美容師の業務委託は稼げない?稼げる人との違いと末路を現実データで解説

美容師の業務委託は稼げない?と聞いて、不安になっている方も多いのではないでしょうか。「業務委託に転職したら収入が下がった」「自由な働き方に憧れたけど、現実は厳しかった」という声を耳にすると、自分もそうなるのではと心配になりますよね。
しかし実際には、業務委託美容師として月収50万円以上を安定して稼いでいる方もいれば、月収10万円台で苦しんでいる方もいるのが現実です。つまり「稼げない」のではなく、「稼げる人と稼げない人の差がとても大きい」というのが正しい表現です。
この記事では、美容師の業務委託の現実を収入データをもとに解説しながら、稼げない人の特徴と稼げる人の違い、そして業務委託の末路を避けるための具体的な対策まで、現場で使える実践的なノウハウをお伝えしていきます。これから業務委託を検討している方も、すでに業務委託で働いている方も、ぜひ参考にしてみてください。
美容師の業務委託とは?正社員やフリーランスとの違いを整理しよう
まずは「美容師の業務委託とは何か」を正しく理解しておきましょう。業務委託について調べていると、フリーランスや面貸しとの違いがわかりにくいという声もよく聞きます。ここでは、それぞれの働き方の違いをわかりやすく整理していきます。
美容師の業務委託とは?個人事業主として働く仕組み
美容師の業務委託とは、サロンと雇用契約を結ぶのではなく、個人事業主としてサロンと「業務委託契約」を結んで働く形態のことです。サロンに来店したお客様に対してカットやカラーなどの施術を行い、その売上に対して歩合で報酬を受け取ります。
正社員との大きな違いは、雇用関係がないという点です。業務委託の美容師は、あくまでサロンから「施術業務」を請け負っている立場なので、労働基準法の適用外となります。そのため、社会保険や雇用保険といった福利厚生は基本的にありません。
一方で、集客はサロン側が行ってくれるケースが多く、ホットペッパービューティーなどを活用してお客様を集めてくれるのが一般的です。施術に集中できるという点では、大きなメリットがあります。
業務委託とフリーランス・面貸しの違い
「業務委託」と「フリーランス」、そして「面貸し」はよく混同されますが、実はそれぞれ異なる働き方です。
業務委託は、サロンと業務委託契約を結び、サロンの集客したお客様に施術を行って報酬を受け取る形態です。報酬は売上の40〜60%が相場で、材料費やサロン利用料はサロン側が負担するケースが多くなっています。
面貸し(ミラーレンタル)は、サロンの席やスペースを借りて、自分で集客したお客様に施術を行う形態です。売上の70〜80%が自分の報酬になることもありますが、集客はすべて自分で行う必要があります。
フリーランスは、業務委託や面貸しを含む「組織に雇われない働き方」の総称です。シェアサロンを利用する方もフリーランス美容師に含まれます。
これらの違いを理解した上で、自分に合った働き方を選ぶことが、業務委託で稼げるかどうかの第一歩になります。
業務委託美容師と正社員美容師の給料の違い
業務委託と正社員では、報酬の仕組みがまったく異なります。
正社員の場合は固定給+歩合給が一般的で、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、美容師・理容師の平均年収はおよそ372万円とされています(出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」)。月収に換算すると約25〜30万円程度が目安です。
一方、業務委託美容師は完全歩合制が基本です。売上の40〜60%が報酬として支払われるため、月に100万円売り上げた場合は40〜60万円の報酬になります。年収に換算すると480〜720万円ほどになる計算です。
ただし、ここから国民健康保険料、国民年金、所得税、住民税などを自分で支払う必要があります。正社員であれば会社が半額負担してくれる社会保険料も、すべて自己負担となるため、額面の報酬だけを見て判断するのは危険です。
美容師の業務委託は稼げない?現実のデータで検証
「美容師の業務委託は稼げない」という声が多い一方で、業務委託で高収入を得ている美容師も少なくありません。ここでは、現実のデータをもとに業務委託の収入事情を詳しく見ていきましょう。
