サロン経営は儲からない?成功するための改善策を解説

「サロンを開業したけど、思うように利益が出ない」「毎月の売上が安定せず、経営が不安」——そんな悩みを抱えていませんか?
エステサロン・美容室・ネイルサロン・整体院など、サロン経営は華やかに見える一方で、実は厳しい現実があります。業界全体で見ると、開業から1年以内に約60%、3年以内に約90%が廃業するというデータもあり、「サロン経営は儲からない」と感じてしまうのも無理はありません。
しかし、だからといって諦める必要はありません。儲からないサロンには共通した原因があり、それを正しく理解して改善策を実践すれば、安定した経営を実現することは十分に可能です。
この記事では、サロン経営が儲からないと言われる理由を徹底解説し、成功するための具体的な改善策をお伝えします。実践できるノウハウを中心にまとめていますので、ぜひ最後まで読んで、あなたのサロン経営に活かしてください。
サロン経営が儲からない・難しいと言われる5つの理由
サロン経営が儲からないと言われる背景には、業界特有の構造的な問題があります。まずは、なぜ多くのサロンが苦戦しているのか、その理由を正しく理解しましょう。
サロン経営の廃業率が高い現実
美容・健康系サロン業界の廃業率は、他の業種と比較しても非常に高い水準にあります。業界データによると、開業1年以内の廃業率は約60%、3年以内では約90%、10年以内では95%にも達するとされています。
帝国データバンクの調査によると、2024年度に発生した美容室の倒産は2月までに197件発生し、過去最多を大幅に更新する見込みとなっています。来店客数は回復傾向にあるものの、人手不足や美容資材の値上げによるコスト増が経営を圧迫している状況です。
特に個人経営や自宅サロンの場合、フランチャイズやチェーン店と比較するとさらに厳しい状況になりやすく、緻密な経営戦略が不可欠といえます。
競合サロンの増加による集客難と価格競争
サロン業界では新規参入が非常に多く、競合店舗の数が年々増加しています。美容室を例に挙げると、過去5年間で毎年約3,000店舗ずつ増えてきており、2016年時点で全国に約24万6,000店舗が存在していました。これはコンビニエンスストア14チェーンの総店舗数の約4倍にもなります。
競合が増えれば、当然ながら顧客の取り合いになります。その結果、集客のためにクーポンや割引キャンペーンを乱発してしまい、利益を圧迫する悪循環に陥るサロンが後を絶ちません。
「安ければどこでもいい」という顧客を集めてしまうと、リピート率は上がらず、価格競争の泥沼から抜け出せなくなってしまいます。
家賃や経費など固定費の負担が重い
サロン経営では、売上があってもなくても毎月かかる固定費の存在が大きな負担となります。主な固定費としては、以下のようなものが挙げられます。
家賃は売上の10〜15%以内が理想とされていますが、集客に有利な好立地を選ぶと当然高くなります。人件費はスタッフを雇用する場合に売上の30〜40%程度を占めることもあり、水道光熱費や広告宣伝費も毎月必要です。さらに、業務用美容機器を導入している場合はリース料や返済費用もかかります。
売上が安定しない開業初期は、これらの固定費が重くのしかかり、資金繰りに行き詰まってしまうケースが多いのです。
経営ノウハウや集客知識の不足

サロン経営者の多くは、エステティシャンやセラピスト、ネイリストなど技術者としてのスキルは持っているものの、経営に関する知識が不足していることが少なくありません。
「技術があればお客様は来てくれる」と思いがちですが、実際にはそうではありません。いくら腕が良くても、お客様にサロンの存在を知ってもらえなければ来店にはつながりません。集客の仕組みづくり、価格設定の考え方、売上管理、経費削減など、経営者として身につけるべき知識は多岐にわたります。
