美容院で常連客が来なくなる理由と7つの対策方法|失客を防いでリピート率を上げるポイント

「長年通ってくれていた常連のお客様が、急に来なくなった…」
美容室を経営していると、このような経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
何も言わずにパッタリと来店しなくなるお客様。その理由がわからないままだと、同じことが繰り返されてしまいます。せっかく信頼関係を築いてきたのに、なぜお客様は離れてしまうのでしょうか。
美容室の経営において、常連客の存在は非常に重要です。新規のお客様を獲得するコストは、既存のお客様を維持するコストの約5倍かかると言われています。だからこそ、常連客が来なくなる理由を理解し、適切な対策を講じることが、安定した経営につながるのです。
この記事では、美容院で常連客が来なくなる理由を詳しく解説し、失客を防ぐための具体的な対策方法を7つご紹介します。今日からすぐに実践できる内容ばかりですので、ぜひ最後までお読みください。
美容室における常連客の重要性と失客の現状
美容室経営において、常連客がどれほど重要な存在なのかを最初に確認しておきましょう。常連客の価値を正しく理解することで、失客対策への意識も高まります。
常連客がもたらす経営上のメリット
常連客は、美容室の経営基盤を支える最も大切な存在です。
まず、安定した売上が見込めるという点が挙げられます。毎月決まったタイミングで来店してくれるお客様がいれば、月々の売上予測が立てやすくなり、計画的な経営が可能になります。
また、新規のお客様を獲得するためには、広告費やポータルサイトへの掲載費など、さまざまなコストがかかります。一方で、常連客に継続して通っていただくためのコストは、それほど大きくありません。これを「1:5の法則」と呼び、新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストの約5倍と言われています。
さらに、常連客は友人や家族にお店を紹介してくれる可能性が高いです。口コミによる紹介は、広告よりも信頼性が高く、紹介されたお客様もリピーターになりやすい傾向があります。つまり、常連客を大切にすることは、潜在的な集客にもつながるのです。
美容室の失客率の実態

美容室業界のデータによると、90日間での全国平均失客率は、新規客で約70%、既存客で約30%と言われています。既存客の30%という数字は、10人の常連客のうち3人が何らかの理由で来なくなってしまうということを意味しています。
この中には、引っ越しや転勤などの「自然失客」も含まれており、その割合は約10%程度です。つまり、残りの20%は対策次第で防げる失客ということになります。この20%をいかに減らすかが、美容室経営の安定につながる鍵となります。
2024年度の美容室業界の現状
厚生労働省の衛生行政報告例によると、2024年3月末時点での美容所数は27万4,070件となり、過去最多を更新しています。前年度と比べて4,181件増加しており、競争はますます激しくなっています。
一方で、帝国データバンクの調査によると、2024年度の美容室の倒産件数は過去最多のペースで推移しています。美容室の約3割が赤字経営という厳しい状況の中、常連客を維持することの重要性はこれまで以上に高まっていると言えるでしょう。
美容院で常連客が来なくなる7つの理由
では、なぜ常連客は来なくなってしまうのでしょうか。お客様が何も言わずに離れていく「サイレントクレーム」の原因を理解することが、対策の第一歩です。ここでは、主な理由を7つご紹介します。
理由1:接客態度の変化や対応の雑さ
何度も来店してくれるお客様に対して、つい気が緩んでしまうことはありませんか。「この人はもう常連だから大丈夫」という安心感から、接客が雑になったり、対応がおざなりになったりすることがあります。
実際に、あるアンケート調査では「常連だからって手を抜かれるようになった」という声が多く寄せられています。お客様は毎回お金を払って来店してくれている大切な存在です。常連だからこそ、より丁寧に接することが求められます。
会話のパターンがマンネリ化してしまったり、以前のように熱心にカウンセリングをしなくなったりすると、お客様は「大切にされていない」と感じてしまいます。
お客様との関係が近くなることは良いことですが、プロとしての対応を忘れてはいけません。
理由2:技術力の低下やスキルの停滞