業務委託美容師の年収と報酬の相場
業務委託美容師の収入は、人によって大きく異なります。これは完全歩合制であるため、売上がそのまま収入に直結するからです。
一般的な業務委託サロンでは、フリー客(指名なし)の場合は売上の40〜45%、指名客の場合は50〜60%が歩合率の相場となっています。たとえば、月間売上80万円で歩合率50%の場合、報酬は40万円。ここから経費や税金を差し引くと、手取りは30万円前後になるケースが多いです。
リジョブの求人データによると、スタイリスト正社員の月給は約23万〜41万円、業務委託スタイリストの月給は約27万〜44万円と、業務委託のほうが上限は高くなっています。しかし、この数字はあくまで求人上の表記であり、実際にその金額を得られるかどうかは本人の実力次第です。
業務委託で月収100万円以上を稼ぐ美容師もいれば、月収10万円台の方もいるのが現実です。「稼げる」「稼げない」は一概には言えず、歩合率、指名客の数、1日の施術人数、客単価などによって大きく左右されます。
業務委託美容師の報酬の仕組みと歩合率

業務委託美容師の報酬を理解するには、歩合率の仕組みを把握することが大切です。
多くの業務委託サロンでは、以下のような報酬体系を採用しています。
・フリー客(サロンが集客したお客様):売上の40〜45%
・指名客(美容師を指定して来店したお客様):売上の50〜60%
・店販(商品販売):売上の10〜20%
ここで注意したいのが、「税込計算か税抜計算か」「材料費が差し引かれるかどうか」という点です。同じ「歩合率50%」でも、税込・材料費込みの場合と、税抜・材料費別の場合では、実際の手取りに大きな差が出ます。
たとえば、月間売上100万円で「税込50%」の場合、報酬は50万円です。しかし「税抜45%、材料費10%差し引き」の場合は、100万円×0.9(税抜)×0.9(材料費差し引き)×0.45=約36万円となり、14万円もの差が生まれます。
求人情報で「高歩合率」をうたっていても、諸条件をよく確認しないと、想定より報酬が低くなることがあるので注意しましょう。
業務委託美容師の手取りシミュレーション
ここでは、業務委託美容師の手取りを具体的にシミュレーションしてみます。
【条件】月間売上80万円、歩合率50%(税抜計算、材料費サロン負担)の場合
・月間報酬:80万円 × 50% = 40万円
・国民健康保険料:約3万円(年収480万円の場合の目安)
・国民年金保険料:約1.8万円(2025年度は月額17,510円、2026年度は月額17,920円/出典:日本年金機構「国民年金保険料」)
・所得税・住民税:約3〜5万円(経費控除後の概算)
・交通費やその他経費:約1〜2万円
手取り目安:約28〜30万円程度
正社員で月給25万円(額面)の場合の手取りは約20〜21万円程度ですので、業務委託のほうが手取りは高くなる可能性があります。ただし、有給休暇や賞与、退職金がないことを考慮すると、単純な比較はできません。
美容師の業務委託で稼げない人の5つの特徴
業務委託に転職しても「思ったほど稼げない」と感じる方には、共通した特徴があります。ここでは、稼げない美容師に見られる5つのパターンを具体的に解説します。自分に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
特徴1:集客をサロン任せにしている
業務委託サロンの多くは、ホットペッパービューティーなどのクーポンサイトを通じて集客を行っています。そのため「集客はサロンがやってくれるから大丈夫」と安心しきってしまう方がいます。
しかし、サロンが集客するのは「フリー客」であり、このフリー客の歩合率は40〜45%と低めに設定されています。フリー客ばかり対応していると、どれだけ忙しくても報酬は伸びにくいのが現実です。
稼いでいる業務委託美容師は、SNSやブログなどを活用して自分自身の指名客を増やす努力をしています。指名客が増えれば歩合率が上がるだけでなく、リピート率も高まるため、安定した収入につながります。
特徴2:単価設定を見直していない
