自宅エステサロンは儲かる?開業前に知りたいメリット・デメリットと事前準備

自宅でエステサロンを開業したいけれど、本当に儲かるのか不安に感じていませんか?
「開業資金はどれくらい必要?」「安定した収入を得られるの?」「自分に向いているのかな?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自宅エステサロンの現実的な収入事情から、メリット・デメリット、開業に向いている人・向いていない人の特徴まで、開業前に知っておきたい情報を詳しくお伝えします。
さらに、準備から運営までの最適な流れや注意点についても解説していきますので、これから自宅サロンを始めたい方はぜひ参考にしてください。
自宅エステサロンはぶっちゃけ儲かるの?リアルな収入事情
自宅エステサロンの平均年収と現実
自宅エステサロンを開業した場合の年収は、一般的に300万円から700万円程度と言われています。
ただし、これはあくまで安定した売上がある場合の目安です。開業当初は赤字になることも珍しくなく、軌道に乗るまでには時間がかかることを理解しておく必要があります。
雇われエステティシャンの平均年収が250万円から320万円程度であることを考えると、自宅サロンの方が収入アップの可能性は高いと言えます。しかし、開業後すぐに安定した収入を得られるわけではなく、最初の1年から2年は集客に苦労するケースが多いのが現実です。
売上と利益の違いを理解する

自宅エステサロンを考える際、売上と利益の違いをしっかり理解しておくことが大切です。
例えば、月の売上が60万円あったとしても、化粧品や美容機器のメンテナンス費用、広告費、開業時の借入金の返済などを支払うと、実際に手元に残るお金は20万円から30万円程度になることもあります。
自宅サロンの場合、家賃がかからない分、利益率は高くなります。
一般的なエステサロンの利益率が30%程度なのに対し、自宅サロンでは40%から70%程度の利益率を見込めることもあります。ただし、これは経営がうまくいっている場合の話です。
収入を左右する3つの要因
自宅エステサロンの収入は、以下の3つの要因によって大きく変わります。
1つ目は施術単価です。1回の施術でいくらいただけるかによって、1日に対応できるお客様の人数が限られている中で、どれだけの売上を作れるかが決まります。自宅サロンの場合、単価は5,000円から15,000円程度が相場と言われています。
2つ目は稼働日数と1日の施術人数です。自宅サロンの場合、1人で運営することが多いため、1日に対応できるお客様の人数には限界があります。仮に1日5人、月20日営業できたとしても、月間100人が上限となります。
3つ目はリピート率です。新規のお客様を集客し続けるよりも、一度来店されたお客様に繰り返し通っていただく方が、広告費を抑えながら安定した収入を得られます。
リピート率が30%以下の場合、常に新規集客に追われて経営が苦しくなりがちです。
成功している自宅サロンの収入モデル
実際に成功している自宅エステサロンでは、施術だけでなく複数の収入源を持っていることが多いです。
基本となる施術収入に加えて、ホームケア用の化粧品やサプリメントの物販、セルフケアのオンライン講座、エステ技術を教える講師業など、さまざまな方法で収入を増やしています。
例えば、施術単価8,000円で月20日営業、1日4人のお客様に対応した場合、月の施術収入は64万円になります。
ここに月10万円程度の物販収入が加われば、月74万円の売上となります。利益率を50%とすると、月37万円、年収444万円という計算になります。
開業初期の現実的な収入予測
開業後すぐに満席になることはまずありません。最初の数ヶ月は、お友達やご家族の紹介で月に数人というケースも珍しくないのです。
この期間は「ご祝儀客」とも呼ばれ、開業したお祝いに来てくれているだけで、あなたのサロンのファンになっているわけではないこともあります。
開業から1年以内にサロンを閉める方が多いのは、この現実を理解せずに始めてしまうからです。
最低でも6ヶ月から1年分の生活費を確保した上で、長期的な視点で経営を考えることが大切です。
独立開業した人の中には年収100万円に満たない方もいる一方で、年間数百万円を稼ぐ方もいます。つまり、やり方次第で大きく結果が変わるということです。
自宅エステサロンのメリット7つ
1. 開業資金を大幅に抑えられる
自宅エステサロンの最大のメリットは、開業資金を抑えられることです。テナントを借りる場合、物件取得費だけで敷金・礼金を含めて数十万円から100万円以上かかることも珍しくありません。さらに、毎月の家賃が発生します。
自宅サロンであれば、新たに物件を借りる必要がないため、これらの費用が不要になります。
