顧客像）を決める
SNS運用を始める前に、まず「何のために運用するのか」「誰に届けたいのか」を明確にしましょう。
運用目的の例
- 新規顧客を増やしたい
- 既存客のリピート率を上げたい
- サロンの認知度を高めたい
- 特定のメニュー（カラー専門、髪質改善など）をアピールしたい
ターゲット設定のポイント
- 年齢層（20代？30代？40代以上？）
- 性別
- ライフスタイル（働く女性、子育て中のママ、学生など）
- 髪の悩み（くせ毛、白髪、ダメージなど）
- 求めているスタイル（トレンド重視、ナチュラル、上品など）
「30代の働く女性で、髪のダメージに悩んでいて、上品で清潔感のあるスタイルを求めている人」のように、できるだけ具体的にイメージすることで、発信内容が明確になります。
ステップ2：サロンの強みを活かしたコンセプト設計
ターゲットが決まったら、次はアカウントのコンセプト（方向性）を決めましょう。お店の強みを活かしながら、競合と差別化できるコンセプトを考えます。
コンセプトの例
- 「大人女性のための髪質改善専門サロン」
- 「トレンドを取り入れたおしゃれカラーが得意な美容室」
- 「忙しいママでも通いやすい、時短スタイル提案」
- 「メンズ専門の本格バーバースタイル」
コンセプトが決まったら、プロフィール文にもしっかり反映させましょう。お客様がアカウントを訪れたときに、「どんなサロンなのか」「どんな人向けなのか」がひと目でわかることが大切です。
ステップ3：無理なく続けられる投稿スケジュールを組む
継続的に投稿を続けるためには、あらかじめ計画を立てておくことが大切です。「思いついたときに投稿する」だけでは、なかなか続きません。
投稿計画のポイント
- 投稿頻度を決める（毎日1回、週3回など）
- 曜日ごとの投稿テーマを決める（月曜はスタイル紹介、水曜はヘアケア豆知識など）
- 写真や動画のストックを作っておく
- 担当者を決める（複数人で運用する場合はルールを共有）
特に重要なのは「投稿時間」です。お客様がSNSを見やすい時間帯に投稿することで、多くの人に見てもらえる可能性が高まります。一般的には、お昼休みの12時前後や、夜のリラックスタイムである20時〜22時頃が見られやすいと言われています。
ステップ4：毎日コツコツ投稿を積み重ねる
SNS集客で最も大切なのは「継続すること」です。一度や二度の投稿で劇的に集客が増えることは稀で、地道にコツコツと続けることで徐々に成果が表れてきます。
継続するためのコツ
- 最初から完璧を目指さない（60点でもまず投稿する）
- 投稿のテンプレートを作っておく
- 施術のたびに写真を撮る習慣をつける
- 1週間分の投稿をまとめて作成しておく
- 他のサロンの良い投稿を参考にする
更新頻度が低下すると、SNSのアルゴリズム上も不利になり、投稿が表示されにくくなる傾向があります。無理のない範囲で、できるだけ定期的な投稿を心がけましょう。
ステップ5：数値を見ながらPDCAで改善を続ける
投稿を続けるだけでなく、その結果を分析して改善していくことが大切です。「どの投稿が人気だったか」「どの時間帯に反応が良いか」などを確認し、次の投稿に活かしましょう。
チェックすべき指標
- インプレッション数（投稿が表示された回数）
- エンゲージメント率（いいね、コメント、保存などの反応率）
- フォロワーの増減
- プロフィールへのアクセス数
- 予約や問い合わせにつながった数
Instagramなどでは、ビジネスアカウント（プロアカウント）に設定することで、無料で詳細な分析データを見ることができます。まだ設定していない方は、ぜひ切り替えてみてくださいね。
今日から使える！美容室SNS集客のアイデア8選
「何を投稿すればいいかわからない」という方のために、美容室の集客に効果的な投稿アイデアを8つご紹介します。これらを参考に、バリエーション豊かな投稿を心がけましょう。
アイデア1：予約につながるプロフィール最適化
投稿を始める前に、まずプロフィールをしっかり整えましょう。プロフィールは、アカウントの「顔」とも言える大切な部分です。
プロフィールに入れたい情報
- サロン名と簡潔なコンセプト
- 所在地（最寄り駅からのアクセス）
- 営業時間・定休日
- 予約方法（予約サイトのリンクなど）
- サロンの強みや特徴
プロフィール写真は、サロンのロゴか、清潔感のある店内・スタッフの写真を設定しましょう。ハイライト機能を使って、メニュー、料金、アクセス、お客様の声などをまとめておくと、興味を持った人が情報を探しやすくなります。
アイデア2：ビフォーアフターで施術力をアピール