業務委託サロンの多くはクーポン集客が中心のため、施術単価が低くなりがちです。カット+カラーで4,000〜5,000円という格安メニューのみに対応していると、1日に何人施術しても売上が伸びません。
厚生労働省の「生活衛生関係営業経営実態調査」によると、美容業における客1人あたりの平均料金は約6,000円程度です(出典:厚生労働省「生活衛生関係営業経営実態調査」)。格安サロンで3,000〜4,000円の客単価にとどまっていると、1日5人施術しても売上は1.5万〜2万円。月20日勤務で30〜40万円、歩合率50%で報酬は15〜20万円にしかなりません。
トリートメントやヘッドスパなどの付加価値メニューを積極的に提案し、客単価を上げる工夫が不可欠です。
特徴3:リピーターを獲得できていない
新規のお客様ばかり対応していると、毎回一から信頼関係を築く必要があり、効率が悪くなります。リピーターが多い美容師は、カウンセリングの時間を短縮でき、お客様の好みも把握しているため、施術の質もスピードも上がります。
リピート率が低い美容師に共通しているのは、施術後のフォローが不足していることです。次回の来店目安を伝える、ホームケアのアドバイスをする、SNSでつながるなど、小さな工夫の積み重ねがリピート率を大きく左右します。
特徴4:確定申告や帳簿・経費管理ができていない
業務委託美容師は個人事業主ですので、確定申告を自分で行う必要があります。しかし、確定申告や帳簿の書き方がわからないまま後回しにしてしまう方も少なくありません。
交通費、研修費、道具代、スマートフォンの通信費(業務利用分)など、業務に関連する支出は経費として計上できます。青色申告をすれば最大65万円の特別控除も受けられるため、適切に申告すれば手取りを大きく増やすことが可能です。
帳簿の書き方のポイントとしては、日付、取引先、金額、内容を日々記録することが基本です。手書きでも構いませんが、freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で記帳できるため、確定申告の手間が大幅に軽減されます。
帳簿管理を怠ると、本来払わなくてよい税金を余分に支払うことになります。不安な方は税理士に相談するのも一つの方法です。
特徴5:契約内容をしっかり確認していない

業務委託契約を結ぶ際に、契約書の内容をしっかり確認せずにサインしてしまうケースも見受けられます。歩合率の計算方法、材料費の負担割合、違約金の有無、掛け持ちの可否など、確認すべきポイントは多岐にわたります。
特に、研修期間中は歩合率が低く設定されていたり、退職時に違約金が発生したりするサロンもあります。契約書がない状態で働き始めてしまうと、トラブルが起きたときに自分を守る手段がなくなってしまいますので、必ず書面での契約を交わすようにしましょう。
業務委託美容師で稼げる人がやっている7つのこと
ここからは、業務委託で実際に高収入を得ている美容師に共通する行動パターンを7つご紹介します。稼げる人と稼げない人の違いを知ることで、自分の働き方を見直すヒントが見つかるはずです。
1. SNSを活用して指名客を増やしている
稼いでいる業務委託美容師のほとんどは、InstagramやTikTokなどのSNSを積極的に活用しています。施術のビフォーアフターを投稿したり、ヘアケアの豆知識を発信したりすることで、新規の指名客を獲得しています。
SNS集客のメリットは、お金をかけずに自分の技術やセンスをアピールできることです。「この美容師さんにお願いしたい」と指名で来店してくれるお客様は、リピート率も高く、客単価も上がりやすい傾向にあります。
2. 高単価メニューを積極的に提案している
稼げる美容師は、お客様のニーズに合わせてトリートメント、ヘッドスパ、縮毛矯正などの高単価メニューを上手に提案しています。「押し売り」ではなく、お客様の髪の悩みに寄り添いながら「こういったケアもできますよ」と自然に提案できるかどうかが、客単価を上げるカギです。
3. 時間管理を徹底して回転率を上げている
業務委託は完全歩合制ですので、同じ時間内にどれだけ売上を上げられるかが収入に直結します。稼いでいる美容師は、予約の入れ方、施術の時間配分、カウンセリングの効率化など、時間管理を徹底しています。