開業資金は50万円から100万円程度で始められることが多く、美容機器や備品、化粧品の購入費用が主な出費となります。賃貸マンションでの開業と比べると、初期費用を3分の1から5分の1程度に抑えることができます。
2. 通勤時間がゼロで時間を有効活用できる
自宅がサロンになるため、通勤時間が一切かかりません。
これまで通勤に使っていた時間を、お客様対応や技術の勉強、SNSでの情報発信など、サロン運営に必要な作業に充てることができます。
特に、お子さんを保育園や学校に送り出してから開業準備を始められるため、主婦の方にとっては大きなメリットです。満員電車のストレスからも解放され、心身ともに余裕を持って仕事に取り組めます。
3. 家事・育児との両立がしやすい
完全予約制にすることで、予約の合間に洗濯や掃除、料理の準備などを済ませることができます。
お子さんの急な発熱や学校行事にも柔軟に対応できるため、家庭を大切にしながら働きたい方には理想的な働き方と言えます。
夏休みや冬休みなどの長期休暇には営業日数を減らしたり、PTAや地域の活動にも参加しやすくなります。自分や家族の都合を優先してスケジュールを組めるのは、自宅サロンならではの魅力です。
4. 自分のペースで働ける
雇われている立場では、サロンの方針に従わなければならず、自分の意見がなかなか通らないこともあります。
しかし、自宅サロンなら営業時間や定休日、メニュー内容、価格設定まで、すべて自分で決めることができます。
体調に合わせて予約を調整したり、スキルアップのための勉強時間を確保したり、自分のペースで無理なく働けるのは大きなメリットです。ただし、自分で計画を立てて実行する自己管理能力が必要になります。
5. アットホームな雰囲気で接客できる
大手サロンにはない、家庭的で温かい雰囲気を作りやすいのが自宅サロンの特徴です。
お客様との距離が近く、一人ひとりにじっくり向き合ったオーダーメイドの施術を提供できます。
リラックスできる空間作りを工夫することで、「ここに来ると癒される」と感じていただけるサロンになります。お客様との信頼関係を築きやすく、リピーターになっていただきやすい環境と言えます。
6. 内装やインテリアを自由に変えられる
賃貸物件では内装の変更に制限がありますが、持ち家であれば壁紙の色やインテリア、照明に至るまで、自分の理想とする空間を作ることができます。
サロンのコンセプトに合わせて自由にデザインできるのは、自宅サロンの楽しみの一つです。
お客様の反応を見ながら、レイアウトや雰囲気を何度でも変更できます。季節ごとにディスプレイを変えたり、小物にこだわったり、細部まで自分らしさを表現できます。
7. 固定費が少なく経営リスクが低い

1人サロンで最も大きな固定費は家賃ですが、自宅サロンならこれが実質ゼロになります。
毎月の家賃支払いがないため、売上が少ない月でも経営を続けやすく、リスクを大幅に下げられます。
光熱費も生活と共用になるため、サロン専用の高額な費用がかかりません。
経営が軌道に乗るまでの期間も、テナントを借りている場合と比べて精神的な余裕を持って取り組めます。
自宅エステサロンのデメリット6つ
1. 立地を選べない
自宅サロンの最大のデメリットは、立地を選べないことです。住宅街の奥や駅から遠い場所にある場合、お客様に見つけてもらいにくく、集客に苦労することがあります。
繁華街や駅前のテナントであれば通りがかりのお客様の目に留まることもありますが、自宅サロンではそれが期待できません。そのため、SNSやホームページを活用した情報発信が必須になります。
2. 住所を公開することへの不安
自宅サロンを運営する場合、特定商取引法により住所の表示が義務付けられています。そのため、不特定多数の方に自宅の場所を知られてしまう可能性があります。
特に女性の1人暮らしや小さなお子さんがいる家庭では、防犯面での不安を感じる方も少なくありません。
完全予約制にして初回のお客様には事前に電話で確認を取るなど、安全対策を講じる必要があります。中には、予約をいただいたお客様にのみメールで住所をお伝えするという方法をとっているサロンもあります。
3. 生活感が出やすい
自宅の一部をサロンとして使う場合、玄関やトイレ、廊下などは家族と共用になることがあります。
洗濯物が干してあったり、お子さんのおもちゃが置いてあったりすると、お客様は生活感を感じてしまい、サロンとしての雰囲気が損なわれます。
プロのサロンとして信頼していただくためには、お客様の動線上にある場所は常に整理整頓し、清潔に保つ工夫が必要です。家族の協力を得て、営業時間中は特に気をつけるようにしましょう。
4. 仕事とプライベートの境界が曖昧になる
自宅で仕事をしていると、オンとオフの切り替えが難しくなることがあります。