経営の勉強をせずに感覚だけで運営していると、知らず知らずのうちに利益を逃してしまうことになるのです。
儲からないサロンに共通する5つの悩みと特徴
儲からないサロンには、いくつかの共通した特徴があります。自分のサロンに当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
サロンのコンセプトが明確でない
「どんなお客様に、どのようなサービスを提供したいのか」というコンセプトが曖昧なサロンは、集客に苦戦しがちです。
コンセプトが定まっていなければ、お客様がそのサロンを選ぶ理由がなくなってしまいます。「なんでもできます」という打ち出し方は、逆に言えば「特徴がない」ということ。他店との差別化ができず、価格以外で勝負するポイントがなくなってしまうのです。
「このサロンでしか受けられない」「このサロンだからこそ通いたい」と思ってもらえるような、明確なコンセプトを持つことが大切です。
ターゲット顧客が絞り込めていない
コンセプトと合わせて重要なのが、ターゲット顧客の設定です。「誰でも歓迎」という姿勢は一見良さそうに見えますが、結果的に誰にも響かないサロンになってしまいます。
年齢、性別、職業、ライフスタイル、抱えている悩みなど、理想のお客様像を具体的にイメージすることで、その方に響くメニュー内容や価格設定、広告のキャッチコピーが見えてきます。
ターゲットを絞ることは、お客様を減らすことではありません。むしろ、本当に来てほしいお客様に確実に届く発信ができるようになるのです。
料金設定が安すぎる
「お客様に来てもらうために、とにかく安くしよう」という考えで料金を設定してしまうサロンは多いですが、これは経営を圧迫する大きな原因となります。
たとえば、1時間の施術で5,000円と10,000円では、同じ稼働時間でも売上は2倍の差が生まれます。安い料金で多くのお客様をこなそうとすると、体力的にも限界があり、疲弊してしまいます。
また、「安いから来る」という層は、少しでも安いサロンを見つけるとすぐに流れてしまうため、リピート率も上がりません。提供する価値に見合った適正な料金設定をすることが、長期的な経営安定につながります。
リピーターを獲得できていない
新規集客にばかり力を入れて、リピーターの獲得をおろそかにしているサロンは、いつまでも経営が安定しません。
マーケティングの世界では「1:5の法則」という考え方があります。これは、新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるというもの。つまり、リピーターを大切にする方が、はるかに効率的に売上を上げられるのです。
業界データによると、エステサロンの新規顧客のリピート率は平均で約20〜30%程度と言われています。言い換えれば、7〜8割のお客様は2回目の来店をしていないということ。この数字を改善することが、経営安定への近道となります。
集客方法が確立されていない
「お客様が来ない」と悩んでいるサロンの多くは、効果的な集客の仕組みを持っていません。
ホームページを作っただけ、SNSアカウントを開設しただけでは、お客様は来てくれません。どのような人に、どこで、どのようなメッセージを届けるのか。そして、サロンの存在を知った人が、どのような流れで予約に至るのか。この導線を設計し、継続的に改善していく必要があります。
集客は一度やって終わりではなく、サロン経営を続ける限り取り組み続けるべき課題なのです。
サロン経営者の年収・収入はどれくらい?