たとえば、カラーの放置時間中に次のお客様のカウンセリングを始めるなど、空き時間を最小限にする工夫をしている方が多いです。
4. 業務委託の求人選び・サロン選びを慎重に行っている
業務委託の求人は全国に多数ありますが、報酬体系や集客力はサロンごとに大きく異なります。稼いでいる美容師は、歩合率だけでなく、集客力、立地、客層、材料費の負担方法、最低保証の有無などを総合的に判断してサロンを選んでいます。
特に集客数は重要なポイントです。いくら歩合率が高くても、お客様が来なければ売上は上がりません。サロン見学や面談の際に、1日の平均来客数を確認することをおすすめします。
5. 技術力の向上を怠らない
業務委託で働くと、正社員時代のような研修制度がなくなるため、技術力が停滞しやすくなります。稼いでいる美容師は、外部のセミナーや勉強会に自主的に参加したり、最新のトレンドを積極的に学んだりしています。技術力が高ければ指名客が増え、高単価メニューの提案もしやすくなり、結果的に収入アップにつながります。
6. 開業届の提出と確定申告・節税対策をしっかり行っている
業務委託美容師として稼いでいる方は、税金の知識もしっかり持っています。まず基本として、開業届を税務署に提出し、青色申告承認申請書を出すことで、最大65万円の特別控除が受けられます。また、小規模企業共済やiDeCoなどの節税制度を活用し、手取りを最大化しています。
開業届の書き方自体はシンプルで、国税庁のWebサイトからダウンロードした用紙に、氏名・住所・屋号・開業日・業種(美容業)などを記入して税務署に提出するだけです。e-Taxを使えばオンラインでも手続きできます。まだ開業届を出していない方は、早めに手続きを済ませましょう。
7. 掛け持ちやダブルワークも視野に入れている

業務委託のメリットの一つは、雇用契約ではないため、掛け持ちが可能な場合が多いことです。稼いでいる美容師の中には、平日はAサロン、週末はBサロンで働くなど、掛け持ちで効率的に収入を増やしている方もいます。
ただし、契約内容によっては掛け持ちが禁止されている場合もありますので、必ず契約書を確認してから判断してください。
業務委託美容師の末路とは?知っておきたいリスクと将来性
「業務委託美容師の末路」というキーワードが注目されているように、将来への不安を感じている方も多いでしょう。ここでは、業務委託の将来性とリスクについて、現実的な視点からお伝えします。
業務委託美容師はなくなる?インボイス制度の影響
2023年10月にスタートしたインボイス制度は、業務委託美容師にとって大きな転換点となりました。「業務委託美容師はなくなるのでは?」という不安の声も上がりましたが、結論としては、業務委託という働き方そのものが法律で禁止されることはありません。
ただし、インボイス制度によって美容室側の税負担が増えるケースがあり、報酬の見直しが行われたサロンもあります。具体的には、免税事業者の美容師に支払った報酬に含まれる消費税を、サロン側が控除できなくなったためです。
対応はサロンによって異なり、「消費税分だけ報酬が減った」という方もいれば、「サロン側が負担してくれた」という方もいます。
インボイス制度には経過措置が設けられており、免税事業者からの仕入れに対する控除割合は段階的に引き下げられます。2026年9月までは80%の控除が認められていますが、2026年10月以降は縮小されます。
なお、令和8年度税制改正大綱では、当初予定されていた「50%への一律切替え」を見直し、70%→50%→30%と段階的に引き下げ、2031年10月に経過措置を終了する方針が示されました(出典:令和8年度与党税制改正大綱)。
最終的に経過措置が完全に終了すると、免税事業者との取引では仕入税額控除が一切受けられなくなるため、今後も影響が拡大していく見通しです。
年齢とともに体力が落ちるリスク
業務委託美容師は完全歩合制のため、体調を崩して働けなくなると、収入がゼロになります。正社員であれば傷病手当金や有給休暇がありますが、業務委託にはそうしたセーフティネットがありません。
特に40代、50代になると体力的に1日8時間以上の立ち仕事を続けるのが難しくなる方も多く、売上が落ちて収入が減少するリスクがあります。収入補償保険への加入や、将来のための貯蓄を早い段階から意識しておくことが大切です。