休憩時間にも仕事のことが気になったり、逆に営業中に家事が気になったりして、集中できないこともあります。
家族と一緒に過ごしている時間でも、予約の連絡が入れば対応しなければならず、完全に休むことが難しいと感じる方もいます。営業時間と休憩時間を明確に決めて、メリハリをつけることが大切です。
5. 家族の理解と協力が必要
自宅サロンを運営するには、家族の理解と協力が欠かせません。営業時間中は静かにしてもらう必要がありますし、共用スペースの使い方にもルールが必要になります。
特にお子さんが小さい場合、施術中にサロンスペースに入ってきてしまったり、泣き声が響いてしまったりすることもあります。
ご家族としっかり話し合い、協力体制を整えた上で開業することが重要です。家族の理解が得られない場合は、自宅サロンは難しいかもしれません。
6. 賃貸の場合は契約違反になることも
賃貸マンションや賃貸アパートにお住まいの場合、賃貸借契約で営業活動が禁止されていることがあります。
無断でサロンを開業すると契約違反となり、最悪の場合は退去を求められることもあります。
また、内装を変更する際にも管理会社の許可が必要です。フローリングや壁紙を変える場合は必ず事前に確認し、退去時に原状回復できる方法で行うようにしましょう。
持ち家であっても、マンションの管理規約で営業活動が制限されている場合がありますので、必ず確認してください。
自宅エステサロンに向いている人・向いていない人
自宅サロンをおすすめできる人の特徴
自宅エステサロンに向いているのは、まず家族の理解と協力を得られる方です。
家族が応援してくれる環境であれば、安心してサロン運営に集中できます。
次に、自己管理ができる方です。誰も指示してくれる人がいない環境で、自分で計画を立てて実行し、集客から経理まですべて自分で管理する必要があります。スケジュール管理や金銭管理が得意な方に向いています。
また、お客様と深く関わりたい方、一人ひとりに丁寧に向き合いたい方にも自宅サロンは適しています。
大手サロンのように次々とお客様を対応するのではなく、じっくりカウンセリングをして信頼関係を築きながら施術できるのが自宅サロンの魅力です。
さらに、家事や育児と両立したい方、通勤時間を節約したい方、自分のペースで働きたい方にもおすすめです。時間の融通が利くため、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。
自宅サロンをおすすめできない人の特徴
一方で、自宅サロンに向いていないのは、家族の理解が得られない方です。
家族が反対している状態で無理に始めても、営業中に協力してもらえず、トラブルの原因になります。
また、賃貸物件で営業許可が得られない方も自宅サロンは難しいでしょう。
契約違反のリスクを冒してまで開業するのはおすすめできません。この場合は、マンションの一室を別途借りてプライベートサロンとして開業する方法を検討してください。
仕事とプライベートをしっかり分けたい方にも自宅サロンは向いていません。常に仕事のことが頭から離れない環境が苦痛に感じる方は、テナントを借りて完全に分ける方が精神的に楽です。
さらに、大規模に展開したい方、スタッフを雇って複数ベッドで運営したい方にも自宅サロンは適していません。
自宅ではスペースに限界があるため、将来的に規模を拡大したい場合は最初からテナントでの開業を検討した方が良いでしょう。
最後に、立地の良さを重視する方です。駅前や繁華街など人通りの多い場所で集客したい場合は、自宅の立地が悪いと不利になります。立地を選べないというデメリットを受け入れられない方は、別の物件を検討してください。
自宅エステサロン開業の準備と運営の最適な流れ
開業6ヶ月前から始める事前準備
まず最初に取り組むべきは、事業計画書の作成です。どんなコンセプトのサロンにするのか、ターゲットとするお客様は誰なのか、メニューと価格設定、月間の売上目標と経費の見込みなどを具体的に書き出しましょう。
次に、開業資金の準備です。美容機器や備品、化粧品の購入費用に加えて、最低でも6ヶ月分の生活費を確保しておくことをおすすめします。
自己資金で足りない場合は、日本政策金融公庫などの公的融資を検討してください。金利が低く、創業支援に力を入れているため、個人事業主でも借りやすいという特徴があります。
サロンコンセプトと強みの明確化
自宅サロンは立地や設備面で大手サロンに劣ることが多いため、それ以外の部分でお客様に選ばれる理由を作る必要があります。
そのために重要なのが、サロンのコンセプトと強みを明確にすることです。