「サロン経営者になったらどれくらい稼げるのか」というのは、多くの方が気になるポイントでしょう。ここでは、実際のサロン経営者の年収について見ていきます。
サロン経営者の平均年収の目安

サロン経営者の年収は、サロンの規模や業態、経営状況によって大きく異なります。
エステサロンのオーナーの場合、平均年収は300万円〜500万円程度と言われています。開業直後は知名度が低いため、300万円を下回ることも珍しくありません。一方、経営が軌道に乗れば500万円〜800万円程度を得ることも十分に可能です。
個人エステサロン経営者の場合、実質的な月収は35万円〜90万円程度が目安となります。これは、月商から経費を差し引いた金額です。
美容室の1人オーナーの場合は、平均年収が400万円〜500万円程度。美容師全体の平均年収が280万円〜300万円とされていますので、独立することで年収アップの可能性はあるといえます。
年収1,000万円を目指すには
サロン経営で年収1,000万円以上を実現しているオーナーも存在します。ただし、その多くは複数店舗を経営しているケースです。
エステサロンも美容室も基本的には接客業であり、一人のスタッフが生み出せる売上には限界があります。そのため、大きな利益を得るには、複数の店舗を展開し、スタッフを雇用してサロン全体の売上を増やしていく必要があります。
実際に年収2,000万円を超えるオーナーの多くは、5店舗以上を経営し、各店舗に優秀な店長を配置することで、自身の労働時間を減らしながら利益を拡大しています。
ただし、店舗拡大には資金力だけでなく、マニュアルの整備や人材育成の仕組みづくりが不可欠です。まずは1店舗でしっかりと利益を出せる体制を作ることが、将来の拡大に向けた第一歩となります。
自宅サロンと個人サロン・店舗サロンの収入差
開業する場所によっても、収入は大きく変わります。
自宅サロン開業の場合、家賃や初期費用などが抑えられるため、売上の多くを収入として手元に残すことができます。固定費がほとんどかからない分、利益率は高くなる傾向があります。
一方、テナントを借りてプライベートサロンを開業する場合は、物件を借りる初期費用や内装費、毎月の家賃などが多くかかります。また、開業資金を融資で賄った場合は返済も必要となるため、同じ売上でも手元に残る収入は少なくなります。
自宅サロンは初期投資を抑えられるメリットがある反面、立地による集客の難しさや、生活感を感じさせない空間づくりの課題があります。どちらが良いかは一概には言えませんが、自分の状況に合った開業スタイルを選ぶことが大切です。
サロン経営の業態による収益構造の違い
一口にサロンといっても、業態によって収益構造は異なります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
エステサロンの収益構造
エステサロンは、フェイシャルやボディケア、痩身などの施術を提供するサロンです。
特徴として、コースメニューや回数券の販売によってまとまった売上を得やすい点が挙げられます。また、化粧品などの物販との相性も良く、施術以外の収益源を確保しやすい業態といえます。
一方で、高額な業務用美容機器の導入が必要になることが多く、初期投資が大きくなりがちです。機器のリース料や消耗品の費用も継続的にかかるため、しっかりと収支計画を立てることが重要です。
美容室の収益構造
美容室は、カット・カラー・パーマなどの技術を提供するサロンです。
来店頻度が比較的高く(1〜2ヶ月に1回程度)、定期的な売上が見込みやすいのが特徴です。また、シャンプーやトリートメントなどの店販商品を販売することで、客単価を上げることも可能です。
一方で、美容師の人材確保が大きな課題となっています。美容業界は離職率が高く、優秀なスタッフの採用・定着に苦労するサロンが多いのが現状です。スタッフが辞めてしまうと、そのスタッフについていたお客様も離れてしまうリスクがあります。
ネイルサロンの収益構造
ネイルサロンは、ジェルネイルやネイルケアなどのサービスを提供するサロンです。
比較的小さなスペースでも開業できるため、初期投資を抑えやすいのが特徴です。自宅の一室や小さなテナントでも始めることができ、一人でも運営しやすい業態といえます。
ただし、施術に時間がかかるため、1日に対応できる顧客数には限りがあります。客単価を上げる工夫や、デザインの技術力を高めて差別化を図ることが重要になります。