社会保険・年金がないことの将来への影響
業務委託美容師は国民健康保険と国民年金に加入することになりますが、厚生年金に比べて将来受け取れる年金額は大幅に少なくなります。正社員であれば会社が半額負担してくれる社会保険料も、業務委託ではすべて自己負担です。
将来の不安を軽減するためには、iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済などを活用して、自分で老後資金を準備しておく必要があります。
クビ(契約解除)のリスクもある
業務委託美容師は正社員と違い、サロンの経営方針の変更や集客状況の悪化などにより、突然契約を解除されるリスクがあります。特にインボイス制度の影響で、業務委託契約を見直すサロンも出てきています。
契約解除のリスクに備えるためには、複数のサロンとのネットワークを持っておくこと、自分自身の指名客を多く抱えておくことが重要です。
業務委託の契約で確認すべき重要ポイント
業務委託美容師として失敗しないためには、契約前にしっかりと条件を確認することが不可欠です。ここでは、業務委託契約書で必ずチェックしておきたいポイントをまとめます。
業務委託契約書の有無と内容を必ず確認する
まず大前提として、契約書なしで働き始めるのは絶対に避けてください。口頭での約束だけでは、後からトラブルになったときに自分を守ることができません。契約書がないサロンには注意が必要です。
契約書には、報酬の計算方法、支払い日、契約期間、契約解除の条件、禁止事項などが記載されています。不明な点があれば、契約前に必ず質問し、納得してからサインするようにしましょう。
報酬の支払い条件を細かく確認する
歩合率だけでなく、以下のポイントも確認が必要です。
・税込計算か税抜計算か
・材料費はサロン負担か美容師負担か
・指名料の還元率
・最低保証給の有無
・交通費の支給があるか
・支払いサイクル(月末締め翌月払いなど)
これらの条件によって、同じ売上でも手取りに大きな差が出ます。面談の際には遠慮せず、具体的な金額シミュレーションをお願いしてみてください。
違約金や競業避止義務を把握する
サロンによっては、契約期間中に退職する場合の違約金や、退職後一定期間は近隣エリアで営業できないといった競業避止義務が設定されていることがあります。これらの条件は、将来の転職や独立に影響を及ぼす可能性があるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
請求書の書き方と源泉徴収の扱い
業務委託美容師は、サロンに対して請求書を発行する必要があるケースもあります。請求書の書き方がわからないという方も多いですが、基本的には氏名、住所、報酬額、消費税額、振込先を記載します。
また、源泉徴収の扱いはサロンによって異なります。報酬から源泉徴収税が差し引かれている場合は、確定申告で精算することになります。支払調書を受け取れるかどうかも、事前に確認しておくとスムーズです。
業務委託美容師のメリット・デメリットを徹底比較
ここまでの内容を踏まえて、業務委託美容師のメリットとデメリットを改めて整理しておきましょう。自分に合った働き方かどうかを判断する材料にしてください。
業務委託で働くメリット

勤務時間やシフトを自分でコントロールできる
業務委託の最大の魅力は、勤務時間やシフトを自分で決められることです。子育て中のママ美容師であれば、子どもが学校に行っている間だけ働くといったスタイルも可能です。土日を休みにしたり、長期休暇を取ったりと、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができます。
努力次第で高収入を目指せる
完全歩合制のため、売上を上げれば上げるほど収入が増えます。正社員では難しい月収50万円、60万円以上を実現している方も少なくありません。自分の技術と努力がダイレクトに収入に反映されるのは、大きなやりがいにつながります。
人間関係のストレスが少ない
正社員として働いていると、上司や同僚との人間関係に悩むことも少なくありません。業務委託であれば、サロン内のスタッフミーティングや人間関係のしがらみから解放され、施術に集中できる環境が得やすくなります。