例えば、「産後ママ専門のボディケアサロン」「完全個室でゆっくりくつろげる隠れ家サロン」「オーガニック化粧品にこだわったフェイシャル専門店」など、自分の得意分野や提供できる価値を具体的に言葉にしましょう。
誰にでも当てはまる抽象的な言葉ではなく、「こんな悩みを持った、こんな人に来てほしい」と明確にすることで、本当に必要としているお客様に届きやすくなります。
物件確認と必要な届出
自宅でサロンを開業できるかどうか、まず確認が必要です。
賃貸物件の場合は、賃貸借契約書を確認し、営業活動が許可されているか管理会社に問い合わせてください。持ち家でもマンションの場合は、管理規約で営業活動が制限されていないか確認しましょう。
また、用途地域の確認も重要です。
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、田園住居地域では、自宅の一部でのサロン運営ができないことがあります。お住まいの地域の用途地域は、市区町村の都市計画課で確認できます。
開業する際には、開業届を開業から1ヶ月以内に管轄の税務署へ提出する必要があります。
同時に、青色申告承認申請書も提出しておくことをおすすめします。青色申告にすることで、確定申告時に最高65万円の控除を受けられるなど、節税効果があります。
また、サロンを開業する場合は、営業開始の7日前までに「防火対象使用開始届出書」を管轄の消防署へ提出する必要があります。
特定のメニュー(脱毛など)を提供する場合は、保健所への届出が必要になることもありますので、事前に確認してください。
サロンスペースの準備と内装

お客様をお迎えするサロンスペースは、生活感を感じさせない工夫が必要です。できれば専用の個室を用意し、玄関からサロンスペースまでの動線上に生活用品が見えないように配慮しましょう。
内装は、コンセプトに合った雰囲気作りを心がけてください。
照明を落ち着いたトーンにしたり、アロマディフューザーで香りを演出したり、BGMを流したりして、リラックスできる空間を作ります。インテリアや小物は、統一感を持たせることで洗練された印象になります。
トイレや洗面所も、お客様が使用することを前提に常に清潔に保ちましょう。タオルやハンドソープ、ティッシュなどのアメニティも用意しておくと好印象です。
必要な機器・備品の準備
エステ機器は高額なものも多いため、最初から全てを揃える必要はありません。
まずは自分が提供したいメニューに必要な機器を優先的に購入し、徐々に追加していく方が資金繰りが楽になります。
購入だけでなく、レンタルやリースも選択肢に入れてください。
初期費用を抑えられるだけでなく、故障時のサポートが受けられるメリットもあります。中古機器を検討する場合は、保証やアフターサービスがしっかりしているかを確認しましょう。
施術用のベッドやワゴン、タオル、化粧品などの消耗品も忘れずに準備してください。
特にタオルは、1日の施術人数に合わせて十分な枚数を用意しておく必要があります。
メニューと価格設定
メニュー作りでは、粗利益率を意識することが大切です。
材料費や時間がかかりすぎるメニューばかりでは、いくら忙しくても利益が残りません。1回の施術でどれくらいの利益が出るのか、しっかり計算した上で価格を設定しましょう。
自宅サロンの相場は、フェイシャルで6,000円から12,000円、ボディで8,000円から15,000円程度です。
周辺の競合サロンの価格も参考にしながら、自分の技術レベルやコンセプトに見合った価格を設定してください。
初回限定メニューや回数券を用意することで、リピートにつなげやすくなります。
ただし、あまりに安い価格設定にすると、価格だけで判断するお客様が集まってしまい、後で値上げしにくくなるので注意が必要です。
集客の準備は開業前から
開業してから集客を始めるのでは遅すぎます。開業の3ヶ月前から、SNSやホームページで情報発信を始めましょう。InstagramやFacebookでサロンのアカウントを作成し、準備の様子やコンセプト、メニューの紹介などを定期的に投稿してください。
Googleビジネスプロフィールへの登録も忘れずに行いましょう。
お客様が「エステ 地域名」で検索した時に、あなたのサロンが表示されるようになります。
正確な情報(店舗名、住所、電話番号、営業時間)を登録し、魅力的な写真を複数枚アップロードしてください。
お友達や知人に練習台として施術を受けてもらい、感想をSNSに投稿してもらうのも効果的です。ビフォーアフター写真や口コミは、信頼性を高める重要な要素になります。
自宅エステサロン運営の注意点
集客媒体の一貫性を保つ
Instagram、Googleビジネスプロフィール、ホームページなど、複数の媒体を使って集客する場合、すべての媒体で情報を統一することが非常に重要です。