常連客が離れる原因として、厚生労働省のデータでも上位に挙がっているのが「担当美容師の技術力低下」です。
具体的には、カットやパーマの失敗が増えた、シャンプーやスタイリングが雑になった、トレンドが追えていないといった点が挙げられます。
美容業界は流行の移り変わりが早く、常に新しい技術やスタイルが生まれています。数年前の技術だけで施術を続けていると、お客様の期待に応えられなくなってしまいます。
特に、SNSを通じて最新のヘアスタイル情報を得ているお客様にとっては、「このお店では希望のスタイルができない」と感じる原因になりかねません。
また、「この人のことはわかっている」という思い込みから、カウンセリングを省略してしまうケースも危険です。髪質は生活習慣やストレス、加齢、ホルモンバランスの変化などによって日々変化しています。以前は問題なかった施術が、突然合わなくなることもあるのです。
理由3:担当美容師の退職や異動
担当していた美容師がいなくなったことで、他の美容院へ行ってしまう常連客は少なくありません。長年担当してもらっていた美容師には、自分の髪質や好みを理解してもらえている安心感があります。
その美容師がいなくなると、また一から説明しなければならないと感じ、それならば新しいお店を探そうという気持ちになることがあります。
後任の美容師に引き継いだものの、施術の仕上がりや接客のスタイルが合わず、結局離れてしまうケースも見られます。担当者の交代が頻繁に起こるお店では、常連客が安心して通い続けることが難しくなります。
スタッフの定着率が低い場合は、労働環境に問題がある可能性もあります。働きやすい環境を整えることが、結果的に常連客の維持につながるのです。
理由4:マンネリ化や飽きの感情
常連客が離れる理由として意外と多いのが「飽きた」という感情です。同じお店に何年も通っていると、雰囲気や施術内容に新鮮味がなくなり、「たまには違うお店に行ってみようかな」という気持ちが芽生えることがあります。
特に、毎回同じような提案しかされない場合、お客様は「このお店ではこれ以上の発展がない」と感じてしまいます。季節に合わせた新メニューの提案や、お客様のライフスタイルの変化に合わせたスタイル提案がないと、通い続けるモチベーションが維持しにくくなります。
あるアンケート調査では、「美容院を変えたくなる瞬間」として最も多かった回答が「他に気になる美容院を見つけた」というものでした。
つまり、現状に不満がなくても、より魅力的に見えるお店があれば移ってしまう可能性があるということです。
理由5:価格の値上げや料金への不満
2024年の美容センサスの調査によると、美容室の1回あたり利用金額が増加した理由として最も多かったのが「メニュー料金の値上げ」でした。人件費や材料費の高騰により、値上げを余儀なくされている美容室も多いですが、お客様にとっては負担増となります。
特に、値上げの説明がなく、いきなり料金が上がっていると、お客様は不信感を抱きやすくなります。また、長年通っているにもかかわらず、新規客向けのクーポンや割引ばかりが目につくと、「常連なのに特典がない」と不満に感じることもあります。
もちろん、適正な価格設定は経営上必要なことです。大切なのは、値上げの際にはきちんと説明をすること、そして常連客にも何らかの特典やメリットを感じてもらえる仕組みを作ることです。
理由6:店舗の雰囲気や環境の変化
店内の雰囲気が変わったことで、居心地が悪くなったと感じるお客様もいます。
内装のリニューアルやディスプレイの変更は、新鮮さを演出するために効果的ですが、常連客にとっては「今までの居場所がなくなった」と感じさせる可能性もあります。
また、店内の清潔感やBGMの音量、他のお客様との距離感など、細かい部分でストレスを感じて離れていくケースもあります。特に、リラックスを求めて来店するお客様にとって、落ち着かない雰囲気は大きなマイナスポイントです。
スタッフの身だしなみや態度も、店舗の雰囲気を左右する重要な要素です。指名した担当者がどんなに素晴らしくても、アシスタントの対応が悪かったり、清潔感がなかったりすると、お店全体への印象が悪くなってしまいます。
理由7:フォローやコミュニケーション不足

常連客が離れる原因として見落とされがちなのが、来店後のフォロー不足です。施術が終わって「またお待ちしています」と送り出した後、次の来店まで何のコミュニケーションもないと、お客様の中でお店の存在感が薄れていきます。