リラクゼーションサロン・整体院の収益構造
リラクゼーションサロンや整体院は、もみほぐしや整体施術などを提供するサロンです。
リラクゼーションサロンは資格がなくても開業できるため、参入障壁が低い分、競合も多くなります。差別化が難しく、価格競争に陥りやすい傾向があります。
整体院や鍼灸院など、資格が必要な業態は参入障壁がある分、専門性をアピールしやすいメリットがあります。ただし、「保険が使えるのか」「どこまでが医療行為になるのか」など、法的な線引きを理解しておく必要があります。
サロン経営を成功に導く7つの改善策とやり方
ここからは、サロン経営を成功させるための具体的な改善策をご紹介します。すぐに実践できるものから取り組んでみてください。
明確なコンセプトとターゲットを設定する

サロン経営の成功において、最も重要なのがコンセプトとターゲットの明確化です。
まず、「誰のためのサロンなのか」を具体的に決めましょう。年齢、性別、職業、家族構成、抱えている悩み、ライフスタイルなど、理想のお客様像を細かく設定します。
たとえば、「30代後半〜40代の働く女性で、仕事のストレスで肌荒れや疲労に悩んでいる方。短時間で効果を実感できる施術を求めている」というように具体化します。
ターゲットが明確になると、その方に響くメニュー内容、価格帯、内装、広告のキャッチコピーなど、すべての判断基準が定まります。「このサロンは自分のためにある」と感じてもらえるサロンづくりを目指しましょう。
適正な価格設定を見直す
料金設定は、サロン経営の収益を大きく左右します。
価格を決める際に大切なのは、「提供する価値に見合った価格かどうか」という視点です。単に周りのサロンより安くするのではなく、お客様がその価格を払ってでも受けたいと思えるサービスを提供することを考えましょう。
具体的には、以下の手順で価格設定を見直してみてください。
まず、目標売上と稼働時間から、必要な客単価を計算します。月の売上目標が50万円で、月20日稼働、1日3名の施術が限界だとすると、「50万円÷60名=約8,300円」が目安の客単価となります。
次に、その客単価を実現できるメニュー構成を考えます。単品メニューだけでなく、コースメニューやオプションメニューを組み合わせることで、無理なく客単価を上げることができます。
安売りは短期的にはお客様を集められても、長期的にはサロンの価値を下げ、利益を圧迫します。価値を伝えながら、適正な価格を設定することが大切です。
リピート率を高める仕組みをつくる
安定したサロン経営には、リピーターの獲得が不可欠です。リピート率を高めるための具体的な施策をご紹介します。
まず、施術後の次回予約を習慣化しましょう。「お客様の髪やお肌の状態を考えると、○週間後くらいにいらしていただくのがベストです」というように、専門家としてのアドバイスとともに次回予約を促します。
次回予約をしてくださったお客様には、特典を用意するのも効果的です。たとえば、次回予約特典として500円オフやオプションサービスなどを提供することで、予約率が上がります。
また、来店後のフォローも重要です。施術から3日後〜1週間後くらいに、「その後お肌の調子はいかがですか?」といったメッセージを送ることで、お客様との関係性を深めることができます。
リピート率の目標は、新規顧客で50%以上、既存顧客で80〜90%を目指しましょう。数値を把握し、定期的に振り返ることが改善につながります。
客単価アップの工夫をする
売上を上げる方法として、客単価を上げる施策も有効です。ただし、無理な値上げやしつこいセールスは逆効果になりますので、お客様にとって価値のある提案をすることが大切です。
客単価を上げる方法としては、主に「アップセル」と「クロスセル」があります。
アップセルとは、予約されたメニューよりも上位のメニューを提案することです。たとえば、「今日は特にお疲れのようですので、ロングコースの方がゆっくりほぐせますよ」といった提案がこれにあたります。
クロスセルとは、関連するメニューや商品を追加で提案することです。たとえば、フェイシャルエステを受けたお客様に「ホームケア用の美容液もございますが、いかがですか?」と提案するのがクロスセルです。
いずれも、お客様の悩みや希望を丁寧にカウンセリングで聞き取り、その解決策として提案することがポイントです。押し売りにならないよう、お客様にとってのメリットを第一に考えましょう。
効果的な集客方法を実践する