店舗名、住所、電話番号(NAP情報と呼ばれます)は、一言一句、完全に同じ表記にしてください。
例えば、Googleでは「○○エステサロン」、Instagramでは「○○エステサロン渋谷店」、ホームページでは「Esthetic Salon ○○」のように表記がバラバラだと、AIが別のサロンだと判断してしまい、検索結果に表示されにくくなります。住所の表記も、「1-2-3」と「1丁目2番3号」では別物と認識されるため、完全に統一しましょう。
具体的な悩みに特化した情報発信
「根本改善します」「お一人お一人に合わせた丁寧な施術」といった抽象的な言葉では、お客様の心には響きません。誰にでも当てはまる言葉は、誰にも刺さらないのです。
代わりに、「産後、骨盤が開いたまま戻らず下半身が痩せない、何をしても太ももだけが細くならない、そんなあなたへ」のように、具体的な悩みを言語化しましょう。
この悩みを持っている人には強く刺さり、「これは私のことだ!」と感じてもらえます。
リピーターを増やす仕組み作り
新規集客にばかり力を入れていると、広告費がかさんで利益が残りません。
一度来店されたお客様に、また来たいと思っていただける仕組みを作ることが、安定経営の鍵です。
そのためには、記録と記憶の共有が大切です。施術の内容やお客様の体の状態を記録し、次回来店時に「前回はここが気になっていましたよね」と覚えていることを伝えましょう。
お客様は、自分のことを覚えていてくれると嬉しく感じ、信頼感が生まれます。
また、次回の予約や来店のきっかけを作ることも重要です。
「次回はこんな施術をしましょう」
「2週間後にまた様子を見せてください」
と具体的に提案することで、リピートにつながりやすくなります。
予約システムの導入
電話やメールだけで予約を受け付けていると、予約の管理が煩雑になり、ダブルブッキングや聞き間違いなどのミスが起こりやすくなります。
また、営業時間外に予約の電話があった場合、機会損失につながります。
予約システムを導入することで、24時間いつでもお客様自身で予約ができるようになり、予約管理も自動化されます。
顧客情報や施術履歴もデータで管理できるため、業務効率が大幅に向上します。
近隣への配慮とルール作り
自宅サロンを運営する際は、近隣住民への配慮が欠かせません。
開業前に、近隣の方にご挨拶をして、サロンを始めることをお伝えしておくと、後々のトラブルを防げます。
お客様に対しても、「路上駐車はしない」「大声で話さない」「廊下やエントランスでの長話は控える」などのルールを事前にお伝えしておきましょう。
特にマンションの場合は、他の住民の方に迷惑をかけないよう注意が必要です。
防犯対策をしっかりと
自宅に知らない方を招き入れるため、防犯対策は十分に行ってください。
初回のお客様には事前に電話やビデオ通話で確認を取ったり、完全紹介制にしたりする方法もあります。
少しでも不安を感じる予約があった場合は、無理せず断る勇気も必要です。貴重品は施術スペースに置かず、家族がいる時間帯に営業するなど、自分なりの安全対策を考えましょう。防犯カメラの設置も検討する価値があります。
税務処理と帳簿管理
個人事業主として開業すると、確定申告が必要になります。日々の売上と経費をしっかり記録し、領収書やレシートは必ず保管しておきましょう。
会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても比較的簡単に帳簿をつけることができます。
不安な方は、税理士に相談するのも一つの方法です。青色申告で節税効果を最大限に活用しましょう。
まとめ。自宅エステサロンは計画的に始めれば成功の可能性大
自宅エステサロンは、開業資金を抑えながら自分らしい働き方ができる魅力的な選択肢です。
しかし、「なんとなく」始めてしまうと、集客に苦労したり、家族とトラブルになったり、思うような収入が得られなかったりする可能性があります。
成功するためには、事前の準備が何よりも大切です。
サロンのコンセプトを明確にし、具体的な悩みを持ったお客様に向けて情報発信し、リピーターを増やす仕組みを作ることで、安定した経営が可能になります。
自宅サロンに向いているかどうかは、家族の協力が得られるか、自己管理ができるか、仕事とプライベートの境界が曖昧でも気にならないかなど、ご自身の状況や性格によって変わります。
メリットとデメリットをしっかり理解した上で、納得して開業を決めてください。
開業後すぐに満席になることは稀ですが、長期的な視点を持って、お客様との信頼関係を一つ一つ積み重ねていくことで、必ずファンが増えていきます。
焦らず、諦めず、自分らしいサロン作りを楽しんでいきましょう。
あなたの自宅エステサロンが、お客様にとってかけがえのない癒しの場所になることを願っています。