美容室の来店サイクルは一般的に2〜3ヶ月です。その間に他のお店の広告やSNS投稿を目にしたり、友人から別の美容室を勧められたりすると、「次はあのお店に行ってみよう」という気持ちが芽生えることがあります。
お客様にとって「絶対にこの店でなければいけない」という強い理由がない限り、きっかけ次第で他店に移ってしまう可能性は常にあります。来店と来店の間にも、お店のことを思い出してもらえるようなコミュニケーションが大切です。
美容室の集客において常連客を維持するための7つの対策
常連客が来なくなる理由がわかったところで、次は具体的な対策方法について解説します。今日からすぐに実践できるものばかりですので、自分のお店に合った方法から取り入れてみてください。
対策1:常連客にも丁寧なカウンセリングを欠かさない
「この人のことはもうわかっている」という思い込みを捨て、常連客にも毎回丁寧なカウンセリングを行いましょう。髪の状態は日々変化しますし、お客様の好みやライフスタイルも少しずつ変わっていきます。
具体的には、来店時に「最近、髪のお悩みはありませんか?」「何か試してみたいスタイルはありますか?」といった質問を必ず投げかけるようにしましょう。お客様が何か気になっていることがあっても、自分から言い出せないでいるケースは多いものです。
また、施術中の会話の中で、仕事やプライベートの変化を聞き出すことも大切です。
「転職した」「子どもが生まれた」といった情報は、次回以降の提案に活かせます。カルテに記録しておくことで、次の来店時にも話題にできますし、お客様に「覚えてもらえている」という特別感を感じてもらえます。
対策2:技術の研鑽と最新トレンドの把握
美容師としてのスキルアップを継続することは、常連客を維持する上で欠かせません。新しいカット技術やカラー技術を学んだり、最新のトレンドを把握したりすることで、お客様に常に新鮮な提案ができるようになります。
具体的な取り組みとしては、セミナーや講習会への参加、美容雑誌やSNSでのトレンドチェック、スタッフ同士での技術練習などが挙げられます。
お店として定期的な研修制度を設けることで、スタッフ全員のスキルレベルを維持・向上させることができます。
また、お客様に対しても「こんな新しい技術を学んできました」「この薬剤が新しく入りました」といった情報を共有することで、お店の成長を感じてもらえます。
常に進化し続けているお店には、お客様も安心して通い続けることができるのです。
対策3:定期的なアプローチと来店促進の仕組みづくり
常連客との関係を維持するためには、来店と来店の間のコミュニケーションが重要です。お店のことを忘れられないようにするための仕組みを作りましょう。
効果的な方法としては、LINE公式アカウントやメールマガジンを活用した情報発信があります。
「次回来店時に使えるクーポン」「季節のおすすめメニュー」「スタッフの紹介」など、お客様が興味を持ちそうな内容を定期的に配信しましょう。ただし、頻度が多すぎると煩わしく感じられるので、週1回〜月2回程度が目安です。
また、しばらく来店されていないお客様には、個別にメッセージを送ることも効果的です。「お元気ですか?」「そろそろカットの時期ではないですか?」といった、さりげない声かけが来店のきっかけになることがあります。
対策4:常連客向けの特典や特別感の演出
常連客に対して「大切にされている」と感じてもらえる仕組みを作りましょう。新規客向けの割引ばかりで、常連客への特典がないと、不公平感を感じさせてしまいます。
具体的な特典としては、来店回数に応じたポイントカードや会員ランク制度、誕生日月のプレゼントやサービス、常連客限定の先行予約、特別メニューの案内などが考えられます。
「あなただけの特別なサービスです」という特別感を演出することで、お店への愛着が深まります。
また、常連客に対して「いつもありがとうございます」「〇〇様のおかげで頑張れています」といった感謝の言葉を直接伝えることも大切です。言葉だけでも、お客様は「大切にされている」と感じることができます。
対策5:お客様アンケートの実施とフィードバックの活用
お客様が何を感じているのか、直接聞いてみることも有効な対策です。施術後にアンケートを実施することで、普段は言えない不満や要望を知ることができます。
アンケートは紙で渡す方法もありますが、お客様が帰宅後にスマートフォンから回答できるオンラインアンケートの方が、本音を書いてもらいやすい傾向があります。