集客は、サロン経営において継続的に取り組むべき課題です。オンラインとオフラインを組み合わせた集客戦略を立てましょう。
SNS活用は、現代のサロン集客において欠かせない手段です。特にInstagramは、ビフォーアフターの写真やサロンの雰囲気を視覚的に伝えられるため、美容系サロンとの相性が良いです。投稿は定期的に行い、ハッシュタグを活用してターゲット層に届くようにしましょう。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)への登録も必須です。「地域名+エステ」「地域名+整体」などで検索したときに、地図上に表示されるようになります。口コミを集めることで、検索順位のアップも期待できます。
ホームページやブログも、信頼性を高めるために重要です。サロンの雰囲気、施術者の経歴、メニュー内容、料金、アクセスなど、お客様が知りたい情報を網羅しましょう。
また、既存のお客様からの紹介も強力な集客手段です。紹介してくださった方と紹介された方の両方に特典を用意する紹介キャンペーンを実施してみてください。
経費を適切に管理する
売上を上げることと同じくらい重要なのが、経費の管理です。
まず、毎月の経費を「固定費」と「変動費」に分けて把握しましょう。固定費は家賃や保険料など毎月一定額かかるもの、変動費は材料費や広告費など売上に応じて変動するものです。
経費の見直しポイントとしては、まず固定費から検討するのが効果的です。家賃の交渉、不要な契約サービスの解約、保険の見直しなど、一度削減すれば継続的に効果が出ます。
ただし、広告宣伝費の削減には注意が必要です。集客に直結する経費を削りすぎると、売上そのものが下がってしまう可能性があります。費用対効果を見ながら、効果の出ていない広告を見直す形で最適化しましょう。
また、確定申告では青色申告を選択することで、最大65万円の控除を受けられます。事業用と個人用の口座を分けて管理し、経費の計上漏れがないようにすることも大切です。
経営の数字を把握する
感覚ではなく、数字に基づいた経営判断をすることが成功への近道です。
サロン経営で把握すべき主な指標は以下の通りです。
「売上」は、月間・年間でいくら売り上げているかの基本指標です。「客数」は、新規客数と既存客数に分けて把握します。「客単価」は、お客様1人あたりの平均売上額です。「リピート率」は、新規顧客・既存顧客それぞれの再来店率を計算します。「稼働率」は、予約可能な枠に対してどれくらい埋まっているかの割合です。
これらの数字を毎月記録し、前月や前年同月と比較することで、サロンの状態が見えてきます。数字が悪化している項目があれば、原因を分析して改善策を打つことができます。
表計算ソフトでの管理でも構いませんし、予約管理システムを導入すれば自動で集計してくれるものもあります。数字を味方につけて、効率的な経営を目指しましょう。
サロン経営で利益を出すための実践的なポイント
ここでは、実際に利益を出しているサロンに共通する実践的なポイントをお伝えします。
物販で収益を上げる
施術売上だけでなく、物販を取り入れることで収益の柱を増やすことができます。
物販のメリットは、施術時間を使わずに売上を上げられることです。施術には時間という限りがありますが、物販にはその制限がありません。また、お客様にとっても、サロンでのケアを自宅でも継続できるというメリットがあります。
ただし、物販を成功させるには、押し売りにならないことが大切です。施術中に「このお肌には、この成分が入った○○がおすすめです」と、お客様の悩みに合わせた提案をすることで、自然な形で購入につなげることができます。
取り扱う商品は、自分が本当に良いと思えるものを選びましょう。自信を持って勧められる商品であれば、お客様にもその想いが伝わります。
回数券・コース契約で売上を安定させる
回数券やコース契約の導入は、売上の安定化に効果的です。
回数券のメリットとしては、まずまとまった売上を先に得られることが挙げられます。また、お客様が回数券を使い切るまで継続して来店してくださるため、リピート率の向上にもつながります。
お客様にとっても、1回あたりの単価が安くなるメリットがあります。「5回コースなら1回分お得」といった形で、双方にとってメリットのある提案をしましょう。
ただし、回数券の販売に偏りすぎると、キャッシュフローの管理が難しくなることがあります。回数券は将来の売上の前借りでもあるため、バランスを考えた販売が必要です。