施術前と施術後の写真を並べた「ビフォーアフター」は、美容室のSNS投稿で最も効果的なコンテンツの一つです。お客様にとって、自分が施術を受けたときのイメージがわきやすくなります。
ビフォーアフター投稿のポイント
- 同じ角度・同じ明るさで撮影する
- お客様の髪の悩みと、それをどう解決したかを説明する
- 使用した施術内容や所要時間を記載する
- お客様の許可を必ず得る
アイデア3：自宅で再現できるスタイリング術の動画
美容室に行った直後はきれいにスタイリングされていても、翌日からはお客様自身でセットする必要があります。自宅でも再現できるヘアアレンジやスタイリング方法を紹介することで、お客様にとって役立つ情報を提供できます。
動画形式で手順を見せると、よりわかりやすく、保存（ブックマーク）されやすい傾向があります。季節やイベントに合わせたアレンジ（浴衣に似合うまとめ髪、パーティー向けスタイルなど）も人気です。
アイデア4：美容師直伝！髪のお手入れノウハウ
髪のダメージケア、正しいシャンプーの仕方、ドライヤーの使い方など、プロならではのヘアケア知識を発信しましょう。お客様の日常に役立つ情報は、「見てよかった」と思ってもらいやすく、フォローにつながりやすいです。
ヘアケア投稿の例
- 「美容師が教える、髪が傷まないドライヤーのかけ方」
- 「梅雨のくせ毛対策3つのポイント」
- 「カラーの色持ちを良くするホームケアのコツ」
アイデア5：来店前の不安を解消する店内紹介
初めて来店されるお客様にとって、「どんな雰囲気のお店なのか」は気になるポイントです。店内のインテリア、使っている道具やシャンプー台、施術中の様子などを投稿して、サロンの空気感を伝えましょう。
「こんなサロンで施術を受けてみたい」と思ってもらえるような、魅力的な写真を心がけてくださいね。
アイデア6：スタッフの人柄が伝わる自己紹介コンテンツ
美容室を選ぶとき、お客様は「誰に施術してもらうか」を重視する傾向があります。スタイリスト一人ひとりの紹介投稿を作ることで、お客様に親近感を持ってもらいやすくなります。
スタッフ紹介で伝えたいこと
- 得意なスタイルや施術
- 美容師としてのキャリア
- 趣味やプライベートの一面（適度に）
- お客様への思いや大切にしていること
スタッフ自身がカメラに向かって話す動画も、人柄が伝わりやすく効果的です。
アイデア7：期間限定キャンペーンで予約を後押し
期間限定のキャンペーンや、SNSフォロワー限定のクーポンを発信することで、予約のきっかけを作ることができます。ただし、宣伝ばかりにならないよう、バランスに気をつけましょう。
キャンペーン投稿のコツ
- 期間を明確にして「今すぐ」行動したくなる理由を作る
- 「残り◯名様」など限定感を出す
- ストーリーズで短期間のお知らせを配信する
- 予約方法をわかりやすく案内する
アイデア8：地域名＋施術名のハッシュタグ戦略
Instagramでは、ハッシュタグを使って投稿を検索するユーザーが非常に多いです。適切なハッシュタグを付けることで、あなたのサロンを探している潜在顧客に見つけてもらえる可能性が高まります。
ハッシュタグの選び方
- 大きなワード（#美容室）＋中規模ワード（#渋谷美容室）＋小規模ワード（#渋谷カラー専門）を組み合わせる
- 投稿数が多すぎるハッシュタグだけでは埋もれてしまうので、適度な規模のものも入れる
- 地域名を入れたハッシュタグを必ず付ける
- ターゲットが検索しそうなワードを想像して選ぶ
美容室でよく使われるハッシュタグの例
- スタイル系：#ショートボブ #ハイトーンカラー #髪質改善
- 地域系：#東京美容室 #新宿美容院 #渋谷ヘアサロン
- 悩み系：#くせ毛改善 #白髪染め #ダメージケア
これだけは避けたい！SNS集客の失敗パターンと改善策
SNS集客は効果的な反面、やり方を間違えると逆効果になることもあります。ここでは、よくある失敗例と、その対策をご紹介します。
深夜・早朝投稿で見てもらえない
「忙しい営業中には投稿できないから、夜中や早朝に投稿している」という方は要注意です。お客様がSNSを見ていない時間帯に投稿すると、せっかくの投稿が埋もれてしまいます。
また、興味を持ったお客様が「今すぐ予約したい」と思っても、営業時間外では対応できません。できるだけお客様がアクティブな時間帯に投稿するようにしましょう。
対策
- 予約投稿機能を使って、最適な時間帯に公開されるよう設定する
- お昼休み（12時前後）や夜（20時〜22時頃）を狙う
- 自店のフォロワーがアクティブな時間帯を分析ツールで確認する
月1〜2回の更新ではアルゴリズムに負ける
月に1〜2回しか投稿しないアカウントでは、フォロワーが増えにくく、既存のフォロワーにも忘れられてしまいます。SNSのアルゴリズム上も、更新頻度が低いアカウントは表示されにくくなる傾向があります。