「施術の仕上がりに満足していますか?」「接客で気になった点はありますか?」「改善してほしい点はありますか?」といった質問を用意しましょう。
集まったフィードバックは、必ずスタッフ全員で共有し、改善策を話し合いましょう。お客様の声をもとに改善を行い、その結果をお客様にも伝えることで、「自分の意見が反映された」という満足感につながります。
対策6:スタッフの定着率向上と働きやすい環境づくり
担当美容師が辞めてしまうことによる失客を防ぐためには、スタッフが長く働き続けられる環境を整えることが大切です。美容業界は離職率が高いと言われていますが、働きやすい職場づくりに取り組むことで、定着率を上げることは可能です。
具体的には、適正な労働時間の管理、休日の確保、給与体系の見直し、キャリアアップの道筋の明確化、スタッフ間のコミュニケーションの活性化などが挙げられます。スタッフが生き生きと働いている姿は、お客様にも伝わります。
また、万が一スタッフが退職する場合には、十分な引き継ぎ期間を設けることが重要です。
後任の美容師にお客様の情報をしっかり引き継ぎ、可能であれば退職前に一緒に施術する機会を作ることで、スムーズな移行が可能になります。
対策7:SNSやGoogleビジネスプロフィールの活用
常連客との接点を増やすために、SNSやGoogleビジネスプロフィールを積極的に活用しましょう。2025年現在、お客様はお店を選ぶ際に複数の情報源をチェックする傾向があります。
Instagramでは、施術例のビフォーアフター写真や、スタッフの人柄が伝わるような投稿が効果的です。2025年のInstagramのアルゴリズムでは、リール動画が優先的に表示される傾向があるため、短い動画コンテンツにも挑戦してみましょう。
週に3〜5回程度の投稿が、エンゲージメントを高めるのに効果的と言われています。
Googleビジネスプロフィールでは、営業時間や住所などの基本情報を正確に登録し、定期的に写真や投稿を更新しましょう。口コミへの返信も重要で、良い口コミにも悪い口コミにも、丁寧に返信することでお店の信頼性が高まります。
リピート率を上げるための日々の接客のポイント
常連客を維持し、リピート率を上げるためには、日々の接客の中で意識すべきポイントがあります。特別なことではなく、基本的なことを丁寧に行うことが大切です。
施術後のアフターフォローを徹底する
施術が終わった後のアフターフォローは、リピート率に大きく影響します。「今日のスタイリングの仕方はこうすると良いですよ」「自宅でのケアはこの方法がおすすめです」といった具体的なアドバイスを提供しましょう。
お客様が帰宅後に「うまくセットできない」「思っていた仕上がりと違った」と感じると、次回の来店につながりにくくなります。施術時と同じ仕上がりを自宅でも再現できるよう、丁寧に説明することが大切です。
また、来店から数日後に「仕上がりはいかがですか?」とメッセージを送ることも効果的です。
何か問題があればすぐに対応できますし、問題がなくてもお客様は「気にかけてもらえている」と感じることができます。
次回予約の促進と予約の取りやすさの改善
施術が終わった段階で、次回の予約を取っていただく仕組みを作りましょう。「次回はいつ頃がよろしいですか?」と声をかけることで、来店のきっかけを作ることができます。
次回予約を促進するための特典を用意するのも効果的です。「本日次回予約をしていただくと、〇〇をサービスします」といった形で、その場で予約するメリットを提示しましょう。
また、予約の取りやすさも重要です。電話だけでなく、オンライン予約やLINE予約など、お客様が都合の良い方法で予約できるようにしておきましょう。特に働いている方にとっては、営業時間外でも予約できるオンラインシステムは便利です。
お客様の記録を活用したパーソナライズされた接客
お客様一人ひとりの情報を記録し、それを活用した接客を行いましょう。前回の施術内容、会話の中で聞いた情報、好みのスタイルや使用した薬剤など、できるだけ詳細に記録しておきます。
次回来店時に「お子さんの入学式はいかがでしたか?」「転職先のお仕事には慣れましたか?」といった会話ができると、お客様は「覚えてもらえている」と感じ、親近感が湧きます。これは、大規模チェーン店では難しい、個人店や小規模店ならではの強みです。
顧客管理システムやカルテアプリを導入すると、情報の記録と共有がスムーズになります。担当者が変わっても、過去の情報を確認できるため、引き継ぎもスムーズに行えます。