予約システムを活用して業務効率化を図る
予約管理や顧客管理をシステム化することで、業務効率が大幅に向上します。
予約システムを導入すると、24時間ネット予約を受け付けられるようになり、電話対応の時間を削減できます。また、予約状況を一目で把握でき、ダブルブッキングのミスも防げます。
顧客管理機能があれば、お客様ごとの施術履歴や好み、会話の内容などを記録しておけます。次回来店時に「前回お話しされていた○○はいかがでしたか?」と声をかけられれば、お客様との信頼関係が深まります。
予約システムには無料のものから有料のものまでさまざまな種類があります。自分のサロンの規模や必要な機能に合わせて選びましょう。
セミナーやコンサルで経営を学び続ける
サロン経営の成功には、継続的な学びが欠かせません。
経営に関するセミナーやコンサルティングを活用することで、自分では気づかなかった課題や、効果的な改善策を知ることができます。また、同じ悩みを持つ経営者仲間との交流は、モチベーションの維持にもつながります。
最近はオンラインで受講できるセミナーも増えており、忙しいサロンオーナーでも参加しやすくなっています。無料のセミナーから始めて、自分に合った学びの場を見つけてみてください。
技術の研修も忘れてはいけません。業界のトレンドは常に変化しており、お客様のニーズに応え続けるためには、技術力の向上も必要です。新しい技術を習得することで、メニューの幅を広げ、客単価アップにもつなげられます。
サロン経営の失敗を防ぐために知っておくべきこと
最後に、サロン経営で失敗しないために知っておくべきポイントをお伝えします。
開業前の準備を怠らない
サロン開業の成功は、準備段階でほぼ決まると言っても過言ではありません。
開業前に必ず作成すべきなのが、事業計画書です。どのようなコンセプトで、誰をターゲットに、どこで、いくらの売上を目指すのか。必要な資金はいくらで、どのように調達するのか。これらを明確にしておくことで、開業後の迷いを減らすことができます。
資金については、初期費用だけでなく、最低6ヶ月分の運転資金を確保しておくことをおすすめします。開業直後は売上が安定しないことが多く、資金が底をついてしまうと、せっかく軌道に乗りかけても継続できなくなってしまいます。
また、開業届の提出や、業態によっては保健所への届出など、法的な手続きも忘れずに行いましょう。
価格競争に巻き込まれない
周りのサロンが値下げを始めると、つい追随したくなりますが、安易な値下げは経営を苦しくする原因になります。
価格で勝負するのではなく、提供する価値で選ばれるサロンを目指しましょう。そのためには、他店にはない強みを持つことが大切です。
独自の技術、使用する商材へのこだわり、接客のクオリティ、通いやすさ、空間の居心地の良さなど、価格以外で選ばれる理由を作りましょう。その価値を正しくお客様に伝えることができれば、少し高くても「このサロンに通いたい」と思ってもらえます。
常に経営者の視点を持つ
施術者であると同時に、経営者であるという意識を常に持つことが大切です。
「いい施術をしていればお客様は来てくれる」という考えだけでは、経営は成り立ちません。集客、顧客管理、経費管理、スタッフ教育など、経営者としてやるべきことは多岐にわたります。
自分がすべてをやる必要はありません。苦手な部分は専門家に頼んだり、システムに任せたりすることで、自分にしかできないことに集中することができます。
また、定期的に立ち止まって、自分のサロンの現状を客観的に見つめ直す時間を持つことも大切です。日々の業務に追われていると、気づかないうちに問題が大きくなっていることがあります。
サロン経営に関するよくある質問
サロン経営について、よく寄せられる質問にお答えします。
サロンを開業するのに資格は必要ですか?
サロンの業態によって異なります。
美容室の場合は、美容師免許が必要です。管理美容師の資格も、スタッフを雇用する場合には必要になります。
エステサロンやリラクゼーションサロンの場合、法的に必須の資格はありません。ただし、日本エステティック協会などが認定する民間資格を取得しておくと、お客様からの信頼度が上がります。
整体院や鍼灸院など、医療類似行為を行う場合は、それぞれ国家資格が必要です。
資格がなくても開業できる業態であっても、技術力を証明する資格を持っておくことは、差別化や信頼獲得の面で有利に働きます。
サロン開業にはどのくらいの資金が必要ですか?