対策
- 最低でも週2〜3回は投稿する（できれば毎日）
- フィード投稿が難しいときは、ストーリーズだけでも更新する
- 撮りためた写真をストックしておき、投稿のネタ切れを防ぐ
情報が古いままのプロフィールで機会損失
せっかく良い投稿をしても、プロフィールを見たときに情報が不十分だと、予約につながりません。営業時間が変わっているのに更新されていない、予約方法がわからない、といった状態では機会損失になってしまいます。
対策
- 定期的にプロフィールを見直す（月に1回程度）
- 営業時間、定休日、住所、予約方法を明記する
- 予約サイトやLINE公式アカウントへのリンクを設定する
- 最新のキャンペーン情報があればプロフィールにも反映する
開業・地方・平日など状況別のSNS活用テクニック
サロンの状況やエリアによって、SNS集客で意識すべきポイントは異なります。ここでは、よくあるシーン別の活用法をご紹介します。
美容室の開業時・新規オープン・新店舗出店時のSNS戦略
開業前からSNSアカウントを開設し、オープンまでのカウントダウンを発信することで、期待感を高められます。内装工事の様子やスタッフの準備風景など、「舞台裏」を見せることで、オープン前からファンを作ることができます。
新規オープン時のポイント
- 開業の1〜2ヶ月前からアカウントを開設して発信を始める
- オープン記念キャンペーンをSNSで告知する
- 地域のハッシュタグを積極的に使って認知を広げる
- Googleビジネスプロフィールも同時に設定する
地方の美容室が地域密着型SNSで勝つ方法
地方では、都市部に比べて競合が少ない反面、人口も限られています。だからこそ、地域に密着した発信が重要です。
地方美容室のポイント
- 地域名を入れたハッシュタグを必ず使う
- 地元のイベントや季節の話題を取り入れる
- お客様との距離が近いことを強みにする
- SNS経由で予約を受け付ける仕組みを整える
地方では「知り合いの紹介」で美容室を選ぶ人も多いため、SNS上でも「人柄が伝わる」発信を心がけましょう。
平日の空席を埋めるSNS限定施策
「土日は予約がいっぱいなのに、平日は空いている」というサロンも多いのではないでしょうか。SNSを活用して、平日の集客を強化する方法があります。
平日集客のアイデア
- 平日限定のお得なクーポンをSNSで配信する
- 主婦層や平日休みの方をターゲットにした投稿を増やす
- 「今日の空き状況」をストーリーズで発信する
- 平日のメリット（ゆったり施術、予約が取りやすいなど）をアピールする
個人サロン・一人美容室のSNS運用のコツ
個人経営や小規模サロンでは、大手のような広告費をかけられない分、SNSの活用が特に重要です。オーナースタイリストの個性や、マンツーマンで施術できる良さをアピールしましょう。
個人美容室のポイント
- 店舗アカウントよりも個人アカウントの方が親近感を持たれやすい
- こだわりやストーリーを発信してファンを作る
- 少人数だからこその丁寧な対応をアピールする
- お客様との関係性を大切にし、口コミ・紹介につなげる
ホットペッパー・ホームページなど他の集客サイトとの連携術
SNSは効果的な集客ツールですが、それだけに頼るのではなく、他の集客方法と組み合わせることで、さらに効果を高められます。
ホットペッパービューティーからの脱却とSNS活用
ホットペッパービューティーは、年間約5,500万件もの予約が行われる大規模な予約サイトです。多くのお客様が利用しているため、掲載することで一定の集客効果が期待できます。
ただし、ホットペッパーでは他のサロンと比較されやすく、価格競争に陥りやすいというデメリットもあります。そこで、SNSを「ホットペッパーへの入口」として活用し、サロンの魅力を十分に伝えた上でホットペッパーに誘導する、という流れを作るのが効果的です。
将来的には、SNSとLINE公式アカウントを組み合わせた自社予約の仕組みを構築することで、ホットペッパーへの依存度を下げることも可能です。
美容室ホームページとSNSの相乗効果を生む方法
サロン独自のホームページを持っている場合は、SNSと連携させましょう。SNSからホームページへ誘導することで、より詳しい情報を見てもらえますし、SEO（検索エンジン最適化）の観点でも効果があります。
連携のポイント
- SNSのプロフィールにホームページのリンクを設定する
- ホームページにSNSのフォローボタンを設置する
- ブログ記事をSNSでシェアする
Googleビジネスプロフィール（MEO対策）も忘れずに