常連客が離れるサインを見逃さない
常連客が離れてしまう前には、いくつかのサインが見られることがあります。これらのサインに早めに気づき、対応することで、失客を防げる可能性があります。
来店頻度や予約パターンの変化に注目

今まで2ヶ月ごとに来店していたお客様が、3ヶ月、4ヶ月と間隔が空いてきたら要注意です。忙しさや都合の変化もありますが、お店への関心が薄れているサインかもしれません。
また、予約の変更やキャンセルが増えてきた場合も注意が必要です。予定が合わなくなったのではなく、優先順位が下がっている可能性があります。来店頻度が下がってきたお客様には、個別に連絡を取って様子を伺ってみましょう。
会話の変化や態度の変化を察知する
施術中の会話が減ってきたり、以前は笑顔だったお客様の表情が固くなってきたりしたら、何か不満を抱えているサインかもしれません。
直接聞きにくい場合は、アンケートを活用するのも一つの方法です。
また、「今日はいつもと違うスタイルにしてみたいんです」という要望が増えた場合、現状に飽きを感じている可能性があります。新しい提案のチャンスとして前向きに捉え、お客様の期待に応えられるよう努めましょう。
口コミやSNSでの反応をチェック
Googleマップやポータルサイトでの口コミ、SNSでのお店に関する投稿もチェックしておきましょう。直接は言ってくれなくても、オンライン上で不満を表明しているケースがあります。
ネガティブな口コミを見つけた場合は、真摯に受け止めて改善策を検討しましょう。また、口コミに対しては必ず返信し、お店として改善に取り組んでいる姿勢を示すことが大切です。
失客してしまった常連客を呼び戻す方法
すでに来なくなってしまった常連客を呼び戻すことは難しいですが、不可能ではありません。最後に、失客したお客様へのアプローチ方法をご紹介します。
失客のタイミングを見極める
一般的に、美容室の来店サイクルは2〜3ヶ月です。そのため、前回の来店から4ヶ月以上経過しても連絡がないお客様は、失客の可能性があると考えられます。ただし、お客様によって来店サイクルは異なるため、過去のデータを確認した上で判断しましょう。
失客から時間が経ちすぎると、お店のことを完全に忘れられてしまいます。できるだけ早いタイミングでアプローチすることが大切です。
個別メッセージでの再来店促進
失客したお客様には、一般的なDMではなく、個別にメッセージを送りましょう。「〇〇様、お元気ですか?最後にお会いしてから少しお時間が経ちましたね」といった、パーソナルな内容の方が響きやすいです。
ただし、しつこく連絡するのは逆効果です。1〜2回連絡しても反応がない場合は、それ以上の追いかけは控えましょう。代わりに、定期的なメルマガやLINEでの情報発信は継続し、お客様が「また行こうかな」と思ったときに思い出してもらえるようにしておきます。
再来店特典の用意
しばらく来店されていないお客様向けに、再来店特典を用意するのも効果的です。「お久しぶりのご来店で〇〇をプレゼント」「再来店限定の特別価格」など、来店のきっかけになる特典を提示しましょう。
ただし、特典目当てのお客様が一度だけ来て終わりにならないよう、来店時には丁寧な接客を心がけ、改めて信頼関係を築くことが大切です。
まとめ:常連客を大切にすることが美容室経営の安定につながる
美容院で常連客が来なくなる理由は、接客態度の変化、技術力の低下、担当者の退職、マンネリ化、価格への不満、店舗環境の変化、フォロー不足など、さまざまです。
しかし、その多くは日々の心がけ次第で防ぐことができるものばかりです。
常連客を維持するためのポイントをまとめると、丁寧なカウンセリングを欠かさないこと、技術の研鑽を続けること、定期的にコミュニケーションを取ること、特別感を感じてもらえる特典を用意すること、お客様の声に耳を傾けること、スタッフが働きやすい環境を作ること、SNSなどを活用して接点を増やすことの7つが挙げられます。
美容室の競争が激しくなる中で、新規客の獲得だけに頼っていては、安定した経営は難しくなっています。今いる常連客を大切にし、長く通い続けてもらえる関係を築くことが、これからの美容室経営では特に重要になってきます。
今日ご紹介した対策の中から、まずは一つでも取り入れてみてください。小さな改善の積み重ねが、お客様との信頼関係を強くし、失客を防ぐことにつながります。