開業スタイルによって大きく異なりますが、目安としては以下の通りです。
自宅サロンの場合は、50万円〜150万円程度。主に施術に必要な機器や備品、内装の一部改装などに使います。
テナントを借りてサロンを開業する場合は、300万円〜500万円程度が目安です。物件取得費(敷金・礼金・保証金)、内装工事費、設備・機材費、備品費などがかかります。
さらに、開業後の運転資金として、最低でも6ヶ月分(150万円〜300万円程度)を確保しておくことをおすすめします。
資金調達の方法としては、自己資金のほか、日本政策金融公庫の創業融資や、自治体の制度融資などを活用する方法があります。
自宅サロンは本当に儲かりますか?
自宅サロンには、店舗サロンにはないメリットがあります。
最大のメリットは、固定費を大幅に抑えられることです。家賃がかからない(または一部のみ経費計上)ため、売上の多くを利益として残すことができます。
一方で、デメリットもあります。住宅街にある場合は集客が難しいこと、生活感を感じさせない空間づくりが必要なこと、プライバシーの問題(住所を公開することへの不安)などが挙げられます。
自宅サロンで成功するには、これらのデメリットを克服する工夫が必要です。SNSやオンラインでの集客に力を入れる、サロンスペースの内装をしっかり整える、セキュリティ対策を行うなどの対策を行いましょう。
集客がうまくいかない場合、まず何をすべきですか?
集客に悩んでいる場合、まずは現状分析から始めましょう。
「お客様がどこから来ているのか」を把握していますか?ホームページ、SNS、紹介、クーポンサイトなど、流入経路ごとの新規客数を確認しましょう。
次に、それぞれの流入経路の「数」を増やすか、「率(予約への転換率)」を上げるかを検討します。たとえば、SNSのフォロワーは多いのに予約につながっていないなら、投稿内容や導線の見直しが必要かもしれません。
また、ターゲット設定やコンセプトが曖昧な場合、いくら発信しても響きません。「誰に向けて発信しているのか」を改めて明確にすることが、集客改善の第一歩です。
リピーターがなかなか増えません。どうすればよいですか?
リピーターが増えない原因は、主に以下の3つが考えられます。
1つ目は、施術やサービスに満足していただけていない場合。技術力の向上はもちろん、カウンセリングでのコミュニケーション、空間の清潔さ、接客の質など、総合的な顧客体験を見直しましょう。
2つ目は、リピートするメリットを感じられていない場合。次回予約特典、回数券の導入、ポイントカードなど、継続して通うことのメリットを分かりやすく伝えましょう。
3つ目は、予約が取りにくい場合。せっかくリピートしたいと思っても、予約が取れなければ足が遠のいてしまいます。ネット予約の導入、予約枠の見直しなどを検討しましょう。
リピート率の数値を定期的に確認し、どこに問題があるのかを特定することが改善への近道です。
まとめ
サロン経営が儲からないと言われる理由と、成功するための改善策についてお伝えしてきました。
サロン業界は確かに廃業率が高く、厳しい世界です。しかし、儲からないサロンには共通した原因があり、それを理解して適切な対策を打てば、安定した経営を実現することは可能です。
成功するサロン経営のポイントをまとめると、以下のようになります。
明確なコンセプトとターゲットを設定し、他店との差別化を図ること。適正な価格設定をして、価値に見合った料金をいただくこと。リピート率を高める仕組みをつくり、お客様との長期的な関係を築くこと。効果的な集客方法を実践し、新規顧客を継続的に獲得すること。経費を適切に管理し、利益を確保すること。経営の数字を把握し、データに基づいた判断をすること。
すべてを一度に完璧にする必要はありません。まずは、今のあなたのサロンで最も課題だと感じる部分から、一つずつ改善していきましょう。
小さな改善の積み重ねが、やがて大きな成果につながります。あなたのサロン経営が成功することを願っています。