「地域名 + 美容室」で検索したときに、Googleマップ上に表示されるのがGoogleビジネスプロフィールです。無料で登録でき、地域のお客様に見つけてもらいやすくなります。
SNSと併せてGoogleビジネスプロフィールも充実させることで、さまざまな経路からお客様に見つけてもらえるようになります。
集客できる看板・チラシとSNSの連動アイデア
「集客できる看板」を設置したり、チラシを配布したりといったオフラインの集客も、SNSと組み合わせることで効果が高まります。
連携アイデア
- 看板やチラシにSNSアカウントのQRコードを掲載する
- 「SNSフォローで◯◯サービス」など、フォローのきっかけを作る
- 来店されたお客様にSNSのフォローをお願いする
オンライン（SNS）とオフライン（看板・チラシ・店頭）の両方から集客の入口を作ることで、より多くのお客様に出会える可能性が広がります。
SNS集客をもっと深く学びたい方へ｜本・コンサル・代行サービスの選び方
ここまでSNS集客の基本をお伝えしてきましたが、「もっと本格的に学びたい」「プロに任せたい」という方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、SNS集客に関する本や、コンサルティング、運用代行サービスについてご紹介します。
美容室の集客に役立つ本で体系的に学ぶ
SNS集客について体系的に学びたい方には、書籍で学ぶ方法がおすすめです。美容室の集客に特化した本や、Instagram・TikTokの運用ノウハウをまとめた本が多数出版されています。
本で学ぶメリット
- 体系的に基礎から応用まで学べる
- 自分のペースで繰り返し読める
- コストを抑えて学習できる
書店やオンラインで「美容室 集客」「サロン SNSマーケティング」などで検索すると、参考になる本が見つかります。まずは1〜2冊読んでみて、基本的な考え方を身につけるとよいでしょう。
美容室向け集客コンサルを活用する選択肢
「自分だけでは限界がある」「専門家のアドバイスがほしい」という場合は、美容室向けの集客コンサルティングを検討してみるのも一つの方法です。
コンサルティングのメリット
- 自店の状況に合わせた具体的なアドバイスがもらえる
- 成功事例をもとにした戦略を立てられる
- 客観的な視点で課題を発見できる
コンサルタントを選ぶ際は、美容業界に精通しているか、実績があるかを確認することが大切です。無料相談を実施しているところも多いので、まずは話を聞いてみて、自店に合うかどうかを判断しましょう。
時間がない方向け！SNS集客の代行サービスとは
「SNS運用に時間を割けない」「投稿を作る余裕がない」という忙しいオーナーには、SNS運用代行サービスという選択肢もあります。
代行サービスの内容例
- 投稿の企画・作成・投稿
- 写真や動画の撮影・編集
- コメントやDMへの返信対応
- 分析レポートの作成
代行サービスを利用する場合は、サロンの雰囲気やコンセプトをしっかり伝えることが重要です。また、丸投げにするのではなく、定期的にコミュニケーションを取りながら進めることで、より効果的な運用ができます。
費用は月額数万円〜数十万円と幅がありますので、予算と期待する成果のバランスを考えて検討してみてください。
まとめ
美容室のSNS集客について、おすすめのSNSや成功のための5ステップ、具体的な投稿アイデアなどをご紹介してきました。最後に、大切なポイントをまとめておきます。
美容室のSNS集客 5つのステップ
- ゴール設定とペルソナ（理想の顧客像）を決める
- サロンの強みを活かしたコンセプト設計
- 無理なく続けられる投稿スケジュールを組む
- 毎日コツコツ投稿を積み重ねる
- 数値を見ながらPDCAで改善を続ける
SNS集客は、すぐに結果が出るものではありません。しかし、コツコツと継続することで、広告費を抑えながら新規のお客様を増やし、リピーターとの関係を深めることができます。
まずは今日から、できることを一つずつ始めてみてください。プロフィールを整える、毎日1枚写真を撮る、週に1回投稿する、といった小さな一歩から始めて大丈夫です。
SNSを味方につけて、あなたのサロンに合ったお客様との素敵な出会いをたくさん生み出していきましょう。
【出典・参考】
- 厚生労働省「令和4年度 衛生行政報告例」
- ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2024年上期」
- 総務省「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」
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