得意な施術に集中できる
業務委託美容師は施術のみを担当するケースが多く、掃除や在庫管理、電話対応などの雑務から解放されます。自分の得意な技術やサービスに集中できるため、施術の質を高めやすいのもメリットです。
業務委託で働くデメリット
売上がゼロなら収入もゼロ——完全歩合制のリアル
完全歩合制のため、来客数が少ない月は収入が大幅に減ります。繁忙期と閑散期の差が大きく、毎月安定した収入を得るのが難しいのが現実です。
社会保険や福利厚生がない
健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険、有給休暇、退職金、賞与などは一切ありません。病気やケガで働けなくなった場合の補償もないため、自分で備えておく必要があります。
確定申告や税金の処理を自分で行う
業務委託美容師は個人事業主なので、確定申告は自分で行わなければなりません。帳簿の書き方、経費の計上方法、青色申告の手続きなど、税務の知識がないと損をしてしまうこともあります。
スキルアップの機会が限られる
正社員のような研修制度やOJTがないため、技術やトレンドの情報を自分で積極的に収集する必要があります。自己投資を怠ると、技術力が停滞し、指名客の減少につながりかねません。
業務委託で「稼げない」と感じたら?次のキャリアの選び方
業務委託で働いてみたものの、「自分には合わない」「思ったより稼げない」と感じた場合は、無理に続ける必要はありません。美容師としてのキャリアには、業務委託以外にもさまざまな選択肢があります。
固定給と社会保険を優先するなら正社員に戻るという選択
収入の安定を重視するなら、正社員としてサロンに戻るのも一つの選択肢です。固定給があること、社会保険が完備されていること、有給休暇が取れることなど、安心感は業務委託にはないメリットです。業務委託で培った経験やスキルは、正社員としても十分に活かせます。
シェアサロンやスペース貸しに移行する
自分で集客できる自信がある方は、シェアサロンの利用も検討してみてください。シェアサロンは席の利用料を支払うだけで、売上のほとんどが自分の収入になります。業務委託よりも高い利益率が期待できる反面、集客はすべて自分で行う必要があります。
独立開業を目指す
将来的に自分のサロンを持ちたいと考えている方にとって、業務委託での経験は貴重なステップになります。集客の仕方、お客様との関係構築、経営感覚など、独立に必要なスキルを業務委託の間に身につけておくことで、開業後の成功率が高まります。
美容師の資格を活かした別の働き方を探す
美容師免許を活かせる仕事は、サロンワークだけではありません。訪問美容、ヘアメイク、アイリスト、美容関連のインストラクターなど、活躍の場は広がっています。自分のライフスタイルや将来のビジョンに合った働き方を探してみてください。
まとめ:美容師の業務委託は「稼げないわけではない」正しい戦略が必要
「美容師の業務委託は稼げない」という言葉だけを鵜呑みにする必要はありません。正しい知識と戦略を持って取り組めば、正社員時代よりも高い収入を得ることは十分に可能です。
一方で、何の準備もなく「自由に働きたい」という理由だけで業務委託に飛び込んでしまうと、収入が安定せず、将来の不安を抱えることにもなりかねません。
この記事でご紹介したポイントを振り返ると、業務委託で成功するためには以下のことが大切です。
・業務委託の仕組みと正社員との違いを正しく理解すること
・契約内容を細かく確認し、報酬の計算方法を把握すること
・SNSを活用して指名客を増やし、客単価を上げる努力をすること
・確定申告と節税対策をしっかり行うこと
・将来のリスクに備えて、保険や貯蓄の準備をしておくこと
業務委託は「稼げない」のではなく、「稼ぐための努力と工夫が必要な働き方」です。今の自分にどんなスキルが足りないのか、どんな準備が必要なのかを一つずつ確認しながら、自分に合った働き方を見つけていきましょう。
まずは現在の契約内容を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。小さな一歩が、あなたの働き方を大きく変えるきっかけになるかもしれません。

